少女は
「それじゃあ自己紹介から始めようか。俺はクロム。人間かな?」
傷が完全に治った俺は今後の資金のためにマンティコアの解体をしている。これでも人間の世界ではかなり高ランクの危険度があり、素材も高値で取引される。少し目立ってしまうのが難だが、金が無いとこれから先、人として生きていけない。
それとマンティコアを殺す際に拳を使い、腕がグチャグチャになってエルフ少女が狼狽えて、怒って、治療したのは愛嬌だ。回復魔法本当に優秀。
「なんでそんなグロいことしながら自己紹介始めちゃうんですかね?さっき治療してるときにすればよかったじゃないですか」
「いや、まあ、忘れてたし?それどころじゃなかったじゃないですか?」
「当たり前でしょ!!
なんで自分の体を壊すくらい本気で殴るんですか!!」
実際は本気じゃなくて、普通のパンチなのだが…。これは本格的に人間の体を鍛えないといけないな…
エルフ少女は腕を組んで、顔をプイと曲げて怒ってますをアピールしている。
「それでお前はなんていうんだ?」
「私はナキアっていいます。…この髪でも歴としたエルフの一族です」
何か心配そうな、小動物を思わせるような言い方をする。はてナキアはなんでそんな言い方をするのだろうか?俺のように黒いダークエルフがエルフだっていうのではなく、緑色のきれいな髪だぞ?どこからどう見てもエルフじゃないか
「髪がどうかしたのか?
エルフの髪は緑色が普通だろ?」
「へ?そんなことないですよ!エルフは金髪が普通なんですから!!」
「はあ。今はそうなのか?でも少し前は緑の髪のエルフも結構いたぞ」
まあ500年ほど昔の話だが…。ハイエルフには緑髪のやつも結構いるということを知らないのだろうか?というかハイエルフ自体をしらない?
「まあ、外見でそう言われるのはよくわかるが…。まあお前の髪は別に普通だぞ。俺からしてみれば」
「普通?私の髪が?あの緑色の髪のエルフの知り合いがいるんですか?」
「いや知り合いってほどじゃないけど、でも今はどこにいるか分からないな」
「…そう…ですか…」
ナキアはあからさまにがっかりそうにする。
さて解体も終わったし、これを闇の魔力を手のひらに作り出して収納。そういや飯がまだだったな。まあもう少しで日が暮れるしこのままここで野宿かな。
「ナキア。今から探せばいいだろ?エルフは人間と比べて長寿だ。諦めずに探せば見つかるはずだ。俺も出来る限り手伝ってやるし」
「本当ですか!どうせ行くところもないですし、迷惑でなければお願いします!」
まあ。危険な旅ではあるけど、ハイエルフを見つけるくらいは大丈夫だろう。それに彼女の回復魔法はとても優秀だ。人間の体が貧弱なため彼女の回復魔法があればとても助かる。
とりあえずとっておきの方法でマンティコアを料理して胃袋をつかもう。あれ?普通逆じゃないのか?まあ人間間だけの話だろ。龍の俺には関係ない。
一応、ヒロインの登場です。
まあ年の差とかね、色々ありまして一応です。ちなみにクロム君の正確な年齢の設定は一切決めておりません。
ナキアちゃんは20前後、まあエルフにしては子供だと思っています。(ほんと設定ガバガバですみません。