表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/47

家族に不審者扱いされました泣

あー……やってしまった!

仮面舞踏会で完全に悪目立ちした、私ことカリス(元カリーナ)です。


会場では噂が立ち、令嬢たちはヒソヒソ、令息たちは舌なめずり、

私の心はもうジェンガみたいにガタガタ。


(やばい! このままだと原作通りの断罪コースに一直線じゃない!?)


――というわけで、まず方針転換。

小さな茶会やら気軽なサロンやらには極力出ないことにした。

理由:出るたびに目立つから。

方針:隠れて生き延びる。


で、数年後。

久しぶりに本家に戻ったら、父上と兄上と再会したんだけど――


玄関で私を見た瞬間、二人の顔が完全にフリーズ。

父上が目をぱちくり、兄たちが互いに「お前誰だ?」って顔してる。


(おい、失礼すぎる。私、同じ血入ってるから!!)


仕方ないから正直に言った。

「ちょっと訳あって男になろうと思って!」


すると父上、怒られるどころか、

しおしおと泣き出してしまった。

「私の育て方が悪かったのか…」って。

ちょ、父上!? 泣かないで!!言い訳が重すぎる!!


兄たちは兄たちで二人してふくれっ面。

「かわいい妹が男になってるから、目の錯覚かと思った」

……お前らそれ言う資格あるの!?


「嫌だから生き延びるためなんだってば!」


説教→同情→軽い怒り→説得→了解。

気づけばなんだかんだで、父上と兄上は私の男装を認めてくれた。

(要するに慣れって怖い。家族の対応の速さ、侍られたいレベル)


そして数年が流れ、気づけば――


原作で婚約破棄イベントが乱立する“あの年”の一年前になっていた。

時間の流れ早すぎ問題。


明日は――運命の(?)大パーティーの日。

現婚約者ルイ殿下と、第二王子ノア殿下、そしてあの輝くヒロイン・マーガレットが顔を揃える場だ。

原作だとここでカリーナが目立ちまくって、

ルイに相手にされず、ノアに見下され、挙句マーガレットにワインをぶっかけて大炎上→断罪フラグへ一直線って流れだったっけ。


(つまり、明日は原作で最大級にヤバい日。カリーナなら確実に詰む。だから私が出る意味がある)


私は胸を張って宣言した。

「私はカリーナじゃない、カリスとして出席する!」


心の中で十字を切る。

正体は絶対に見破られない。

男として、令息として、群青の王子として振る舞うのだ。

目的はただ一つ、生き延びること。


(いやー緊張するな……。でも、ここでヘマしたら人生ゲームのゴールが灰になるからね!!)


服は準備済み。サラシ巻きも完璧(苦しいけど命が大事)。

低音ボイスでの会話練習も毎日のルーティンにしてる。

剣の指さばきもピカイチ。あとは――表情だ。

「感情を出さない」演技を完璧にしなきゃ。


――明日の目標:目立たない。

――裏目標(本音):誰にも惚れられないでほしい(切実)。


さあ、今夜は早めに寝て、明日に備える。

でも寝る前にもう一回鏡を見てしまう自分がいる。

鏡の中のカリスは、月光に照らされてちょっとだけ誇らしげに見えた。

(自己評価、高め安定)


「よし、明日は平穏無事に帰ってくること!!!」(鼻息)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ