Side 翔 2
「あ〜あ。翔やっちゃったね。」
「何がだよ」
新しい料理をもらい席に着く。
「しらない?あの子。さっきぶつかった子。」
あのちまっこい前髪の長い暗そうな女か
「なんだよ。しらねぇよ」
さっきのことを思い出してまた少しイライラしながら答える
「あの子ねぇ1年の保健科の西村舞香ちゃん。」
「何だ、灯矢が知ってるってことは有名人か?」
灯矢が女に興味を引くことは珍しい。かといってあんな地味なやつ好きってことはないだろう。ならば有名な人である可能性が高い。
「有名っちゃ有名だよ。あの子右足に障害があるんだもん」
「...は?」
一瞬何を聞かれたのかわからなくて聞き返す。
「だから右足に障害があるみたい。なんかねリハビリを頑張って杖なしである程度歩けるようにはなったみたいなんだけど走ったりとかはできないらしい。」
「...どういうことだ」
さっきから聞き返してばっかりになっちまってる
「ん〜俺もね詳しくは知らないんだけど右足、触ると激痛がはしったり たまに彼女の意思とは関係なく力が入らなくなっちゃったり。しかも右足をかばっての生活だから腰とか左足にも障がいが出始めてるみたいでねぇ。」
「...何でそんなに詳しいんだ?」
何をいえばいいのかわからなくて、そんなことを聞いていた。
「ん〜。内緒。きっとそのうちにわかると思うよ。翔と舞香ちゃんがまた出会うなら。」
ほんとこいつは時々食えないやつだ。
「....生まれつきなのか?」
「だぁから、俺もそんなに詳しくないってば。」
何となく気まずい思いになりながら少し冷えた昼食を食べ始めた。