悪魔VS騎士編(1)
見つけた。…見つけた。
悪魔は騎士が倒さないと。
フフフ。
私はナイト。悪魔に姫を奪われ、殺され、……。
ナイトは悪魔を殺す者。
待っていろっ!、
和田、光治!!!
1日目
『いやー、秋だな。もうさみーよ。』(光治)
明と光治が朝、一緒に学校に行くのは、もはや、習慣になっている。
明は両手を息で温めながら、
『秋、…というより、冬のような感じがするよ。僕は。』(明)
と、言いながら上を向く。
『紅葉もあっという間だったね。』(明)
つられて光治も上を向く。明の向いている方向には木が並んでいるが、木に葉は一枚もついておらず、風が枝を少し揺らすばかりだ。
『え〜と、あれの影響か?地球温暖化。』(光治)
『う〜ん、かもね。』(明)
…そうして、話している内に学校に着き、やがて部会の時間となった。
『寒いな、この頃。』(拓也)
『あはは、光治君もそんなこと言ってたよ。』(明)
拓也はこの上ないくらいショックな表情を見せた。
『あのアホと…。』(拓也)
『誰がアホだ、誰が。』(光治)
『お前以外いない。』(拓也)
拓也は流すつもりだったが、光治が、
『カッチーン、殺す。』(光治)
と、向かって来たので、相手をしてやることにした。
いつものことをいつものように四人が眺めている。
舞は額に手を当てて、
『はぁ…、どうしてあの馬鹿は学習能力がないのかしら。拓也君に勝てる訳ないのに。』(舞)
『そうだよねぇ。』(明)
明も呆れている。
『光明、お前はどう見る?』(広梳)
『あの二人、単純に中がいいだけじゃないかな?』(光明)
光明はいつものスマイルで答えた。
『だよな、やっぱり。光明の方がよくわかってるぜ。』(広梳)
『本当にそうなのかしら。』(舞)
そうして、いつものように談笑して部会は終わった。
異変があったのは帰りの事。光治が一人で暗くなった夜道を歩いていると、道の真ん中に大量のカラスが何かに留まっている。光治は、不思議に思い、近づくと、カラスは一斉にどこかへ飛んで行き、光治はびっくりした拍子に尻餅をついた。
『〜〜てー。何だってんだ。一体?』(光治)
前を見ると、黒いフードを被った人間が光治のすぐ目と鼻の先に立っている。
顔こそ見えなかったが口元だけは電灯と角度の関係で見えた。
そいつはニヤケていた。