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人間として、初めての夜

 焚火を消して、ナキアが寝息を立て始めたときに俺はこれからのことを考えることにした。ナキアは疲れていたようで、マンティコアの肉を食べるとすぐに眠そうにしていた。


膨大な魔力をあたりに放出させて結界のかわりのようなものを作る。これで大抵の魔物はこのあたりをうろつけないだろう。


 俺の今後の目的はどうして龍である俺が人にされたかを調べることだ。

そもそもなんで俺がそんなことをするのかというと、そんな秘術を持っている奴が居ればすべての種族を人間族に統一される恐れがあるからだ。


俺はいつ、だれが、どのように、魔法をかけたか分かっていない。傷を負っていたとしても魔法をかけられて気づかないはずがない。

朝、目が覚めると異形の姿に変えられていたといえばわかりやすいだろうか?今はその原因さえもわからない状態なのだ。

 

 人間族にされたデメリットとして、人間の体が自分の身体能力についていけないことがあげられる。

俺の魔力、筋力は龍の時と変わらない。しかしそれが人間の体では扱いきれないのだ。こうも人間の体が不自由だとは思わなかった。

今の俺は自らの体に縛りを幾つもかけ、魔力循環時のみ戦闘を行えるようにしている。


俺以外の亜人が人間に変えられると、例えば獣人の場合はもう戦えないだろう。攻撃するたびに自分の体が傷を負っていくのだから。俺のように体をコントロール出来るはずもない


エルフの場合は自らの魔力暴走で死んでしまうと予想をつけた。

 

 そして…魔法を行使してだいぶ経つのに魔力が回復しない。これは多分魔力飽和が起きている。俺の体には普通では扱え切れないほどの魔力が肉体に流れているのだ。であれば使った分はもう戻らない。これは憶測だが魔力が多いものに対して、魔力制御が精密でなければその時点で魔力があふれ出し、死んでいると思われる。これが魔力暴走とよばれるものだ。


 ではなぜ俺が魔力暴走が起きないかや自分の身体を思うようにコントロールできる理由、俺の能力のによるものだ。ブラックンドフォース。相手から能力を奪う能力だ。俺はこれを使うときは魔力が飽和している。先の大戦で極大魔法を数発受けただけでも魔力は飽和していた。魔力操作の精密度はかなり自信がある。

吸収しすぎて体が膨張したこともあったっけ?あれは死ぬかと思った。


 だから、人化の秘術を行使されれば大抵の亜人、もしくは龍族は死ぬ、あるいは戦闘が困難になってしまう。


 これからは魔力は温存しておいた方がいいんだろうな。しかし、ブラックンドフォースはなるべく使いたくない。誰かの能力を奪う能力など、他人の努力を奪い取るものだから俺はなるべく使いたくない。

 

基本は魔力循環で身体強化して、現状捨て身攻撃になってしまうか…。身体は再生と破壊を繰り返して少しずつだけど丈夫になってきている。でもなるべく身体を壊さないギリギリを狙っていきたい。その方が効率がいいからな。


 あとは…仲間だな。万全であれば仲間は必要ない。自己完結できるほどに自分が強い自信がある。しかし、今の状況だとそうも言っていられない。攻撃するたびに体は壊れるから回復してくれると助かる。魔法はなるべく使いたくないから後ろから援護してくれる人がいれば戦いはもっと楽になるだろう。


 しかし、俺に協力してくれるような人が居るのだろうか…。その危険性が出てきた以上、ナキアとの行動も一時的なものにしないといけない。彼女は弱い。マンティコアを倒せる実力が無いとこれから戦う敵とまともに戦うことができない。なんとしても仲間をみつけなければ。黒髪の少年。人族ではなかなかみかけない見た目だけど頑張るしかないな。


 まあ、今はこの森から抜け出して、服を買って、人間の生活というものに触れてみよう。強い人間も何人かみつかるかもしれない。


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