↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/92

天才と秘密共有

連続投稿中。次は一時間後です。



「錬金術だったかな。……素晴らしいものだね」


 エーゲルはそれぞれ席に座るように促す。

 未だに私に対して疑いの目を向けているオルザも、渋々着席した。


「すごいよ、クレア! ピンクの髪も好きだけど、この色もとっても良い!!」


 フィーは手鏡を片手に、カチューシャを付けたり外したりして遊んでいる。その都度、髪色や長さがコロコロと変わっていた。

 さすが私、天才。問題ないわね。


「さて、フィー様。それを付けてでしたら、大会を見に行ってもいいですよ。それに、明日も外出されて構いません」

「エーゲル、それは本当!?」

「はい、このエーゲル。嘘はつきません」


 フィーはキャッキャッと喜んだ。


「しかし、エーゲル様。そんな得体のしれないもの、危険では」

「危ないものではないのだろう? クレアお嬢さん」

「ええ、大丈夫だと思うわ」

「思うでは困るのだ!」


 オルザが恨めしそうに見てくる。


「だったら使わなければいいでしょう。私はあなたたちにあげただけよ。それを使うか捨てるかは、あなたたち次第だわ」

「捨てるなんて嫌! オルザは心配し過ぎなのよ」


 フィーが頬を膨らませて言う。

 そしていいことを思いついたというように笑った。


「ねえ、オルザが付けたらどうなるの? 付けてみて」


 そんな彼女に悪乗りして、私も勧める。


「そうね。危険かどうか、ご自分で付けて判断したらいいじゃない」

「なっ! そ、そのような可愛らしいものは……俺には……」

「ダイジョウブ、ダイジョウブ。似合う似合う」

「貴様、適当に言っているだろう!」

「本気で言ってほしいの?」

「そういう意味では……ぐぅっ」


 言い返せなくて唸っているオルザ。この人面白いな。


「ふむ。だが、クレアお嬢さんさえ良ければ、オルザの分も作ってはくれないか? もちろん、材料費も謝礼も支払おう」

「このうさ耳カチューシャを?」

「なっ! エーゲル様まで!!」

「はっはっは、違う違う。髪と目の色が変わるものを、だ。……どうかな、クレアお嬢さん。引き受けてはくれないか?」


 エーゲルが真剣に聞いてくる。


「もちろん、喜んで承りましょう」


 懐の寒い今だ。上客は掴んでおいて損はないだろう。

 二つ返事で引き受けた。


「ありがたい。できれば成人男性でも身に着けられるものにしてやってくれ。……そして、報酬に色は付ける。だから彼らに姿が変わる魔道具を与えたことは、どうか内密にしてほしい」

「魔道具ね……。いいわよ。誰にも言わないわ」

「助かる」


 オルザも不服そうだが、礼を言う。


「ま、その代わり報酬はいっぱいもらうけれどね!」

「貴様というやつは!」


 ふっふーん、と彼の怒声を聞き流す。

 だがこれは私が意地汚いのではなく、秘密を知ってしまった際のお約束のようなものだ。報酬を納得するまで貰うことで、絶対にバラしたりしない。


「まずは、上質な金属が欲しいわ。できればダンジョン産。次に宝石ね。加工されていても、アクセサリーになっていないもの。それか原石で。あとは、素材になりそうなものを随時購入ね」

「もちろん、クレアお嬢さんのお好きなものを選んでくれ」

「……本当に容赦ないな」

「金属はあなたのものの材料にもなるのよ? うさ耳カチューシャが良いのなら、私は楽でいいのだけれど……。あ、うさ耳よりも、猫耳の方が良いのかしら?」

「どっちも断る!」


 オルザは怒って部屋の奥へと引っ込んでしまった。食器の鳴る音が聞こえているので、おそらく食器を洗っているのだろう。

 フィーと二人で顔を見合わせて笑った。


「クレアお嬢さん、買い物は明日でもよろしいかな? 案内は付けるので、フィー様と一緒に回ってはくれないか?」

「構わないわよ」


 こうして明日の予定は決まった。

 武器と鍋の素材も入手できそうだし。加えてお風呂にも入れてくれると言う。


 ウッキウキ気分で風呂場へと向かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。