悪魔VS騎士編(6)
光治はクロウに殴りかかろうとしたが、拓也に止められ、
『何が目的だ?彼らは今、どこにいる?無事なのか?』(拓也)
『無事だ。ただ、危うい立場ではある。そして、お前らと話すことはない。』
そういうと、黒い影は遠ざかって行く。途中まではさほど、速くはなかったが、途中から4倍ぐらいのスピードになった。
光治と拓也は追い掛けたが、追って間に合うようなスピードではなかった。
光明はこっそり学校に来ていた。来るのが嫌だったにも関わらず、来たのは、仲間を想う気持ちからである。そして花月に変わってもらっていた。
花月はクロウが逃げる時、スピードが変わるのを見計らって、影とは別の方を追い掛けていた。それは、学校の裏に行った。花月は追い付き、フードの男の胸倉をつかんだ。
『チッ、何しやがる。』
『ガキがオイタしちゃあいけねぇなあ。』(花月)
『言っとくが、それ以上狼藉を働くと、奴らは帰ってこんぞ。』
『チッ。』(花月)
そう言って、花月はドンッ、と突き放した。
『お前は騙せそうにないな。奴らは〇〇にいる。早く助けに行くといい。』
『ああ?お前が…』
花月が言いかけた途端、いつの間にかカラスが回りにかなり集まっていることに気付いた。
―この数は異常だろう。―奴が、
『さらばだ。』
と言った途端に、カラスが花月を取り巻く。急いで抜けると、奴はいなく、カラスの集まりが10方向に逃げている。花月はひとつのカラスの集まりに追い付き、手をかけたが、霧散していった。それを二、三回繰り返すうちに、カラスは全くいなくなっていた。花月は念話をする。
―チッ、逃げられたか。…で、どーしたい、ご主人?―
―仲間を、助けに行こう。―
―やはりか…。―
花月はしばらく考えた後、
―了ー解。―
渋々、了解した。
―とりあえず、このことを光治君達に…―
―おっとぉ、そいつぁ、言わねぇ方がいいな。―
光明はきょとんとして、
―何で?―
―足手まといだからだ。―
その日、当の本人の舞、広梳達はというと、
囚われの身でありながら、『なんであんたと一緒の部屋なのよ!』(舞)
『知るか!!こっちだっていい迷惑だ。』(広梳)
『だいたいねぇ、女の子一人守れないような…』(舞)