嘘と本当と嘘と嘘
なんか最近女の子と女の子の話が読みたくて
自己満で書いてみる。
この世界は酷く汚い。
空気も、水も、生き物も、人間も、
私も。
人は皆、私のことを褒めて羨むけど
私は私がいちばん嫌いだ。
可愛いね、
頭いいね、
スポーツもできるんだね、
優しいね、
愛してる。
どれだけ言われてきたか分からない。
でもその度に息が詰まって、苦しくて、吐き気がして、
幾度となくトイレへ駆け込んで、でも何も出なくて
私は今日も喉の奥に指を突っ込んで
少しでも綺麗な人間になろうとする。
あの子なんて可愛くない。
あの子のそばにいたいなんて思わない。
あの子のことなんて大好きじゃない。
嘘
あの子は男じゃない。
偽りばかりの感情のなかに、ひとつだけ、
どうしようもなく私を狂わせる事実があった。
ひとしきり汚い自分を水に流して教室に戻る。
認めたくないくらいに羨望の眼差しが痛くて、廊下を早足で歩くけど
やっぱり今日も可愛いね
写真撮っちゃえよ
そんな声ばっかり聞こえて
完璧な人間なんているわけないじゃない。
そんな言葉を笑顔の裏に押し込めて押し込めてファンの皆さんに微笑みかける。
私が
可愛いくて、頭もよくて、スポーツもできて、みんなに優しいのはたぶん
全部ぜんぶ、
あの子が自分に少しでも振り向いて欲しいからに決まってる。
でもそんなの知ったらあの子は私を
嫌いになるでしょ?
気持ち悪いって思うでしょ?
死ねばいいって思うでしょ?
あっ、
「葵、日曜ヒマ?ちょっと買い物したいんだけど」
ほらそうやってあの子はいつものように私を
デートに誘ってくれる。オマケもたくさんいるけど、別にいい。
慣れた。
だから私は今日も
「うん暇暇!全然暇!」
あの子にとっての
完璧な女の子になる。