Mischief Of Destiny〜青年(1)
『僕には声が聞こえる。』(時乃)
―ハッ、何だ?神のお告げか?―
『もしくは、聞こえない。』(時乃)
―何を言ってやがる。どっちかに決まってんだろ。―
『君には、わからないのか?聞こえるという事は事実なんだ。』(時乃)
―ハ?―
〜は耳をほじくっている。
『なのに聞こえないということは幻聴ということ、なのに聞こえるということは…』
時乃は顔を暗くした。
『現実だということだよ。』
―何を言ってやがる。―
『僕には声が聞こえるんだ。』
―何言ってんだか、さっぱしだ。―
『だろうね。君にはわからないだろう。かかった事がないのだから。』
―何にだ?―
『この病気に。もしくはこの状況に。』
―ふ〜ん。―
『僕は、世界を呪う。世界は僕を呪っている。』
―だいそれた奴だ。―
『だいそれてなんかいない。世界が僕を呪っているのは事実。僕が、世界を呪うことしかできないのも事実。』
―お前が、世界に呪われてんのはわかった。だが、呪い返して何になる?まず、動くことが大切だろう?―
『”恐怖”って知ってるかい?』
―恐怖?俺様を初めて見た時、たいてい人は畏怖するな。―
『そんなもんは本当の恐怖じゃない。』
―ああ!?―
『僕は君を見たって怖くなんかない。本当の恐怖を知ってるから。』
―俺様より怖い恐怖?なんだ、それは?言ってみろ。―
『孤独。』
僕が花月と出会ったのは一ヶ月前だ。奴は突然僕の頭の中に舞い降りた。舞い降りたと言うと、神々しいが、奴はそんなもんじゃない。真逆の存在だ。そして、時たま、僕の体を借りて行動している。
最初は幻聴、もしくは今ある状況のせいだと思った。が、頭の中で、
―おい、おい、ご主人様よぉ、ずっと家にいてつまらなくねぇのか?―
と聞こえて、
―うるさいっ!消えろ、幻聴!!―
と念じた後、念じたことに対する応えがかえって来た。
―幻聴?なるほど、今回のご主人様は病気持ちか。―と。
僕は驚いた。
今回は知ってる人は知っている、青年と花月の話です。どう転んでいくのかは作者にもわかりませんがよろしくお願いします。
…一応番外かな。