悪魔VS騎士編(2)
光治は不気味に思った。単にニヤケていたからという理由だけでなく、先程カラスが留まっていたのが、そいつだったからだ。
―気味わりぃ―
と、思いながらも、そしらぬ顔して通り過ぎようとしたが、そいつは通りざまに
『気をつけろ、和田、光治。おまえの仲間は全て消える。全て。そして、最後におまえだ。』
ぼそぼそとそう言い残した。光治は後ろを振り向くが、すでにそいつはいなかった。道にはカラスの羽だけが大量に散っていた。
2日目
次の日、明が学校を休んだ。
『明が…こない。』(光治)
部会部屋に一番初めに来て、光治は待っていた。
初めに、舞がきた。
『あれ?今日こそ私が一番だと思ったのに。』(舞)
次に光明、
『みんな、おはよう!…って時間でもないか。』(光明)
大分遅れて、拓也。
『悪い、今日は生徒会のミーティングが…。』(拓也)
続いてすぐ後ろに広梳。
『悪い、今日は生徒会のミーティングが…。』(広梳)
全員がすぐさま反応した。
『うそつけっ!!』
―やはり、明はこない。―(光治)
舞が、光治の顔色を見て、
『どうしたの?あんまり調子が良くないみたいだけど。』(舞)
『実は……。』(光治)
光治は昨日の事をみんなに話した。
『う〜ん、心配だね。』(光明)
『確かに。』(舞)
『明のことだ、家で寝てるんじゃないか?』(広梳)
『確かに。じゃあ、明の家に行ってみないか?』(拓也)
『いいわね。』(舞)
光治も実は、明の家に行きたかったのだが、妙な、確信があった。明は家にいない。と。だいたいメールを返せないほどひどい風邪だとは思えない。
『俺はカラスの奴を捜しに行く。』(光治)
みんなは、会えるかどうかわからない奴を捜すような事はやめろ、と言ったが、無駄だとわかったので、仕方なく、拓也は、妥協した。
『わかった、俺もついて行く。お前一人だと不安だ。』(拓也)
『どーゆー意味だよ。』(光治)
『そのまんまの意味だ。』(拓也)
こうして、光治と拓也はカラスの奴の情報を、舞、広梳、光明は明の家に行く事となった。
光治、拓也はカラスを連れた、(まとった)黒いフードの奴、をキーワードに学校で手当たり次第聞いていった。…そして、
『…つー奴を知らないか?』(光治)
『ああ、クロウの事?』