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白の魔導書と魔物使い  作者: 村野貴里
第一章 誕生
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四話 困惑

明けましておめでとうございます。

よろしくお願いします。



「ホーン神父。これは、何が起きたのですか? そこに置いてあるのが俺の子の魔書なんですか?」



 その場にいる戸惑う僕達の中で一番初めに口を開いたのは、父さんだった。まぁ、僕いまは喋れないみたいだしね。


 ホーン神父と呼ばれた神父さんは首を傾げながら困惑顔で答えた。



「……私にも分かりかねますが、これは間違いなく魔術書ではないでな。分類をするなら魔導書、ということになるでしょうね」


「でも、本と呼ぶには明らかに……」


「ページが無い……。こんな魔導書は見たことがありませんね」



 二人とも頭の上に疑問符を浮かべて、それぞれ出現した僕の魔書を見つめていた。


 おいおい、生前の善行は次の人生でプラスになるんじゃなかったのかな!? 父さんたちの顔色を見る限り、落ちこぼれになる未来しか見えないよ!



 僕が不安になっていると、父さんが僕の方へと向いて少し苦笑しながら慰めの言葉を掛けてくる。



「お前の魔書は、魔導書と呼ばれる素晴らしい特性を持った魔書だ。今は頼りない本でもきっと……お前が成長すれば、魔書だって成長するさ!」



 父さんの精一杯の激励を受け、「あぁ、やっぱりいい父さんだな」と再認識した。

 父さんがそういうなら、僕も成長する可能性を少し期待してみたいと思う。




☆ ☆ ☆



 魔書召喚を行った部屋から出て、母さんがいる寝室に戻ってきた。部屋に入るなりに、母さんはわくわく、そわそわといった様子でこちらを見た。



「どうでした? その子の魔書は?」



 うぅん……。この期待の眼差し……。がっかりさせたくないが……。



「ユキノ……。この子の魔書はな……魔導書だった」



 僕が戸惑ってなりゆきを見守っていたら、父さんが僕の魔書について母さんに話し始めた。



「魔導書ですかっ!? 凄いではないですか!! そうそう魔導書の使い手は生まれないというのに!」


「そうなんだよ、だけどな? この話には続きがあって──」



 父さんが話していくにつれ、母さんの笑顔が曇っていく。

 父さんが話し終わる頃には、母さんは悲痛な面持ちでこちらをのぞき込んでいた。



「決めました。この子の名前を。この子はユキト。何事も諦めず、何者にも染まらず、どんな敵にも負けなかった英雄、初代聖王のユキト=イデアロスのように強くなって生きてほしい。そして、自由に生きて私たちを安心させてくれる子に育ってほしいという気持ちを込めて、私はこの名前をこの子に付けたいです」


「ユキト……。ユキトか。うん! いいじゃないか! 君の故郷の英雄の名前か。大丈夫だよユキノ! 俺達の子は絶対に強く育つさ! 今日からこの子の名前は『ユキト』だ!」



 先程まで落ち込んでいた母さんと父さんは、僕の名前を決めた途端に元気になり、穏やかな表情で僕を見つめていた。


 前世と名前が変わっていないが、僕と同じ名前の人が英雄だったから、その名前をもらったという事か。あまり過度な期待をされても困るけどな。気持ちではどんな相手にも負けるつもりは無いけどね? でもほら、僕の魔導書って()()部分しかないじゃない? 今のところ、僕の頭の中ではイジメられる未来しか想像出来ない! イジメないで!



 そんなこんなで、僕の名前はユキト=サンフォードとなり、ミルフィールドでの人生が幕を開けようとしていた。



 ──『従魔の書』の保持者(ホルダー)の命名、契約が完了しました。契約により、自律型精神体『ステイン』の第一段階を解放します。解放により得られる恩恵は【従属】【育成】【魔力成長】です。



 突然、頭の中で性別不明の無機質な声が響き渡った。


 【従属】? 【育成】? 【魔力成長】? どういう事だろう?


 頭の中を疑問符が埋め尽くしていると、その疑問を解決するように、再び頭の中で先ほどの性別不明の声とは別の声が聞こえた。



『よう。俺様の名はステイン。お前の魔導書に宿る意志ってところだ。これから一生というお前にとっては長くて、俺様にとってはあっという間の短い期間だが、よろしくな相棒』



 その声は、ちょいワル親父のような悪戯っぽい声音でそう囁いた。


 


 



 


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