光明編その4
『……。』(光明)
『そんな事、気にする必要ねーぜ。困ってたら助けるのが人間っつーもんだろ?』(広梳)
『まあ、光治君のは気まぐれっぽいけどね。』(明)
『おいっ!』(光治)
『それとも刹那さんとどーゆう関係があるのか知りたいだけだったりして。』(舞)
『どつくぞ、おまいら。』(光治)
『まあ、こいつらはともかく、信じてみても損はねぇと思うぜ。』(広梳)
『…。ありがとう。わかった、君らを信じよう。実は…彼らは宇宙人なんだ。』(光明)
皆、その言葉を理解するのに数秒かかり、最初に口を開いたのは光治だった。
『はぁ?俺達は真剣に取り組もうとしてんのに…』(光治)
『信じないのも無理ない。でも彼らは憑依型の宇宙人みたいなんだ。その証拠に彼らは尋常ならざる能力を持っている。』(光明)
その言葉に、舞以外の皆が反応した。
―刹那〔ちゃん〕の回復能力!!―(広梳、明)
―花月の圧倒的な力!!―(光治)
『で、どうやら刹那は女の宇宙人みたいだ。変わると女の体型になるから。』(光明)
『どういうこと?』(舞)
『うん、今から説明するけど、例えば、刹那は体も女だけど、僕は男だ。つまり、体も人格も別々だけど一個体として共存している。もう少しわかりやすく言うと、この世界にいられるのは花月、刹那、光明のうち一人なんだ。だれか一人が体を手にいれ、行動できる。刹那か花月が行動している時は意識は刹那か花月とともにある。
だから念話もできる(今までしたことないけど)。問題は奴らは勝手に入れかわりをする、と言う点なんだ。奴らは勝手にでてくる。元々は僕の体だったのに。こんな事になったのは二年前からなんだ。
だから、彼らに言って欲しい、勝手に入れかわるなって。さっき名前(花月や刹那)を呼ばれただけでも奴らがでてきそうになったんだ。お願いするよ。』(光明)
『わかったわ。』(舞)
『入れかわりについては…見てもらった方がはやいな。じゃあ、刹那にかわるよ。』(光明)
ヒュン。
光明がいた所には刹那がいた。彼が彼女に入れかわったのはまさに一瞬のことだった。
『刹那…ちゃんだっけ?光明君が花月にもだけど、勝手にでてこないで欲しいって。』(舞)
『主人が!?わかりました。しかし、花月がうんというでしょうか?』(刹那)
『ちょっと待ってよ、意識があるんなら刹那さんは今までの事知ってるんじゃないの?』(明)
『確かにそのとおりですが、主人はいつも私達の意識をきっているのです。』(刹那)
『なるほど。』(広梳)
『さっき言ってた花月がうんと言わないっつーのは?』(光治)
『花月は非常に自我が強いんです。自分より下等な奴に従う理由はないと考えてる。だから…。』(刹那)
『じゃあ、花月に光明を認めさせればいいんじゃないか?』(光治)