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白の魔導書と魔物使い  作者: 村野貴里
第一章 誕生
8/14

七話 ステータス

ここまで読んでくださっていた方には申し訳ございませんが、ステータス項目のスキルを無くさせて頂きました。

もしかしたら、読みづらくなっているかもしれないのですが、このままお読み頂けたら幸いです。2/11

 僕が生まれて、三ヶ月が経過した。


 誕生して次の日からずっと欠かさず、魔力の修行とステインを通して自主学習に明け暮れている。しかしまぁ、どこの世界に生まれてからすぐ努力をするスーパーベビーがいるんだ。


 いますね。僕です。


 魔力の修行といっても、最初は自分の中の魔力に気付く所から始まる。これがなかなか難しくてさ。五日は掛かった。自分の身体の内側から微量に流れ出る魔力を把握し、精密なコントロールで微量な魔力を操り、内側に押し戻す。


 これを魔力という概念を知らない初心者にやれと命令するステインは鬼畜以外の何者でもなかった。成功した時、嬉しくてステインに喜びを共有してもらおうと成功したことを伝えるとステインはこう言った。『はぁ? ンなモン初歩の初歩だ。そんなんで一喜一憂してるバカはいねぇ』だそうですよ? いくら温厚な僕でもこの言葉には激昂しかけたよ。まぁ大人だから踏みとどまったけどね。



 ステイン曰く初歩の初歩が終わったらひたすらイメージトレーニングというものをやった。ステインを介して、魔術が放たれた瞬間の記憶映像を見せられて、自分にも出来ると思い込むいわば自己暗示催眠といったものをやらされた。

 この過程は、すんなりと出来た。前世では小説なんかを読んだりした時に自分もこうなりたいとか想像してたからかな。想像力には少し自信がついたよ。

 そこからはこれの応用で魔力を身体の外へひたすら押し出すという訓練を行った。この方法を続けていけば、魔力は飛躍的に伸ばすことが出来るという。

 そしてこの訓練法は、女神ミルスが下界の生き物が力をつけすぎて、いずれは自滅の道へ誘うものだと感じ、女神自らがこの訓練法を封印した。もう下界では既にこの訓練法の記述などは抹消されてしまっているらしい。一体どこからこの情報引っ張ってきたのステイン。



『天界』



 事も無げにいうステイン。後でミルス様に怒られないよね?



 その訓練法を覚えた後は、魔術について勉強をした。

 魔術には属性というものがあるらしく、『赤、青、緑、黄、白、黒』という六つの属性が存在している。この属性の他にも固有魔術というこの六つの属性には分類されない、大変珍しい属性が存在するのだけど。いまいち判明していないってステインが言っていた。『叡智閲覧項(ライブラリ)』にもわからない事があるんだね。でも、目の前に固有魔術の使い手がいれば表示されるらしい。なんでもありか? 『叡智閲覧項(ライブラリ)』。


 それで、属性を調べる方法があって、まぁ方法ってことでもないんだけど、自分の魔書の表紙の裏に自分のステータス欄があるってことをステインに教えられた。けど、そういうのは早く言ってほしいよね。


 生後三ヶ月の今では両親の目の前では、まだ四つん這いのはいはい状態だけど、目を離した際にはもう二足歩行です。はい。余裕で歩き回ってます。まぁ、そんなに長い間目を離してもくれないんですけどね。ほら、父さんって僕の頭ぶつけた前科があるし。僕の両親は心配症だから。本当にいい両親だよ。



 でも、一度父さんが、僕のステータス欄を見ようとしたことがあったんだけど、首を傾げて僕の元に苦笑しながら本を戻していた。

 両親の話を盗み聞いてみた所、



「なぁ? ユキトのステータス欄が存在しないんだが……」


「そんな訳ないじゃないですか。ページも無くてステータス欄も無いなんて、全てが白紙って……」


「でも事実なんだ。あの真っ白な魔書には何も書かれていない。魔書の銘すらわからない。これは異常だ。俺の魔導書『友好の書』やユキノの魔術書『聖の書・極』にさえ、ステータス欄は存在する。なのにユキトには……」



 さらっと母さんの魔術書が固有魔術っぽいのは放置でいいんですかね?

 父さんも何気に魔導書らしいし。

 とまぁ、僕のステータス欄がないと父さんは言っていた。


 しかし、いざ僕が表紙の裏を見ると、そこにはしっかりとステータスが表記されていた。



ユキト=サンフォード

種族 人間(聖人) Lv1

職業 なし

魔書 『従魔の書』

属性 白 黒 聖

体力 10

魔力 60

敏捷 10

知力 測定不能 『叡智閲覧項(ライブラリ)』による補正。

防御 10



 こんな感じに簡潔に書かれているんだけど、特に驚くこともないが強いて挙げるなら固有魔術属性らしき『聖』という属性が付属されていた。持ってますやん固有属性。


 魔書は一度召喚したら、ずっと肌身離さずが通例らしく、両親が寝静まった頃、2人のベットに近付き、父さんのステータスと僕のステータスを見比べるべく、父さんの枕元にあった魔書の表紙を捲ってみた。



シュラ=サンフォード

種族 人間 Lv84

職業 勇者

魔書 『友好の書』・高確率で魔物と心を通わせることが出来る。

属性 赤 青 緑 黄 白

体力 1740

魔力 1400

敏捷 500

知力 500

防御 1650


従魔 スノーウルフ 個体名『シロ』



 比較したくても父さん、規格外過ぎるだろ。

 後でわかったことだが、いちいち相手の魔書を盗み見なくても僕の『叡智閲覧項(ライブラリ)』を使えばステータスは普通に閲覧できるとステインに言われた。ステイン、早く言ってよ。

 そしたら『叡智閲覧項(ライブラリ)』に一般人のステータス基準も載っているんじゃないの? って聞いたら存在しましたね。


 一般人のステータスは、基礎能力の体力、魔力、敏捷、知力、防御が、大体一つの項目で100から500の域だそうだ。戦闘職の傭兵や勇者、戦士、魔法使い、冒険者などは500から1500という感じだ。他にもイレギュラーな要素はあるだろうけど……。


 実の父親のバケモノぶりが窺える。



『実際は、基礎能力が500を越える連中も山ほどいるらしいが、シュラはやはり規格外ってところだな。なんせ勇者様だったんだからな。いくら勇者が沢山いるご時世だからってこのステータスを持つ者はなかなかいない。だが、俺様の相棒であるお前さんもすぐにシュラのように人間を辞めさせてやるよ。ククク……』


 

 何その怪しい笑い方。めちゃくちゃ怖いんだけど。

 確かに、魔力だけなら、一般人とそんなに変わんないっぽいからね。たった三ヶ月でこれなら……。そう考えると、僕の方がバケモノになってしまう気がした。



『じゃあ、修行開始するぞ! 休んでる暇はねぇ!』


「鬼ぃっ!?」



 人外を目指して僕らの修行は続く。

 

基礎能力が細かい数値ではないのは、作者が細かいことが苦手な質のため、このような数値になりました。

これからも大まかな数値で表示するので身勝手だとは思いますが、どうかお付き合いください。


修正箇所、不自然な箇所がございましたらご指摘ください。

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