メモリーズオブ光治(7)
『そーゆうものなのか?』(光治)
『そーゆーものなの。』(咲)
そうして話してるうちに夕方になり、帰り道を歩く。
『バイバイ、光治君、またね!』(咲)
『おう。でもあまり公園には行くな。物騒な奴らが一杯いるからな。』(光治)
『光治君もその一人。』(咲)
『そーゆーこと。』(光治)
じゃあないよ。と咲はつけたしたが、光治には聞こえなかった。
そして、最期の日が訪れる。
二人にとって。
その日、光治はいつものように公園に向かった。
…すると、やはり、ヤンキーが三人程いた。
その中のリーダーヅラが喋る。
『お前が”赤色の悪魔”か?』
『そうだ。てめーらは何のようだ?』(光治)
光治はそう言って殴りかかろうとする。
『さっき、公園に可愛い女の子がいたなぁ』
…が、この一言で止められる。
『なんだと!?』(光治)
光治は動悸が激しく鳴る。
―ま、さ、か………。いや、こいつらが咲のことを知っているはずが…。はっ。もしや、一昨日ボコにしてやった奴が?あいつは確かに気を失っていたっ。
…もしかしてフリをしていた?クソッ。だからあの時しとめておけばよかったんだ!!何より、あいつには公園に来るなと言ったのに!!!―
敵はその事を盾に光治をいたぶろうとしてたらしいが、光治には、そうだと気付く余裕がない。速攻、そいつらを動けない体にした。そして、聞く。
『その女の子をっっ、咲をっ、どうしたっっっ!』(光治)
リーダーヅラが答える。
『クック、さすがはレッドデビル、話も聞かずに殴るとはね。』
一発殴って黙らせる。残り二人にもう一度聞く。
『さあねぇ?俺達をこれ以上殴ったら、…ククク、ど』
この時点でハゲもノックアウトになる。
最後の一人にこれまでないほどに真剣な顔をして聞く。その顔を向けられた気の弱そうな男は、猛獣にでもあったかのような顔をして、助けてください、助けてください、と言っていたが、やがて、
『伝言があります。』
と言って、話し始めた。
『海関防波堤までこい。だ、そうです。』
光治はこの前のようなヘマはしない。全員完全にノックアウトさせて、海関防波堤まで走る。