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フツーの鏡が一転
普通の日常だった。
「流星起きなさーい、遅刻するわよー」
母さんの声で目を覚まして
ご飯食べて
身支度を整えて
「いってきまーす」
いつも通りの時間、道、ルートを通って毎日使ってるチャリに股がって通学する。
つまんない授業を適当に聞き流して放課後の部活に心を弾ませて
休み時間に友達とバカやって
放課後になったら足取り軽く道場に入る
ここまでは本当に普通だったんだ。
道場にある鏡を見るまでは
普段、道場にある大きな姿見みたいな鏡は戸で隠されている。
もっと分かりやすく言うならそこに鏡があることを知らなければ戸の向こう側に部屋があるように思う。
だけど、今日はそれが開いていた
そこに映って居たのは学ランの俺じゃなくて、背の高い爺さん
背の高い爺さんは俺に気付くと鏡の中で杖を俺に向けて振りかざした。
「うわっ!?」
その途端に足元から風が吹いて体がさらわれ、鏡に向かって投げられた。
痛みを覚悟してギュッときつく目を瞑る
だけど、いつまでたっても痛みが来ないから、そっと目を開けるとそこはイギリスとかフランスみたいな町並みの所だった。