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「はぁっはぁっはぁ...」
....あはははは
「あ〜あ。ほんっとうまくいかないなぁ」
途中から少し走ってしまったせいだろう。足に力が入らなくなってきているし足が痛み始めてる。耐えられないほどではないが休んでいたほうがいいだろう。
ずるっとそのまま学校を囲うフェンスにもたれかかり座り込む。
ここは日陰になっていて気持ちがいい。
三角座りした膝頭に頭を押し付けて深呼吸をして落ち着く。
「Amazing grace, how sweet the sound
That saved a wretch like me....」
気がつけばいつものようにAmazing grace を歌っている。
この歌は何というか落ち着く。讃美歌だからか優しい音色、包み込むようなハーモニー。何より歌っている間は何も考えなくていい。
____どれぐらいの間そうしていただろう。
「舞香っ!!あぁよかった!!」
「....美緒ちゃん....」
顔を上げると綺麗な顔に走ってきたのだろう、少し汗を浮かべた美緒ちゃんがいた。
あぁそっか。連絡するの忘れてた。最低だなぁ自分のことに精一杯で相手のこと忘れちゃうなんて。
「申し訳ありません」
「舞香ぁ本当に謝らなくてもいいんだって!まず第一舞香をあんな人のおいところで一人で待たせてた私が悪いんだし」
ほんとに美緒ちゃんは優しい
「ごめんなさい」
「いいのよっとりあえずご飯はまだよね。ちょっと外出て食べない??」
そう言って美緒ちゃんは私の腕を引いてゆっくりと歩き出す。
何も言わなかったけど美緒ちゃんにはバレバレか。
さっきのやつでの痛みが実はまだ引いてない。だから腕を持って支えてくれてゆっくりと歩いてくれるのは本当に助かる。
____また、迷惑かけちゃった。