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アラサーママ異世界奮闘記  作者: リーシャ
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第2話


はい、こんにちわ~。レイラでーす。

レイラはですね~、今、異世界に来ていまーす。

異世界?そうなんですよ~。

なんとレイラ、地球とは違う世界にダイビングしちゃいましたぁ~。

なんとなんと魔法があるらしいですよ?

魔物も出るし、魔王もいるらしいですよぉ。

楽しみですね~。ワクワクしますね~。フフフッ。


あとですねぇ。

見てください、この景色!!

はい、砂しか見えませんね~。

砂漠なんて、レイラ初めてです!


どんな事があるのかな?

レイラ、ワクワクしちゃうっ。

でわ。また。お会いいたしましょう~。
















………チェック!くそチェック。

もう口調も悪くなるわ。元々心の声の口調悪いんだけどなっ。


砂漠だよ!砂漠!

右も左も前も後ろも360度見渡す限り砂。


いきなり砂漠に出たんですけどぉ。

マントのフードかぶってなかったから頭殴られたような暑さを感じたんですけどぉ。

ママチャリ持つ手も熱すぎたから、マントの袖伸ばして手を包み込みました。マント袖つきで安心!じゃねーわ。

ママチャリの車輪が砂にとらわれて全然動かねーし。

なんなのよ。

砂漠とかマジありえないんですけどー。





30分ぐらい途方にくれていたけど、何か行動を起こさないとどうすることも出来ない。チェックはマップが見れると言っていた。どうやって見るのか…


「マップ」


マップって声に出してみた。その声に反応して透明のタブレット画面のようなものが目の前に出現した。


「うわぁ。これ魔法?」


魔法を使ったという感覚はなかったのだが、さっきのチェックの所から散々不思議体験しまくりのせいか、マップがいきなり出てきたからといって、あまり驚かなかった。ある意味チェックのおかげである。1ミリも感謝はしないが。


マップを色々いじってみた。このマップはとても便利なようだ。

世界全体の地図から現在地近辺の地図まで伸縮可能なのだ。

マップで見てみると、この世界は大陸が2つ。1

つめ。今私がいる大陸。地球のユーラシア大陸に形が似てる。2つめ。今いる大陸とはかなり離れている。全体的に丸い形。


私がいる大陸は、東を中心に国々がある。とても大きな国が4つあって、その回りには小さな国が何国かある。国の名前は載っていない。親切じゃないな。嘘です。地図があるだけ助かります。


現在、私がいるのは西南にある大砂漠の中心からすこし東あたりだ。その広さは中国全域を覆っているぐらいだだっ広い。


このマップは、私がよく使っている、オッケーなんちゃら!のマップ機能によく似ている。現在地から目的地まで徒歩何日、自転車何日ってちゃんと右上に出る。この場合の徒歩には自転車を押した場合が含まれているらしい。自転車を押している時と下に倒して自転車に触っていない時で日時が変わることから気づいた。


一番近いオアシスまで、なんと、現在地から徒歩25日だって。自転車に乗ったら……

測定不能。らしい………


チェック!おい、チェック。

異世界無理ゲーな件について。


どうすんだよ、この先。

チートママチャリで時速300キロ出るって?

わー移動楽々だねぇ………


砂のせいで乗れないんですけどー?

乗れなきゃチートあっても意味はない。


これ電動自転車だから、めちゃくちゃ重たいんですけどー。

神マントあっても、暑すぎるんですけどー。

暑さ軽減されてこれってマント外した場合、まじで死ぬレベルじゃないんすかぁ?


チェックを永遠ののしりながら、黙々とオアシスに向けて歩く。ママチャリを押しながら。

だって、いくら重くても大事な相棒。それに、魔物がいるらしいこの世界で聖域機能があるママチャリを置いていけるわけがない。





黙々。黙々。黙々。




黙々。もく…って、ちゃうわ!!


この世界に来て2時間。歩き始めてまだ1時間30分。わたくし、レイラ30歳。もうバテております。泣きそうです。

何で私が異世界とやらの砂漠で自転車押して歩いてんの?


馬鹿じゃないの?


ほんとになんでこんなことになってるの?


運動なんか短大卒業して以来してないませんけどぉ。

そしてこのことは言いたくはないけど、ちょいポチャな私にいきなりこれは、本当にハードすぎる。


昔は細かった!そして、モテた!

でも、今は………


結婚してから体重が一気に増えて、1年前に離婚して、平日のフルパート。そんな色々でシワが増えて。一気にフケた。


だから、チェックがおばさん呼ばわりするのは仕方がないことなのかもしれない。

認められないが。


「水~。」


そう言って、前カゴのアイテムボックスから2リットルのペットボトルの水を取り出す。

激安スーパーで買っていたものだ。

私が持っている食料&飲料は、スーパーで買い物していたもので全てである。

水は48円だったので、2本買っていた。


オアシスまでの距離を考えると少しずつ飲まないといけないのは分かっているけれど。

暑さと疲れですぐに喉が渇く。


「もう、疲れたよ~」


疲れている時って、脳が回らないから独り言増えるよね。えっ、増えるよね?


「ぜんっぜん。進んだ気がしない!チャリが重すぎるんだよ!ありえない!つぅかぁれぇたぁ~~~!」


時間は夕方6時12分。時間の流れは地球と一緒みたいだ。周りが一気に暗くなりだした。私の中に砂漠の知識などほぼないが昼と夜の温度差がひどいということぐらいは知っている。確かにさっきまでの暑さが急に消えた。


魔法使ってみようかな。


私は回復魔法が使えるようになっているはずだ。マップも使えたし。マップで行き先を一番近いオアシスに設定すると、どの方向を見ても感覚的にこっちだ!とオアシスへの方向が分かるようになった。目線を足元に落として歩いていても感覚で方向が分かるのは助かる。携帯のマップだといちいち確認しなければいけないが、それをしなくても感覚で分かるのは魔法っぽい。


「回復」


ポツリと言ってみた。

マップも「マップ」とつぶやいただけで見ることが出来たのだ。なので回復魔法も回復と言うだけで、魔法が発動するはずだ。


シューッと全身を風が通り抜けた気がする。


さっきまでの疲れが嘘のようになくなった。頭の重みもママチャリを押し続けることで固まっていた両腕も。疲れていた両足も。


「おぉ~。すごい!」


感動した。

劇的に疲労がなくなったのを感じて魔法の存在を実感する。






夜になった。灯りはないが、淡い紫色の月が夜空に輝いていた。それも月なのかは分からないけど、大きな月の横に小さな月らしき惑星もあった。

わーい。完全地球じゃなーい………はぁ。


その月達と星の瞬きであたりは明るい。

暗くないのはマジ救いだね。

これで暗闇だったら発狂する自信があり。


「もう、今日は休もっ。体は大丈夫でも、疲れたよ。わたし。」


回復魔法で体は回復しても、心は疲れきっていた。

私は、ママチャリを横に倒して、その場に座り込む。

360度砂漠で屋根なんてない。

今夜は野宿決定。外で寝たことなんか1度もないんだけど。

靴と靴下を脱いで、アイテムボックスの中に入れる。

万が一、砂に埋もれて見つからなかったら嫌だしね。


チェックがマントも伸びると言っていたので、足もとの部分を伸びろ~と念じながら引っ張ってみた。

マントはすぐに伸びて私の頭まできた。

私は仰向きで寝て、体全体を伸びたマントで包み込む。


左側に倒れてるママチャリを見て「大丈夫だよね?」と呟く。

聖域、発動してるよね?

回復魔法が使えたってことは不死ってチートも本当にあるはずだ。何かあっても本当に死ぬことはないはずだ。

そこまで考えて体の力を抜く。

お腹は空いたけど、食欲がわかない。


星空を眺めていると、眠気が襲ってきた。

まだ19時。腕につけてる腕時計を見る。

この時計は大切な宝物。

去年の私の誕生日に、自分で子供とお揃いの親子時計を買ったのだ。文字盤にネズミのキャラクターの絵が描かれている。私が薄いピンク色で子供がミドリ色。

子供はお出かけの時にしかつけさせないけど、私は普段もつけていた。

ママだけずるい!って言われたけど、特別な物だからお出かけの日に特別につけようね。って言ったら、特別なお出かけ~ってなって。いやいや、お出かけで特別に何だけどとか思いながら………


横にぽっかり開いた空間。

寝る時はいつも一緒に寝ていた。

ママがいないと眠れないとか言うから添い寝して。そのまま、いつも私も寝てしまって………


なんでこんな事に………

ここに来ての数時間の間に何百回考えたか……

人族の願いを叶えるために他人を召喚とか理不尽すぎる。

やっぱり納得はいかない。


ってか、叶えるも何も、人族いねーし。

いきなり砂漠に放置とかハードモードすぎない?


怒りで寂しさが吹き飛んだ。


「とりあえず、寝よっ。そいで、早めに起きてまた歩くしかないか………ユウマ。ママ頑張るからね。おやすみ………」


私はそのまま目を閉じた。



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