話が進みません。
「やっと…着いた」
先程の場所を森…と呼んでよいのか分からないが、およそ二時間位で、草原の様な拓けた所になんとか着いた。
昔、近くに居た婆ちゃんに森で迷子になったら沢を探すか、獣道を探せと言われたのが役にたった。
途中、うさぎのような耳をした猪?に目の前を横断された位の、危険に遭遇。
あまりの事に固まった私に、フンフンと鼻を寄せたが、危険はそのまま去って行った。
そんなこんなで、着きました。
「誰も迎えにきてる、感じは無いなぁ…」
見渡した所であるのは、前面に原っぱな草原。後ろは森。
人らしい影は無い。
「どーする?自分?お腹減ったし、現代人でしか無い自分に何が出来るよ?」
既に、森を歩き続けた足はふくらはぎがパンパンだ。
何度か、背中に纏った掛け布団を座布団がわりに休憩したが、口にしたのは動物が飲んでいた沢の水のみ。
少々、安全面に不安があるが、背に腹はかえられない。
ぐぅぅ
「あー…お腹減った」
その場にしゃがみ込み考える。
普通のトリップなら居るお迎えが無いって事は、これは放置型のトリップかぁ…
何処かに優しいイケメソいないかなぁ。フツメンと一緒なら、なおの事良し。
私が愛のキューピッドになってやんよ!ふひょひゃひょ!
「…とりあえず、歩こう。人間がいるか確認しよう」
神様居るなら、私に合いの手…違う、愛の手を!