光明編その2
光治は轢かれそうになっていた女の子に飛びつくようなかたちになり、転がった。
『大丈夫か?』(光治)
『あ、はい。ありがとうございます。あ、ひじのあたりにすり傷が…。』(女の子)
『おーい、大丈夫だったか』(広梳)
広梳と明がやってきた。
『おう。』(光治)
女の子は光治の傷を眺めていた。
『あ、大丈夫だから。』(光治)
『こんな傷、わたしの能力でなおせます。』(女の子)
『へ?』(光治)
女の子は光治のひじに手を当てると、みるみるうちに傷が回復した。
『あ、なおった。君、すごいね。』(光治)
光治は感嘆の色を浮かべている。
『いや、わたしができるのはこんなことぐらいなもので…。』(女の子)
『超能力者?』(光治)
『ま、そのようなものです。』(女の子)
『そのカバンからみるとウチの学校の人だよね。名前は?』(光治)
『刹那、ともうします。』(刹那)
『刹那ちゃんか。知らない子だな。///ちなみにメルアドと携帯番号教えてもらえない?』(光治)
スパコーン。(すかさず、広梳がハリセンでどついた)
『なんで助けた子をナンパ(のようなもの)してんだよ。塁がきいたら泣くぞー。』(広梳)
『あいつは家柄が家柄だからもう会えねぇよ。』(光治)
『それにしても恩をなすりつけるような、罪悪感はないのかい?』(明)
『まあ、いいじゃねーか。かわいいんだから。』(光治)
『…。』(明)
『はあ?まあ、わたしはかまいませんが…。』(刹那)
『今日は本当に最高の日だぜー。』(光治)
光治は上機嫌で帰っていった。
『まったく、光治君ってば。』(明)
『同感だ。』(広梳)
その日の深夜、光治は寝ぼけて外に出た。
とある公園に着いた時、そこで光治は山積みになって倒れている人達の上で座っているある人影を見た。
月が映える夜。
あれは、ヤバい。目を合わせちゃいけない。
しかし、ドンッ。(目が合った)
―しまった―
ニイ(彼の不適な笑み)
彼は
『ヒャハハハ、なんだ、テメェ。俺様は花月様だ。』
まるで屍の上に立つ死神のような様相で
『お、俺は』(光治)(足がガクガクふるえている)
不適な笑みを浮かべると
『ケッ、ザコか。つまんねぇ。』
漆黒の暗闇の中を通りすぎ
『―』(光治)(彼は光治の横を通りすぎていったが、光治はその光景と彼の邪悪な顔から恐怖でものも言えなかった。)
どこかへ消えていった。