光明の活躍その5
と、光明の声の倍はあろうという大きな声がした。
広梳が戸を開いた先にいたのは、元気のない光明だった。
『光明!?、どうしてここに?』(広梳)
光明はぽろぽろと涙が流れてくる。そして、広梳に泣きつき、
『戻ってきてよ、戻ってきてよ。戻って…』
と、5分くらいずっと言っていた。
広梳はどうすればいいのかわからない。困った顔をして、やがて光明が泣き止むと、
『まあ、ここじゃあ、なんだ、うちに入れよ。』(広梳)
と言った。
そして、光明はみんなが戻ってきてくれないことを話した。
『そうか…。そうだな、確かに俺もあん時はカッ、となってたかも知れない。舞に謝ってみるよ。』(広梳)
『本当に?』(光明)
光明は最近みせたことのない、嬉しそうな顔をする。
『ああ。もともとお前を苦しませる為に喧嘩したわけじゃないんだ。許してくれ。』(広梳)
広梳は誰にもしたことのない仕草―土下座―をする。
『いいよ、そこまでしなくても!』(光明)
光明は驚く。
『それに、後悔もしていたんだ。たぷ友好会廃部のきっかけを作ってしまった事へのな。お前は俺と舞が仲直りするきっかけをくれた。そしてたぷ友好会復活の。感謝の意も含めて、こうさせてくれ。』(広梳)
この時、光明は素直に喜んだ。
『うん。』(光明)
…そして、
『明日から学校来るよね!!』(光明)
『ああ、もちろんだ。そして、たぷ友好会復活の手伝いをさせてくれ。』(広梳)
『うん、一緒に頑張ろう。』(光明)
…そして、その日は光明は家に帰った。
そして、次の日の休み時間、光明が光治達のクラスに行くと、ちょうど、広梳が舞に謝っていた。
『すまん!舞!!』(広梳)
舞は広梳と目線を外しながら、
『私も…ごめん。』(舞)
と言った。
そのとたんに、嬉しさのあまり光明は椅子に座っている舞に抱きついた。
『舞さん!』(光明)
舞は頬を赤くして、
『ちょっ、光明君、みんな見てるってば…。』(舞)
『ははは。』(広梳)
光明はそれに気付いて手を離した。
光治と明もそれを見ていた。
次に光明と広梳は光治の席へと向かい、
『光治君、二人は仲直りしたよ。後は君と裁薔君だけ…。』(光明)
光治は光明の目を真っすぐ見てたが、やがて、下を向いた。そして、
『僕は戻る気ないよ!!』(明)
という声が聞こえると、少しビクッ、として、
『ごめんな。』(光治)