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「……華琳様、凪には」

「勿論伝えるわ」


 曹操が護衛を伴って自陣へと戻る最中、荀イクが尋ね曹操は即答する。


「放っておけば間違いなく害になる、そうなれば玄胞の狙い通りになるかもしれないわ」


 もし戦闘中に楽進に迷いがあると見抜かれたなら、楽進の離反を狙い曹操軍どころか連合軍全体に影響を及ぼす策を仕掛けてくるかもしれない。

 それを防ぐために袁紹が董卓に付いた事を教え、曹操の下に残るか、袁紹の下に向かうかを決めさせなければならない。

 勿論後者を選んだ瞬間にはその場で捕らえ、この戦が終わるまでは身動きが出来ぬようにしておく。

 楽進が南皮から戻ってきた時、曹操は陳留の城ではっきりと問うた。


『凪、貴女は私に言ったわよね、この命を預けると』

『……はっ』

『それじゃあ、貴女の命は二つ有るのかしら?』

『……自分の命は、一つしか有りません』

『私が歩む道、それも知っているわね?』

『……はっ』

『玄胞の理想、確かに眩しいわ。 でもね、その理想は眩しすぎるわ。 それしか見えなくなるぐらいにね』

『………』

『なぜ私が玄胞と同じ理想を掲げないか分かるかしら?』

『……いえ、わかりません』

『簡単よ、私が曹 孟徳と言う存在だからよ』


 はっきりと、力強く言う曹操。

 曹操が曹操だから、それが一体どういう意味か分からず楽進は少しだけ眉を顰める。


『………』

『私に限った事ではないわ、春蘭』

『はっ!』

『春蘭は私が何者か、誰でも良いけど傷つけられたらどうする?』

『その者を叩き切って捨てます!』

『秋蘭は?』

『姉者と同じ気持ちです』


 曹操が左右に控えていた夏侯惇と夏侯淵に聞き、二人が強く答える。


『凪、私が言いたい事、分かるかしら?』

『……いえ』


 視線を楽進に戻し聞くが、今ひとつ言いたい事が分からない楽進。


『そう、ならばはっきりと言いましょう。 私や春蘭に秋蘭、季衣や流琉、桂花に稟に風。 それに真桜や沙和、そして凪、貴女も感情がある人間だからよ』

『……感情の、ある』

『玄胞の思いを聞き、今の凪は迷っている』


 そこまで聞いてようやく理解する楽進。

 確固たる意思を持って、さらにそれを維持し続けるのは容易な事ではない。

 曹操と楽進が知り合ってからそれほど日が経っていないとはいえ、素晴らしいと思える考えに出会い語られただけで迷いを抱いた。


『確かに玄胞の願いは綺麗よ。 でもね、その下で暮らす民が皆綺麗な思いを抱いているわけじゃないわ』


 人の心とは簡単に転がる、楽進が玄胞の言葉を聞き心を揺らしたように。


『玄胞だって政をこなしているから分かっているでしょうに、意地汚く貪欲に権力を求める者も居る。 恐らく玄胞に袁家から追放された者たちは恨みを抱いているでしょうし、そんな世が成ったとしても私のように覇道を目指す者もいずれは現れる』


 玄胞が願う世の中が作り出され、民が等しく幸せに暮らせるようになった時、世の中は遠からずまた変化する。

 幸せは等しくとも、それを受ける人間は等しくは無い。


『玄胞の言う平和な世とは一体どう言うものかしらね。 支配者は玄胞として、才能あるものを重用する政? それとも多くの庶人を用いたもの? 外敵に対してはどう対応するのかしら? 専守防衛に徹する? それとも打って出る? 凪、貴女はどう考えているのかしら?』

『………』

『答えられない? 当然ね、貴女はそこまで聞いていないのだから。 私は答えられるわ、納得するしないは別にしてはっきりとね』


 まっすぐに楽進を見詰めたまま、瞳の奥に強い意志を燃え上がらせる曹操。


『世を治めるには何が必要か、今の世の中を見て決めたのよ。 大陸は常に力の下にある、故に世を治めるのは力ある者と、それが私が成すべき天命であると』


 玄胞の理想と、曹操の理想にそれほどの差は無い。

 大きな力の下で成り立つ世の中、違いは過程の中。

 曹操は実際に威武を振るい他を討って天下を手中に収める、玄胞は名と威勢を振り翳し従わせて天下を手中に収める。

 どちらも大きな力がある、相手取るには拙い相手だ。

 そう思わせるものであり、やはり違いは過程にのみ存在する。


『戦場の中での人の生き死に、減らせるものならば減らすべきもの。 だけど減らすのと無くすのは違う、戦自体を無くせば民は語り継がなくなるわ』


 現実に起こった事か、ただの話だけか。

 前者は曹操、後者は玄胞、より恐ろしく見えるのはどちらか。

 共に力による支配ならば、より明確な方法で学の無い者でも分かりやすいように示す方法を用いる曹操。

 力有る者が世を治める、曹操はそれを認め、力によって奪われる覚悟も出来ている。

 勿論そうならないため、己を磨き力を高め続ける。


『でも! それでも! 亡くなる人が減るなら!』

『ええ、そうね。 それは歓迎すべき事でしょう、だからこそ私は玄胞の言葉を信じられないわ』


 その一言に、楽進は『え』と口から漏れる。


『玄胞の言葉はあまりにも綺麗過ぎる、執政の何たるかを知るでしょう玄胞の言葉とは思えないわ。 恐らくは凪、貴女に語っていない部分があるでしょうね』


 その部分、そこを知ることが出来ればまた違う評価を下せる曹操。

 言えば玄胞の言葉は綺麗なものだけ、反董卓連合結成の際に届いた檄文のような、ただ一点を強調するだけのもの。


『凪、貴女は真っ直ぐと捉え過ぎているわ。 綺麗な部分だけを見て判断している、必ずそこにある筈の汚濁を見ていない』


 その点を以ってして、曹操は信じられないと言う。

 どのような手段を使って平和にしたいのか、それを支えるべき土台が見えない。

 詳しく語っていないのだから当然分からない、そもそも楽進が曹操の下に居ると言う事を知っていたのであったならこれが配下を引き抜く策略に見えた曹操。


『生み育ててくれた親のため、街のため、それを作り上げた袁家のため』


 世の中の事を強く思う者ならば簡単に共感してしまうような考え。


『さて、そこに財力に兵力を足し合わせればどんな風に見えるかしら?』


 可能かも知れない、出来るかも知れない。

 そこに思い至り、どうするべきかと悩む。


『幸せとは個人の主観でしかない、仕事があり食事があり家がある、万人がそれを受けられるなら幸せでしょうね。 だけどそう思わない者も居る、私のようにね』

『……それでは、華琳様は幸せとは一体何なのか……』

『言ったでしょう、個人の主観であると。 多分私がそのままで幸せを受ける庶人であれば、上を目指したでしょうね』

『上……?』

『出世、立身、どちらでも良いけど動くでしょうね。 そこに誰かの生き死にが関わったとしても』

『それは!』

『人には感情がある、私にも凪にも。 そしてその感情から生まれる欲がある』


 楽進の言葉に遮って言う曹操。


『自分の方が優れているのになぜ同じ待遇なのか、そんな不満が沸き起こるでしょう、それこそ学んだ者は特にね』


 自分の事など一番自分が分かっている、他者によって比べられるならより確かにそれは現れる。


『私が成そうとしている事、終点である結果で見れば世の中の為になるかもしれない。 でもね、その始点は複雑な物なんて一切無い、たった一つの欲から来ているのよ』

『……欲』

『私は他者と競い勝利を勝ち取り覇王となる、ただそれだけ』


 世の中の平和はその欲に付随するだけのもの、そう楽進に言い切る曹操。


『失望した? 崇高な思いを胸にしているかと思っていたかしら?』

『………』


 楽進はそれに『はい』と答えそうになった、しかし曹操が目指すものがどんなものかを聞いていた。

 国の未来を憂いており優れた方がこの国を治めてくれるなら、李典の言葉にも同意してその大業に命の限り尽くしていくとあの時は思った。


『私の始点は蔑まれるような我欲でしかない、だけどそれを認め支えてくれる者も居る。 だからこそ私は今ここに立ち、この大陸を治めようとしている』


 期待を掛けられてそのまま応えるほど曹 孟徳は温くは無い、その期待を裏切る最高の結果で応える。


『あの男の始点は一体何なのかしらね、戦いを経ずに迎える太平の世を思い描くようになったその始点』


 興味があると、楽しそうに呟く曹操。


『凪、もっと視野を広くしなさい。 一つ一つの言葉にどのような意味が込められているか、またその裏に潜む本当の狙いを聞かなくても考えられるようになりなさい』

『………』

『本当なら今すぐにでも答えが欲しいのだけど、今の凪では無理そうね。 今後何らかの形で袁紹が動くでしょう、その時になって答えを出してちょうだい、良いわね?』

『……はい』


 そう陳留の城で問答が行われ、今袁紹が、玄胞が動きを見せた。

 時間としてはそれほど多くは無かった、だが考える時間は有ったはずだ。

 だからこそ曹操は楽進に対して問う。


「……来たわね」


 自身の天幕で皆が来るのを待っていた曹操。

 己の両腕と言える夏侯惇に夏侯淵、身辺の警護を図る親衛隊隊長の許緒と典韋。

 こと戦に関しての献策をする軍師、荀イクに程昱と郭嘉。

 そして黄巾党討伐の際にその能力を認めて迎え入れた李典と于禁。

 そして今も最も重要とする話の主役、楽進が曹操の天幕へと揃った。


「華琳様、皆を集めると言う事は重要なお話のようでー」

「ええ、拙い事になったわ」


 天幕の主、曹操に視線が集まるも曹操と話を知る荀イクは主役へと視線を送った。


「袁紹が董卓に付いたわ」

「本当ですか!? 奴らが敵になるとは、黄巾党の時の屈辱を返してやろう!」

「……あー、確かに拙いですねー」

「袁紹が董卓に……、いえ、気にするべき事は袁紹より玄胞殿、ですね」

「ねえ流琉、袁紹ってあの袁紹?」

「じゃないかな、他に袁紹さんなんて聞いた事ないし」


 袁紹が連合の敵に回った、その事実に二人を除いてざわめきだす。


「それじゃあ聞こうかしら、貴女の選択を」


 曹操の一言に集まる視線、その後に言葉を発するのが曹操で無い事に気が付き、曹操の視線の先へと集まる。

 そこに居たのは楽進、両手に強く拳を握り、顔を伏せるように俯いていた。


「……玄胞様は、陛下を助けるって……」

「なぜ袁紹が董卓に付いたのかは分からないわ、裏で何かあったのかもしれない。 だけどそれを考慮している時ではないわ、間違いなく向こうは此方を全力で排除しに来るでしょう」


 特に曹操は連合の中で危険に見舞われるだろう、玄胞が曹操を危険視している事はそのまま排除するべき優先度へと繋がっているからだ。

 兵の質で見れば一二を争い、数も連合の中では二番目の数。

 董卓・袁紹軍にしてやられれば士気の低下は免れない、尤も最大の兵数を持つ袁術軍が半壊でもすれば曹操軍がやられるよりも酷い事になるが。


「だからこのままでは居られない、分かるわね?」


 不安は残しておきたくない、ただでさえ不利な状況に裏切りなど出れば負けは必至。


「……何の話しとんの?」

「……わかんないの~、この前凪ちゃんが出かけた事と関係があるのかな~?」


 話を知らない李典と于禁、何に対して楽進に決断を迫っているのか分からないと首をかしげる。


「……自分は、ずっと考えていました。 玄胞様の思いは凄い事だと思って、自分はそれを手伝いたいと、そうも考えました」


 その発言、曹操の下から離れ、袁紹の下へ向かうそれは出奔。

 どちらが自分にとって良い主か、楽進が思う事は玄胞の理想と重なる。


「ちょ、それほんまに考えとるんか!?」

「えぇー!? 凪ちゃん袁紹さんのところに行っちゃうの~!?」

「何だと!? 凪! お前は!」

「三人とも 少し黙っていなさい!」

「黙っていられるか! 凪が華琳様を──」


 荀イクが夏侯惇に口を閉ざすよう強く言うが、夏侯惇はそれを聞かず楽進から曹操に視線を向けるが。


「───」


 曹操はそれを意に介せず、まっすぐと楽進を見つめたまま。


「……姉者、ここは我々が割って入るべき所ではない。 二人もだ」

「うっ、むぅ……」


 追い討ちのごとく夏侯淵に窘められ、むむむと仕方なく口を閉ざした三人。


「華琳様はもっとしっかり見ろと仰られました、だから自分が見たことをしっかりと考えたんです」

「……それで」

「何が正しいのか、何が間違っているのか、自分はよく分かりません。 今回の玄胞様の動きも、よく分かりません。 だから残ります、自分は全てを見ていませんから、もっと見て、悩んで、考えて、それから決めようと思うんです」


 楽進は顔を上げ、曹操の顔を真っ直ぐと見つめ返す。


「そう、ならいいわ。 でも一つ覚えておきなさい」

「はっ」

「私は例え一時期配下だった者でも敵に回ると言うなら容赦はしないわ」

「肝に銘じておきます!」


 それは少なくともこの戦いで楽進は玄胞の下に行かないと言う宣言。

 曹操は楽進のそれを信じ、今の憂いを晴らす。


「それじゃあこの話は終わりよ」


 そう言った曹操の声には張りがあり、自然と佇まいを正すような迫力があった。


「袁紹が敵に付いた今、厳しい戦いになるでしょう。 だが私はこんな所で躓く心算は無いわ」


 楽進へと視線を向け、今考えている事を言い放つ。


「ここで袁紹を叩き潰す、そして玄胞を捕らえる。 例え袁紹を逃がしても問題ない、今の袁紹を支えているのはあの男、玄胞が袁紹の下に居なくなればいくらでも活路は見出せる」

「私はそれに賛成ですー、お兄さんを捕らえれば色々と袁紹さんに仕掛けられますし、今の冀州をそのまま手に入れられるなら弾みがつくどころではないですしー」


 それこそ玄胞が掲げた戦わずして勝つを行えると程昱は言う。

 曹操としても玄胞と言う存在は己の覇道妨げるであろう男、ここで葬るか捕らえるかできれば俄然覇道にまい進できる。

 能力としても荀イク、郭嘉、程昱の三軍師に劣らず、出来る男だと聞いている。

 特に程昱は玄胞の事を高く買っており、出来るならば配下にするべきと曹操に進言していた。

 欲を言えば玄胞が女で美しいか可愛かったりでもすれば乗り気にもなるが残念ながら男、しかしそれを差し引いても玄胞の有用性は無視できないものと曹操は認識していた。


「私を失望させる事が無いよう、各員の奮闘を期待する!」

「はっ!」






 そうして話が終わり、関攻めの準備に戻り各々。

 その中で李典と于禁は楽進の下に駆け寄り、曹操の天幕の中で聞いた話を問い質した。


「なあ凪、ほんまに袁紹んところに行くつもりやったんか?」

「ああ」

「どうしてそう思ったの?」

「……あの人、玄胞様の理想が綺麗に思えた。 だから手伝いたいと思った」

「それってどんな理想なの?」


 于禁が聞けば楽進は首を振る。


「今話す事じゃない、この戦が終わってから話そうと思うんだ」


 正しいのか間違っているのか、それが自分でも分からない今、二人に話した所で混乱しか生まないと楽進。


「……やったら、終わった時全部話してもらうで!」

「凪ちゃんが綺麗と思った理想かぁ~、どんな事なんだろ~?」


 深くは追求しない、長い事一緒に居たのだ。

 皆お互いの性格は分かっているし、楽進が話すと言ってくれた以上終わってから話してくれると信頼している。


「それがいいですねー、今は戦に集中しないととても危ないですよ?」


 そのやり取りの後、後ろから声を掛けてきたのは。


「風様」

「真桜ちゃん、華琳様があれの調整が終わったかどうか聞きたいそうですよ。 沙和ちゃんも兵員の確認報告してないと聞きましたよー」

「うげ、忘れとった!」

「私もなのー!」


 程昱がそう言えば李典と于禁はそれぞれの方向に走り出して、命じられた仕事へと向かっていった。


「凪ちゃん、ここでお兄さんを捕らえること、どう思ってますか?」


 その後姿を見送った後、程昱が振り返って楽進を見て言った。


「……仕方がない事だと思います」

「まーそうでしょうねー。 戦いを無くすために戦わない、でしたっけ? そんな事を掲げる人がここで負けるのなら実現は到底無理でしょう、有利な状態で負けようものなら能力も疑われますから」

「それは確かに……」

「それにですね、お兄さんをここで捉えることが出来れば色々と楽になります。 華琳様の覇道に立ち塞がるのは私もお兄さんだと思っていますので、欲を言えばお兄さんが華琳様の下に付くなら願ったり叶ったりなんですが」

「願ったり叶ったり? それはどういう?」

「華琳様もお兄さんの事が欲しいと思っていますよ。 で、凪ちゃんもお兄さんが華琳様のところに居て貰ったほうがいいんじゃ?」

「……それは」

「お兄さんの魅力、実際に会って見ないと図りかねますからね。 風評通りの人ではないと思いますし、もっと深く覗いてみたいです」


 それは色事かと聞かれれば違うと答える。

 異性として好きだから知りたいのではなく、玄胞が抱える謎が知りたくて程昱は配下にするべきと曹操に進言した。

 能力も曹操が気に入るほど有り、男だと言う事を差し引いてでも手元に置く価値があると程昱は見ている。

 軍師としての才覚も敵となれば危惧感を抱くほど、だからこそ程昱は敵ではなく味方として近くに居て欲しかった。


「自分は風評通りの方だと思ったのですが……」

「まあ見方は人それぞれですからね、とりあえずこれほど興味が湧いた人は華琳様以来ですねー。 桂花ちゃんも興味があるようですし、是非ともここで捕らえたいですね」


 賢人が知らぬ事を知る玄胞、曹操の下に来てからあっという間に曹操信望者になった荀イクが反対しなかった事からも見て取れた。


「凪ちゃん、もしお兄さんを目の前にしても手を抜いてはダメですよ? 恐らくお兄さんは知り合いの凪ちゃんでも容赦なく殺しに来ると思いますから」

「……はい」

「私が言いたいのはそれだけです、忘れちゃダメですよ」

「分かりました」


 それで会話を仕舞いにし、楽進は頭を程昱に下げた後命じられた仕事に向かっていった。


「……どうしてこうも可笑しなことを考えるんでしょうねー、お兄さんは」

「可笑しいから可笑しなことを考えるだな!」


 程昱が言えば頭の上に乗っている宝譿が答える。


「まったく、全てのしがらみを放り出してお兄さんと語り合ってみたいですねー」

「捕まえる事が出来ればそれも出来るさ!」

「……それじゃあ頑張ってお兄さんの意表を突くように策を練りましょうかね」


 ペロペロと飴を舐めながら、程昱はこれから来る激戦を乗り切れるように最上の一手を考えつつ歩き出していった。

ペロペロ


この話について何かいいたい事がありましたが忘れました


2011/05/24、加筆しました、華琳さまはもっと分かってるんだ、作者の言葉が足りないだけなんです

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