海老漁師
今回は会話多めです。あとタイトルに特に深い意味はありません。
(うーむ・・・数が多いな・・・)
数分後。倒されたリッパーが次々と消滅していった。
討伐したリッパーの数は15。放った弾丸の数は20。数発上手いこと避けられて弱点に当てられずワンショットワンキルが出来ずに終わったが、殆どワンショットワンキルを成功させている。
(マガジンも残りは少ねぇし・・・これ以上出てこられたらウェポンチェンジしねぇとな)
「おーい、そこの日本人!」
「ん?」
「リッパーは・・・全部倒されてる!?」
「おう、とりあえず湧いた奴は全部倒したぜ。・・・ところでお前さんは?随分と日本語ペラペラだが・・・」
「ああ、すまない。俺はジャック・エルフィン。皆からはジャッキーと呼ばれてる。ヴィクトリアの魔狩部隊の隊長さ」
「ジャッキーか。俺は当夜・エルベルグ。援軍さ」
「やっぱりな。魔武装持っていたからそうだと思った。警官隊を呼んだからそろそろ本格的なクリアリングができるだろう。・・・あ、それとアーフィのことだが済まなかったな」
「気にすんな。それに日本じゃしょっちゅうだしな、ああいうの」
「そうなのか・・・それと・・・アーフィと一緒にいたあのちびっ子は・・・」
「・・・まぁ、細かく説明すると長くなるが簡単に言えばちっこい俺だ」
「・・・すまない、理解出来ないのだが・・・」
「だろうな・・・正直俺自身まだわからないことだらけでね、あいつらについては・・・」
そんなこんなで話していると。
「隊長!ア、アナタハ!」
「おうアーフィか」
「エト、アナタノナマエハ・・・」
「あ、そういや言ってなかったな。当夜・エルベルグ、て者だ。援軍要請でここに来た」
「トウヤサンデスネ!サッキハアリガトウゴザイマシタ」
「気にすんな、て。それと別に敬語じゃなくて構わないさ。年もそんなに変わらないだろうし」
「アーフィは16だしな。今年の12月で17だが」
「ん、てことは同い年か」
「因みに俺は18だ」
「俺年上と普通にタメ口で会話してたのね・・・」
「まぁ気にしないがな(笑)」
「エト・・・ジャ、ジャア・・・トウヤ、できイイカナ?」
「おう。あ、日本語きつかったら英語で構わんぞ。通訳したことあるしな」
「イヤ、ニホンゴヲツカワナイトベンキョウにナラナイカラ!」
「将来は魔狩の本場日本で活動したいから必死に勉強してるんだ」
「いつの間に本場になった日本・・・まぁ、そういうことなら幾らでも手助けするぜ」
「ホント!?」
「勿論よ。まぁ・・・」
当夜は親指で後ろを指差した。
「「??」」
「・・・あいつら始末してからな」
「な!また湧いただと!?」
「ナンタイデテクルノホントニ!リッパー、テムレテコウドウスルマモノジャナイノニ!」
「確かに、その辺は気になるが・・・今は兎に角、討伐優先だ!と、その前に・・・ウェポンチェンジ!」
当夜はジェリコとタクティカルナイフを上に放り投げ、新たに出てきた武器を取る。
「それは・・・グロック18か?」
「やっぱこれだな、うん。魔武装で再現して正解だわ」
サバイバルゲームでの愛用銃、マシンピストルグロック18の二丁持ち。
「ジャッキーの武装は・・・太刀?」
「サムライソードだ。日本の武器と言えばこれだからな」
「そういや秋斗も最初はサムライソード系列だったな・・・」
「秋斗?」
「日本にいる仲間よ。んでアーフィは・・・デュアルナイフか?」
「ウン!コレガイチバンツカイヤスイノ!」
「ナイフか、なら俺だって負けないぜ?今は持ってないけど。・・・おっと、来るぞ、海老さんがな!」
「海老?リッパーじゃないのか?」
「いや、日本じゃリッパーのこと歩く海老、て言うからよ・・・」
「デモオイシソウニミエナイ・・・」
「喰えるわけねぇだろ(汗)」
「エビハオイシソウニミエルノニナ。テンプラトカ」
「確かにな。天ぷらは美味いよな」
「あんさん日本食よく食べるのか?」
「日本人ほどではないが。それに知らないことだらけだしな。さて、いい加減行こうか」
ここまでずっと雑談である。
「そうだ・・・な?」
「どうした?」
「・・・バッドニュースだ。奥のリッパー・・・エリート種だ」
「エリート!?」
エリート種。簡単に言えば亜種の一種で、一匹で通常種の2倍、ものによっては4倍もの力を持つ。リッパーのエリート種は紫色の甲殻を持ち、鋏はコンクリートすらバターの様に安安と裂く。
「どうする?援軍を待つか?」
「そうだな、リッパーとはいえ3人じゃエリート種はキツイ。せめて周りの通常種のリッパーを減らして行こう」
「「ラジャー!」」
「それじゃ・・・派手に行きますかい!」
三人はリッパーの群れに突撃した。
「ジャッキー!アーフィ!俺から少し距離をとれ!弾丸をばら撒く!」
「「ラジャー!」」
「バレットダンス、行くぜ!」
当夜はグロック18を両方フルオートモードに切り替え、上下左右、様々な方向にまるで踊るかのように動きながら連射する。
しかし一つ一つの弾丸は確実にリッパーに命中していく。
カチャ
「グッバイ」
ドドン!
そして残りの二発は倒れたリッパーの頭部に零距離で当てた。
「キル数は10・・・まあまあだな」
後退しながらリロードし、呟く。
「あれでまあまあなのか!?」
「おう。上手くいった時は群れ全滅できたからな。リッパーじゃなくてウルフだが」
「トウヤ!ヒダリカラクル!」
「おっと、リロードなら終わったぜ?」
ドドン!
「流石にグロックじゃワンショットワンキル出来ねぇからな」
先程と同じように零距離で二発あてた。
「はぁ!せぇやぁ!」
「コノ!コノコノ!」
ジャッキーとアーフィも負けじと討伐数を稼ぐ。
「ん?やべ、エリート種来た!」
「アーフィ!後退だ!」
「ラジャー!」
「支援は任せな!」
「シャアァァア!」
当夜が後退しながら連射して足止めし、少しずつ後退していった。
「ん?あれは・・・丁度いい!」
「どうした!?」
「ア、アレハマリクサン!」
「マリク?」
「マリク!一発でかいの、正面に頼む!二人とも、道を開けろ!」
「ラジャー!」
「お、おう!」
「こちらマリク!了解した!」
3人が横に飛び込むと・・・
ヒュウウン!
「何事!?RPGか!?」
ドゴォォオン!
「・・・ビンゴ」
飛んで来たのはロケット弾だった。エリート種のリッパーに直撃し、リッパーは軽々と吹っ飛んでいった。
「流石に対戦車砲には勝てねぇか、エリートも・・・」
「隊長、アーフィ、それと・・・?あのちびっ子の兄か?」
「兄じゃないけどな・・・まぁそうな感じか?」
「助かったマリク、おかげでエリートを倒せた」
「オマケに周りの取り巻きもな・・・」
あわれ近くにいたリッパー・・・
「紹介しよう、マリク・レイヴンだ」
「俺は当夜。日本からの援軍さ」
「マリクだ。話は聞いている。来てくれて有難うな」
二人は硬い握手を交わす。
「ねぇー」
「おっと、それとこいつをお返しするぜ」
「おう、すまなかったな。とーやん、ほれ」
「ねぇー!」
当夜が手を差し出すととーやんはそれを掴み一気に肩まで登った。
「お前の子供・・・か?」
「いやちげぇよ!?俺まだ未成年だし!?」
「ジョークだ」
「ですよねー・・・」
「ねぇ?」
当夜が溜息をついているとアーフィが恐る恐るとーやんに近づいて来た。
「トウヤ・・・トーヤン、ダッタッケ?コノコノアタマナデテイイ?」
「ん?別に構わないぜ。こいつが嫌がらなければ」
「ジャア・・・」
恐る恐るアーフィはとーやんの頭を撫でる。
ナデ・・・
「ねぇ?」
ナデナデ・・・
「ねぇ〜♪」
とーやんはかなりご機嫌のようだ。
「・・・」
「ん?どしたアーフィ、フリーズして「カワイイ!」うおぃ!?」
「カワイイ!トーヤンカワイイ!」
バッ ムギュ!
「んんー!!?」
とーやん、乳固め。
「ア、ゴメン、クルシイ?」
直ぐ我に帰ったのかアーフィは腕を緩めた。
「ねぇ〜・・・」
因みにとーやんは真っ赤っかだ。
「・・・どうした、当夜と隊長、明後日の方向を見て・・・」
「いや、なんかこう、みてはいけないような気がしてな」
「右に同じく。てかマリクもじゃねぇか」
「そうだな・・・」
男性陣は頑張って見ないようにしていた。
書いている本人が言うのもあれだが、とーやん、そのうち誰かに呪われるぞ。
とーやん「ねぇ!?」




