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Mischief Of Destiny〜青年(4)

『みんな、自己紹介をしよう。』(村野)


そして、クラスの自己紹介が始まった。普通に言うものもいれば、

『おい、大、俺を忘れたのか、健太だよ!!』

とか、

『大君、僕は忘れるはずないよね?』

花月が、

『知らん!』

と言うと、

顔をうつむけて、その後、花月の胸倉を掴み、涙ぐみながら

『昭吾、関口昭吾、もう絶対忘れるなよ。』

と言う奴もいた。

花月は

―なんだ、意外にも奴にも人望があるじゃねぇか。一体何が奴をそうさせる。―

と思う。

そして、自己紹介が終わると、村野は、

『これ以上は大も疲れる、だから今日はこれまで。あと君らは自習!』

と言うと、花月を連れて、教室をでて行き、別の部屋に連れていかれた。

そして、その部屋で村野と二人きりになる。

『大…。辛かったろう、苦しかったろう。すまない、先生のせいだ。』

『どういうことだ?』

『これは…思い出さない方がいいのかも知れない。』

花月が凄い剣幕で

『話せ!!』

と言うので、村野も、

『わかった。』

と了承した。

『実は、大、お前は…』

村野は言いにくそうにして、言葉をつまらせていたが、やがて、口を開いた。その真剣そのものの表情に、花月の顔も強張(こわば)む。

『幻の声が聞こえる、幻聴だった。』

知っている情報と与えられた情報から、花月はがっかりし、本音を漏らした。

『知ってる。』

村野は驚く。

『知ってる?』

花月はしどろもどろしながらも、

『あ、ああ、母親が言ったんだよ。』

と言った。声も裏返っていた。

『そうか。』

花月は重苦しそうな雰囲気の中、さらに聞く。

『それだけだったのか?』

教員は口を開く。

『それだけじゃない。』

花月はいらついた。

『なんだ、はっきり言え!』

『お前は幻聴と、そうでないものがあると言っていた。』

教員の目はすわっている。

『どういうことだ?』

村野は顔を背けると、

『これ以上は…知らない方がいい。』

と言い、さらに、

『大、もう帰れ、疲れただろう。』

と、半ば、強制的に帰された。

花月は帰宅する中、

―チッ、収穫なしかよ。夜話すと言ってたし、結局、本人に聞くのが1番か…―と思った。


そして、家に着き、二階に上がり、ベッドに入った。家は誰もいなかった。








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