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町に到着…しかし?

 翌日、森を抜けた俺たちは平野で野宿をして、人の住んでいる町を目指した。途中、魔物との戦闘もあったが俺が負傷しながら蹴散らした。その負傷をナキアを治す。でもなるべく魔物との戦闘を避けていったので戦ったのは一回や二回だ。


 ナキアの魔力コントロールは拙ない。まだ赤子のようだ。今まで魔導書に頼っていたのが悪かったようで魔力の残量は分かるらしいのだが、流れが全くつかめないようだった。


「うまくいきません…」

「まあ要練習だな。流れは分かったか?」

「ごめんなさい。全くつかめなくて。魔力っていったい何なんだって改めて思います」


 俺は魔力は生まれた時から感じられたからな。全くその感覚が分からないんだよな。魔力を感知できないってことがまずありえないのだ。そうしなければ生きていくことが難しかった俺は特にな。


「…体に巡っている感じは分かるか?」

「体に巡っているですか?」


 ナキアは集中するように目を瞑った。しばらくしてため息を吐いて首を振る。


「う~。全くわかりません…」

「困ったな…。」


 魔力の感知ができないと、コントロールができない。ナキアたちの考えはおれたちとは逆なのだそうだ。俺たちは身体の中に魔力があると思っている。けどナキアたちエルフの人は空気中に漂っているという考えらしい。水魔法が使いたいときは水辺の方が効果が上がるし、火魔法の時は周りの炎があると威力があがるそうだ。俺たち龍族にはそういった考えはなかったが…。


「まわりの魔力は感じられるか?」

「まわりの魔力ですか?いえ全く。というより魔力が感じられたら苦労してないです」


 ナキアに才能がないのか…。いや回復魔法は間違いなく、魔法を使う要領で使えている。才能がないっていうこはありえない。なら魔力を使っていることを意識させるか。


「ナキア。回復魔法を使うとき何を意識してる?魔力を使っているという感覚はあるか?」

「あ。そういえば何か力が抜けるような感覚はありますね。もしかして」

「それが魔力だ。今度から回復魔法を使うときは、腕に意識を集中させて魔力を感知してみろ。自分の魔力が一番わかりやすいからな。でも魔力を感じようとする努力はやめるな。もしかしたら感じられるようになるかもしれないからな。」

「分かった!」


 それから、歩きながらナキアの魔力感知、魔力操作の練習は続いた。結局魔力感知はできずに町につくことが先になってしまった。


 時刻は夕刻で回りには冒険者のような格好の人が狩りを終えて帰ってくるのが数人みることができた。門番も気楽に通してる。俺たちもそのまま入れたら楽だけど多分顔見知り達なのだろう。


「あー。あれが人が作った町なんですね!初めて見ました。

 すごい大きい」

「そうだろ?まああの森は確かに今のエルフじゃ倒せないだろうな…」

「はい…。なんであんな場所に村なんて作ってしまったんでしょうか」


 少し辛気臭い空気になってしまった。この一日で少し絆は芽生えてきていた。少なくとも今俺の助ける優先順位はナキアが一番になっている。お互い、村では虐げられた身分だから共感することも多かった。一方的に愚痴のようなものを聞いただけだったが、親近感を湧いたのも確かだ。


「とりあえず、今日は疲れたろ。明日は町を探検しよう。

 たくさん新しいことを見て、お前の髪の色が変じゃないこともいつか証明してやろう」

「…うん。ありがとう」

「おう。俺もお前の優秀な回復魔法に甘えさせてもらう。まだ体のコントロールができないからな」

「っ!あれ!本当に心臓に悪いんだからね!」

「ごめんごめん」


 顔を赤くしてナキアは怒っている。彼女はこうやって内面の表情がころころと変わる。心を塞いで生活してきたからだろうか。それは俺の考えすぎか、もとから彼女はこういう性格なのかもしれない。それでも無理していたことは分かる。


「ああああ!!お前!逃げ出したエルフじゃねえか!

 なんでお前がこんなところにいるんだ?」

「え?」


 ナキアが振り返ると、禿げ頭の20代半ばの男が大声をあげてナキアを指していた。傍らには黄色い髪を背中まで伸ばし、身窄らしい服を着せられて両手足に枷をした耳の尖ったエルフも憎しみを込めた目でこちらを見ていた。


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