始まり編その2
明は光治をたぷ友好会に誘う。
だが光治の明に対する態度は冷たいものだった。
『しつけーな、入らねぇって言ったじゃねーか。』(光治)
『僕は君が入ると言うまでどんなことでもしてみせる。』(明)
『言ったな。じゃあ、俺に彼女をつくるってーのはどーだ?できたらたぷ友好会に入ってやってもいい。』(光治)
『難問だなぁ。考えてみるよ。』(明)
…どーせ無理だろ。(光治)
次の日の朝、
『光治君、これで完璧だ。』(明)
『なんのことだ?』(光治)
『ほら、君の彼女をつくるっむごむご(途中で口を押さえられた)』(明)
(()←これはひそひそ話の時に使うことにします。)
『(バカっ、声がでかい。聞こえるだろ。…まだそんな事考えていたのか?)
で、どーすんだ?』(光治)
『名付けて、ラブレター、百うちゃ当たる、大作戦。』(明)
『まさか、ラブレターを手当たり次第女子のくつ箱にいれるっつーくっだらねぇ作戦じゃねーだろうな。』(光治)
『ギックゥ。は…はは。』(明)
『やっぱりな。そんなことしてられるか!』(光治)
『10通ぐらい作ってきたんだけどなぁ。…ダメか。じゃあ、次の作戦にいこうか。』(明)
『次のって、まだあんのかよ。』(光治)
『次のは80%成功するはずだ。』(明)
『マジか!』(光治)
『なんだ、けっこうノリ気じゃんか。』(明)
『あっ、いや……。おっほん(せきばらい)、で、次はどーするんだ?』(光治)
『君はどうしてモテる人はモテて、モテない人はモテないんだと思う?』(明)
『そりゃーやっぱ、デリカシーのない奴は嫌われるだろーし、ずば抜けている奴はモテるんじゃねーか?』(光治)
『確かにそれも要員のひとつとして考えられる。が、僕の考えた最終定理はかわいい、だ。』(明)
『か、カワイイ?』(光治)
『そう、かわいい。モテる奴とモテない奴の違いはそこにあるんだよ。ずば抜けている奴は確かにモテる、でもそれはかわいい、のひとつ下のランクでの話だ。かわいくない奴、つまり素っ気ない奴とかは嫌われる、かわいい奴、つまり何気ない親切さとかをもっている奴や顔がかわいい奴はモテる。これで全て説明がつくんだよ。』(明)
『なるほど、非常に単純だが正論のような気がしてきた』(光治)
『そう、単純なものほど理屈がない分、厄介なんだよ。今回の作戦はそこを利用するというわけさ。』(明)