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 アールとヨルは町に行くまでの道中で目にした物や人などについて会話をしたり、アールがヨルにじゃれついたりして旅を楽しんでいる。


「ほらヨル見てみろよ、遠くに冒険者の姿が見えるぞ、これから森の中に入っていくみたいだぞ、あっちの冒険者は商隊の護衛かな、どこまで行くのかな」


 ヨルは話に興味が無いみたいでこれといった返事をしないから、はたから見るとアールが大きな声で独り言を言っているように見えている。

 そんなこんながありながら、日が暮れる前に町ゲワッテにたどり着いてここにはどんなものがあるのか思いをはせていると。


「ワン!」


 ヨルが吠え、頭をこちらに押し付けてきて早く行くぞと催促してくる。


「わかったよヨル、まずは宿の確保をしてから、おいしい飯屋を探しに行こうか!」

「ワン!」


 ヨルはわかったと旅の疲れを感じさせない返事をして、アールとともに宿を探しに町の中に入っていく。

 アールたちは高そうでも安そうでも無いそこそこの宿を見つけてそこに泊まるのを決めた。


「これでよし」

「はいよ、鍵はこれな無くすんじゃないぞ」

「分かってるよ、それでさ、ご飯がおいしい店教えてくれないかな」

「あ?、飯屋か?、そうだなぁ」

「お、あそこだな、狩人の集い場って言う店がおすすめだぞ、そこそこ安いしな」

「ありがとう、すこししたらそのお店に行ってみるよ」


 宿の亭主にご飯がおいしい店を聞いたら、すぐに行きたい気持ちになるも荷物に気付き、一度部屋に荷物を置きに行きなおしてから、あらためて宿を出たが、 アールたちは大通りに出てから、ご飯を食べるにはまだ早いと思い町を散策しに行くのだった。

 この町ゲワッテは街グワンケルトと港街ミーゲルティアとの間にいくつかあるの町のひとつであり、ミーゲルティアに来る商船の荷物を街まで運んで行く間の町や村などにも通り道の恩恵を受ける町のひとつがここである。

 アールは時間をつぶしにこの町を歩いてみて、多くの人の出入りがあるが、街とはすこし受ける印象も違うのかもしれないと感じていた。


「なあヨル、やっぱり街とは雰囲気が違う気がするよな」

「ワゥン?」


 ヨルはアールが言った雰囲気の違いなどこれといって感じられずに首をひねって見せると。


「なんだ?、ヨルはこの違いが分からないのか」


 アールはヨルに対してニヤニヤとした顔で、わざと癇に障る言い方をしながらからかい始めた。


「ダメだなぁヨルは、こんなに分かりやすいのになぁ」

「もうなぁ、そうなのになぁ」

「ワン!!」


 これにはカチンときたヨルは、うなりながら吠えアールにタックルをして、しりもちをつかせる。


「うわ?!」

「イタッ、こらヨル、何するんだよ!」

「あ、こらやめろ」


 突然のことで驚いていると、ヨルがアールの胸に頭を押し付ける。

 ぐりぐりと胸を押され、あぁさっきの仕返しか、と気付き、ヨルの頭を両手でワシャワシャと撫で回してスキンシップをしていると、ふと周りの人の目に気がつき。

 

「ほら!ヨル!もういいだろ!」

「お店に行くぞ!」

「ワン」


 じゃれるのに満足して気分が良くしっぽを振るヨルと慌てたアールが目的の店に行くのだった。


 アールとヨルは、宿の亭主に教えてもらったお店を無事見つけ店の中に入っていくと、店内は地元の人と思しき客が多く繁盛していることが伺える、その中で空いている席に座り店の中をもう一度見渡す。

 すこしすると店の人が水を持って注文をとりにきた。


「いらっしゃいませ、あ、ワンちゃんだ」


 店の人は女性でヨルに気がつくと水をテーブルに置き、ヨルの頭を撫でている、ヨルも気持ちいいのかされるがままにしている。


「あのいいですか?」

「あ、はい」

「この、ペペロンチーノとこいつのステーキをください」

「ペペロンチーノとワンちゃんのステーキですね、解りましたぁ、」

「少々お待ちを、それじゃあね」


 ヨルに意識が行ったままなので、アールが声をかけるまで忘れていたようだ。 注文をとった後もヨルを気にしながら店の奥に消えていった。

 頼んだものがくるまでアールが話しかけたり、ヨルが反応を返したりとやりとりをして待っていたりしたら、注文の品がやってきた。


「はーい、おまちどうさま」

「ペペロンチーノと、はいステーキです」

「どーぞ、ごゆっくりに~」


 店の女性は帰り際にヨルの頭を撫でてから戻っていった。


「さて、料理も来たし、いただきますか」

「ワン」

「いただきます」


 ヨルがいきよいよく食べ始めるのを見てから自分もペペロンチーノを食べ始める。

 アールがパスタをフォークにまきつけ運ぶ、口の中に広がるベーコンとにんにくの香り、そしてあとからくる唐辛子のピリリとした辛さがマッチして、パスタをよりおいしくしもっと食べたい、もっと食べられると感じさせる味付けになっている。

 ただ無心に厚切りベーコンをかじると燻製の風味と肉汁とうまいと感じる油が口に広がるのを感じながらパスタを追加で口に放り込む、口の中で混ざり合いまた違った味わいを感じさせる。

 黙々と幸せに料理を食べきると、ふぅと一息つき水を飲むでヨルを見るとすでに食べきっていた。

 アールは、すこし食後の休息をしてから、ヨルに行くか、と話しかけ、水のおかわりやあれこれを済ませ店を出る、その際店の女性がヨルに手を振って別れをしていた、アールはそれを見てすこし思うところはあるがまあいいかと宿に戻るのだった。

 アールとヨルは宿の部屋に戻ってきてから、それぞれが思い思いにくつろいでいる、すこし経ってからアールは思い出してカバンから手帳を取り出した。


「えっと、今日の出来事を書かないとな、よし!」


 アールは手帳に今日のことを書き込みはじめる、えーと、や、たしか、など独り言を言いながら記憶を呼ぶ出して書き込んでいく。

 ヨルはそんなアールの姿を含めた部屋を眺めながら夜は更けていった。


これを読んでいただきありがとうございます。


この話は書きたいという衝動で書き始めたもので設定やこれからの話などが思い付かないなどで

いつ頃次の話が出来るのかわからないので

これを読んでいただいた皆様をヤキモキとさせてしまうかもしれないから

ひとまずはこれで終わりにさせてもらいます

またいつか続きが書ける日まで

ありがとうごさいました。

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