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あれ?魔王城ってこんな感じでしたっけ2


「・・・ねえ、みんな着いちゃったわよ謁見室。」

「・・・だな。着いちまったな。何事も無く。」


立て札に従い魔王城の中を警戒しながら進んだ一行は誰にも会うことなく魔王謁見室についてしまった。


「誰かに会うどころか罠すらなかったですわね・・・・。」

「・・・・・・・・・・ユウキどうする?突入するか?」

「うーんそうだね・・・・・・・・。それしかないかな。皆いい?」


ユウキの問いかけにみんな頷いた。

まあハンナは「もちろんですわ。ハンナはユウキ様の決定に従います!」と言っていたが。


「じゃあ行くぞっ!」

そう言いながらユウキは扉を蹴り破り中に入った。他のみんなも後に続く。





パンパンパンパーーーーン

中に入った勇者達を襲ったのは銃声、ではなく色とりどりの紙ふぶきにクラッカーだった。

そして≪ようこそ勇者ご一行≫と書かれたカラフルな弾幕。


予想外すぎる攻撃(?)に驚愕して行動を取れない勇者達に明るく朗らかな声がかかった。


「ようこそいらっしゃいました!到着心よりお待ちしていました!!!」


その声のしたほうをぎこちない動きで首を動かし勇者達は見た。そこには大きなごつい椅子に12,3歳の女の子がニコニコ笑いながら座っていた。


「・・・・・・・あのー勇者様?聞いてます?」


女の子が不安そうに返答も反応も無い勇者達に声をかけるが彼等は今だ現状を理解できておらずアクションをとることが出来ない。


「もう勇者様!!いい加減に返事してくださいっ!」


先程より大きい声でそういわれてようやく我に返った勇者はかなり困惑しつつも口を開いた。


「えっと、君は魔族の子なのかな?それとこれはいったいどういうことで・・・・・・?魔王はどこにいるんだ?」

「あ、返事してくれた!よかったー。」


そう彼女は嬉しそうに呟きながら椅子から飛び降りる。そして勇者達の前までやってきて極上の笑み+優雅なお辞儀つきでこういった。


「はじめまして勇者様及び仲間の皆様。私が第197代目魔王です!どうぞよろしくお願いします。」



2分、いや3分は勇者達は固まっていたと思う。

まばたき以外の全ての動きを止めて勇者達は口を最大限に開きただただフリーズしていた。


そして一番先にフリーズ状態から回復したユウキが叫んだ。


「え、いやありえないだろ!?魔王ってそんな馬鹿な!!!!!!!さすがに騙されないぞ!」


ユウキが叫んだことで他のメンバーも我に返ったように口々に叫び始めた。


「そうだよ!ありえないわよ!!魔王がこんなかわいらしい女の子って・・・・・。」

「・・・・・・・・・・俺も信じられん。」

「自分もさすがに納得は出来ないが・・・・・。」

「そうだよな!!さすがにこれは誰も信じられないって!!!!」

「ありえないですわ!こんな子が魔王なんて!!!!!」


そんな様子を困ったように見ていた魔王は


「んーと確かに信じられないかもしれませんが真実なのですよ。私が現魔王なんです。それで勇者様は私を退治しに来たんですよね?というか勇者がそれ以外で魔王訪ねるわけ無いんですけど。それなら一応言っておきますけど我々魔族は人間と敵対する意思は持ってません。むしろ友好的に関わりたいと思ってるんですが。」

「・・・・・・・・な、にを言ってるんですの?友好的ってあなたたち魔族が今まで人間に何をしてきたか知っていてその発言をしているのですか!?」

「あーその件に関しては謝ることしかできませんが・・・・・。ふぅ、結構長く話してしまっていますね。このままだと疲れるでしょうから。」


魔王はそういい指をパチンと鳴らした。するといきなり謁見室の真ん中にテーブルと椅子が出てきた。


「さ、座ってお話しましょう!!あ、もちろん罠なんて仕掛けてないんで安心してくださいね。」

「すごい。詠唱もなしにいきなりものを出現させるなんて自分でも大分苦しいぞ。なんて魔力なんだろう。」


感心しながら呟くアニスに魔王が返事をする。


「今のは隣の応接室から移動させたので出現させるのよりは魔力使ってないんですよー。瞬間移動の魔法の応用です。多分あなたほどの魔術師なら簡単に出来ると思いますが。」

「本当か!詳しく教えてもらえないだろうか?」

「いいですよー。じゃあほら座って座って。」


促されるままアニスは席に着いた。


「ちょっ!アニスなにやってんのよ!?」

「マユ今の魔法は瞬間移動の応用と言っていただろう?みんなも知っているとは思うが瞬間移動はかなり高度な魔術だ。それを詠唱なしにやってのけた彼女にはおそらく我々を一瞬で殺す術も使えるだろう。だが今彼女からは敵意はまったく感じられない。だからそうやって警戒して距離を置いて話すよりきちんとリラックスして話をしたほうがどちらにとっても有益なんじゃないか?」


アニスの正論を聞き勇者達は警戒しながらも席に着いた。もちろん武器は持ったままだが。


こうして魔王と勇者が相対してテーブルに座るという奇妙な構図が出来上がった。





無事魔王出てきた!!

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