悪魔VS騎士編(8)
『盗みぎぎしなくてもよかったのに。』
舞は心配そうな口調で、
『だって明君、転校するんじゃないかって思って。』
広梳は溜め息を吐いた。
『なんかよ〜、皆心配するじゃねーか。』
『大丈夫だよ。』
『じゃあ、転校も、どこにもいったりしないんだな?』
『もちろんだよ、拓也君。』
『つーかな、明。』
『何?』
光治は明の両肩に手を置いた。
『お前がいなくなったら、つまんねーよ。』
そう言った光治の顔はどこか切なそうで、それは明にも伝わっていた。
明は恥ずかしそうに下を向いた。
『うん。』
『俺からも一言言わせてもらうが、もし、いなくなるのなら、皆に話せ。』
『拓也君。』
『それにもし、裁薔君がいなくなったら、全力で皆でさがしに行くよ。』
『…。みんな、変なこと言って、ごめん。』
『よーし、皆に心配かけたことと、恥ずかしいこと言わせた罰で今日は明のおごりの焼肉パーティだ。』
『それはないよぉ〜。』
ふふ、あの時の出費は痛かったな。とか思いながら、明はいつの間にか寝入っていた。
明はケータイのバイブの音で目が覚めた。ケータイの時計を見ると20:00とあった。メールをチェックすると、
「明日までには出られるだろう。」
としか書いておらず、返信しても返事が帰って来なかったので、無力感を感じながら仕方なく寝ることにした。
翌日、拓也は登校途中にフードを被った人を見つけた。
あれは…、クロウ。この前のように逃げられてはかなわないな、気付かれていないうちに捕まえるか。
そして追跡していたが、なかなか隙がない。しかもどんどんと人気のない場所へと進んでいる。とある路地裏の行き止まりでクロウ?が止まった時、拓也は凄まじい悪寒がした。
『しまった、逃げなければ……。』
そこで拓也の意識はぶつりと途切れた。
眠ったように動かない拓也を抱えてクロウ?のもとに来る、一人の男がいた。
『うまい演技でしたぜ、騎士様。』
『いや、さすがだと言いたいのはこちらだ、ボス。』
『ボスなんて、止めてくださいよ、今やあなたが…。』
『ライトクリッシュ、フフ、ただの缶詰めに見えるのだがな。マスクをしないと気絶するとは。』
『あと奴を除いて一人ですぜ。』
『あの変身する坊やだが、消えた。恐らく、助けにくるだろう。裏切り者がいる。まあ、坊やは手強い。捕まえている奴らの場所を変えろ。いい時間稼ぎになる。』