悪魔VS騎士編(5)
『ま、良かったなあ。あの光治?だっけ?奴以外の奴らが捕まり次第、処刑実行だそうだ。仲間と一緒にいけてなあ。まあ、奴もすぐに追い掛けてくれるだろうよ、ひゃっ、ひゃっ、ひゃっ、ひゃっ、ひゃっ。』(ボス)
そうして、三人組は去って行った。
さすがに、明も絶望の色を隠せず、ただ、立ち尽くしていた。
と、その時。ポケットからバイブがする。バイブはすぐ終わったが、何かと思って手を入れてみると、身に覚えのないケータイがあった。
―なんでこんなものが?―
明がケータイを開くと、メールが届いていたので開いた。
「お前をここから出してやる。私の指示に従え。」
明は明らかに不審に思ったが、今は出来る限りの情報が欲しいので、しかたなく、メールを送り返した。
「お前は誰だ?」
意外にもそれはすぐに返って来た。
「クロウ。」
やり取りをしているうちにわかったのは、住んでいるところから、車で2時間くらいのところに今いる、そして、容易には出られない、ということだった。最後に、
「出るのは明日だ。今日は寝ろ。」
と来たので、大人しく寝ることにした。
3日目
翌日、光明は学校で昨日のことを光治と拓也に話した。
『何だって!舞と広梳が?』(光治)
拓也はすかさず、
『今日は二人とも休みだったのか?』(拓也)
『ああ。』(光治)
光治は驚きよりも怒り、まわりの人など気にせず吠える。
『クソーーーーー、何だってんだ。明、舞、広梳は無事なんだろうな!』(光治)
『取り合えず、今日の深夜、学校に集合だ。』(拓也)
光明は戸惑い、しかし、僕は、あまり行きたくない。とは言えなかった。光明はあの不気味な奴にはもう会いたくなかった。
『恐いなら無理して来なくていい。』(拓也)
拓也は光明の顔色を見て心中を察してこう言った。
そして深夜の学校、
光治が学校に行くと、校門前で拓也が待っていた。
拓也は首を学校の方に振る。その先を見ると、学校のグラウンドの中心に黒いモヤモヤがあった。
『クロウだな?』(光治)
拓也はコクッと縦に首を振る。
近付いてみると、やはり、カラスを纏った何者かがいた。
『クロウ!』(光治)
クロウが口を開く。
『何だ、お前らか。』
以前は気付かなかったが、声からすると意外と若い30、20、いや、10代だろう。
『お前が広梳達をさらったんだな?』(拓也)
『そうだ。』