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あれ?魔王城ってこんな感じでしたっけ

「大きいなぁ・・・・・・・魔王城。そして遠かったなぁ。」


目の前にそびえ立つおどろおどろしい雰囲気の城を見上げてマユは呟いた。


「うんマジで大きいねー。俺らの国の城よりでかいかもな。」

「確かにそうだね。でもアルカサル王国の城のほうがきれいに見えたね。」

「まあこっちは魔王城だからな。あまりきらびやかな感じではないのだろう。」

「・・・・・・・・・・・・それにしても城壁がすごいな。侵入なんて夢のまた夢って感じだ。」

「確かに簡単には侵入出来なさそうですわね。」


他のみんなも上からウォーレス、ユウキ、アニス、リュウ、ハンナとマユに続いて魔王城に関する感想を言い合った。


「にしてもさ、ここまで来る間に1回も魔族との戦闘無かったよな?泊めてもらった村々でもここ半年くらいは魔族の被害にあってないっていってたし・・・・・・。どういうことなんだろうな?」

「確かに不可解よね。」


ウォーレスの発言の通り勇者ご一行は旅に出てから1回も魔族からの襲撃は受けていない。というよりもまだ魔族にすら会っていないのだ。

マユは王城で習ったことと全然違うくないか?と思っていた。


旅に出るまでの準備期間の1ヶ月、剣の修行やら魔術の修行やらもやったがそれと同時進行でこの世界についての勉強もしていた。

あんまり勉強が得意ではないマユにとってそれは苦行以外の何ものでもなかった。寝ても覚めても勉強勉強・・・・・・・・・。まさに地獄の生活。ちなみに彼女はそのことを思い出すと頭痛、腹痛、めまいに吐き気がもよおして来るらしい。それほどまでにハードだった。

だがマユは魔族および魔国のことを思い出すために吐き気などに耐えながら必死に頭を働かせた。



魔国というのはこの目の前にそびえ立つ魔王城を中心にこの大陸で2番目に広い土地を所有している国だ。まあ国と言っても周辺諸国は認めていないらしいけど。場所はアルカサル王国の隣に位置しており海も山もあって豊かなところらしい。そして魔国には名前からも分かるだろうが魔族と魔物が住んでいる。


魔物というのは地球のドラ○エのスライムみたいなものだ。人間を襲う動物以外のものである。見た目は大体のものが気持ち悪い。スライム的なかわいさは無い。そして頭も悪いらしい。まあ言っちゃえばいいところなしの生物だ。


そして魔族というのは地球風にいうと吸血鬼や狼男、淫魔などである。この世界風にいうと魔物の進化系。見た目は人と同じというか人より美しいものが多いそうだ。淫魔とかはむちゃくちゃ綺麗なんだってさ。

そして人よりはるかに優れた身体能力と特殊な力を持っている。しかも魔物とは違い頭もいいのでとっても厄介らしい。

さらに人間を下等生物とみなし自分達のおもちゃかエサとしてしか見なしておらず平気で殺したり食べたり遊んだりするというまあとにかく困った生き物なんだそうだ。

そしてその困った魔族の頂点に君臨しているのがこの魔王城に住んでいる魔王であり今回私達が倒しに来たのだ。


「んーと確かさ、陛下とかの話によると『勇者』という存在に興味を持った魔族が遊びがてらに襲ってくるかもだから気をつけるようにとか言ってたよね?」

「ああ言っていたな。でも何も無かったな。」


マユの問いにアニスが難しい顔をして答える。

やっぱりおかしいよな?とみんなで考えていたらハンナがユウキに目を潤ませながら声をかけた。


「ユウキ様、もしかしたら魔族は魔王城にこもってハンナ達を迎え撃とうとしているのかもしれませんわ。ハンナ、怖いです・・・・・・・・。」


『え、いや怖いっておハンナは自分で着いて行きたいって立候補したじゃねーか』と勇者以外のメンバーは心の中で突っ込んだ。声に出さなかったのは彼等の優しさである。


「ハンナ・・・・・・・。大丈夫!俺がみんなのことを守るから!!」

「ユウキ様・・・・・・・。ありがとうございます。ハンナはユウキ様にそういってもらえて感激ですわ。怖さも和らいできましたわ!」


頬を真っ赤に染めてそういうハンナにユウキは「はは、おおげさだなぁ。」とかなんとか言いながら頭をポンポンとたたいた。そして再び感激して頬が赤くなるハンナ。

もうさすがに見飽きたんですけどこの光景と勇者一行(ユウキとハンナのぞく)は思いため息をついた。これと似たようなやり取りを2人は1日に5回は行っていた。さすがに皆うんざりである。


「はぁ、とりあえずここで突っ立ってても意味ないしもう少し近づいてみよう。扉の近くにいけばなにか仕組みがあるかもしれないし。」


マユがそういいながら魔王城の扉に向けて歩み寄る。扉まであと30センチというところまで近づいたらいきなりギギギと鈍い音を立てながら重そうな扉が開き始めた。

勇者一行は驚きつつも慌てて戦闘態勢をとる。

何者かが出てくるかと思い緊張した面持ちで各々の武器を構えていたが一向に誰も出てこなかった。

1分くらいそうしていたがさすがに痺れを切らしたユウキとリュウが扉に近づき周囲を確認しはじめた。


「・・・・・・・・ユウキあそこになんかあるぞ。」


リュウが手で指し示した扉の向こうには小さな立て札が立っていた。

一応回りに敵の気配も無く罠らしき物も見当たらなかったので2人は残りの勇者一行を呼び立て札を全員で取り囲んだ。

その立て札にはこう書かれていた。



≪~魔王謁見室への道~ 魔王謁見室に行くにはまずこの道を真っ直ぐ突き進んでください。そして突き当りを右に曲がりその先にある階段を上ります。少し大変ですが6階まで上がってください。そして上がりきったあとに周囲をキョロキョロ見ればものすごくそれっぽい仰々しい扉があります。そこが謁見室です。謁見希望の方はノックを3回してくださいね。あと出来れば事前に謁見したいと予約してくださったほうがありがたいです。また、もし城内で迷ってしまった場合はお気軽に私の部下に尋ねてください。みんな姿は怖いかもですがいい人ですので。  魔王より≫



「えーと、なんだこれ?」


ウォーレスが戸惑いながら声を出す。


「魔王謁見室への道のりだな。だいぶ親切に書いてある。自分らの城にもこのような親切な立て札は無いな。」

「いや、アニスそういうことを聞いてるんじゃなくてさなんで魔王城にこんなにも親切な立て札があるかって事だから。」

「・・・・・・・・・・・・罠かもな。」

「その可能性が高いかもね。でも分かんないなー・・・・・。私が罠仕掛けるならもっと巧妙に仕掛けるわよ。」

「ユウキ様、どうなさいますか?ハンナはユウキ様に従います。」


皆の発言を受けてユウキは少し悩んだ後に


「罠かもしれないけどあえてこの立て札にしたがってみよう!そうしたらいい加減に魔族の誰かに会えるかもだし。」


と結論を出した。

こうして勇者ご一行は立て札に従い目の前に広がる道を歩き出した。






何度も書くようにこれは魔王の話なんですが・・・・・

あれ?勇者しか出てないや☆←


次回、多分きっとおそらく魔王登場すると思います!

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