介護士による空気注射事件で思う事
「某県の介護老人保健施設で介護士の女が入居者の点滴に空気を注入して殺害した容疑で逮捕」
そんなニュースが流れて来て一緒に夜勤をしていた同僚が顔を曇らせました。
この同僚は結構年配の方ですがこの容疑者と同じく看護師資格を持っており「こんな事をする人がいるなんて意味が分からない。看護師資格まで持っているのに!!」と憤っていました。
大体、1か月に1回はこういった介護士による虐待やらのニュースが出て来て「止めてくれ」と思うのです。
介護職というのは過酷な割に給料も少ないとよく言われます。
まあ、確かに給料は少ないと思います。
利用者が「あんた沢山もらっているのでしょう?」と言って来た時に自分の手取りについて話すと「え、そんな少ないの!?」と驚かれました。
で、まあ、確かに給料は低いし理不尽な暴力を受けることもありますよ。
初めて会う利用者に挨拶したら開幕ビンタだった事もあります。
介助中に「何をするんだ」と蹴られたこともあり「ふざけるなよ」と思ったこともあります。
勤務していない時に起きた出来事の犯人扱いされてボロクソ言われたこともよくありました。
でもなぁ、でもなんですよ……『踏み越えない』ですよ?
で、いつも思うのは介護職って誰でも出来るわけではないのになろうと思うと簡単に出来てしまうんですよね。
昔いた老人ホームなんか面接の第1声が「いつから来れる?」でもう採用確定ですからね。履歴書なんか見られませんでした。まあ、そこは中々問題が多い施設でした。
今の所は一応採用試験があって、作文があるのですがそれと面接でガチでヤバイ人はふるいにかけていますがそれでも採用のハードルは低いです。万年人手不足ですからね。
まあ、それでもね。時々紛れ込むんですよ、ヤバイ人。介護職になってはいかんだろうって人が。
例えばうちの部署だと部下に10年以上のベテランだった若い子……まあ自分より年下の女の子がいたんですよね。
働き者だし同僚から好かれていたんですがね……この子、ちょと好き嫌いがはっきりしすぎていて嫌いな利用者への塩対応が半端なかったんですよ。後、嫌いな利用者がケガとかをすると嬉しそうに話をするんですよ。こわっ!
で、この子はよく利用者の転倒とかの報告書を出していて内容もわかりやすいんですけどよくよく精査してみるちらほら『この利用者、こんな事になるか』ってのが見られるんです。
更に調べると共通しているのは『認知症が進んでいてすぐに忘れる』傾向が強い利用者ばかりなんですよね。
ところがとうとう利用者のひとりが『あの人に攻撃された』って言いだして、それが1ミリもぶれなかったんですよ。数年前の出来事ですが今でもこの事だけははっきりとぶれずに同じことを言います。
事情を聞かせてもらったけれど結局最後まで認めず『地元に戻ります』と羽ばたいていきました。
まあ、そんなわけで時々『介護職になったらいけないタイプ』が混ざってしまいその確率は他の業種より多いのではないかな、と思うんです。
だから今回逮捕された人もそのクチかなぁって。
基本的には介護職を志す人って言うのは優しい人が大多数ですよ。
それでいて妙に人がいいので、自分達の同僚にまさか悪人が介護を志す人なのにまさか悪人だったなんてとか思いもよらないって人も結構います。
なのでそのショックを受けていた同僚には先ほどから述べている通り『介護職になったらいけないタイプ』だったんですよ。と説明しておきました。
利用者さんが本人らしい生き方が出来るようお手伝いする介護職。
それなのにこういった事件を起こしてニュースに乗る人のせいで『介護職は…』とか言われるのって何だか嫌な気分だなぁって思い書いてみました。
本当、こういう事件止めて欲しいです……