ギャル?に優しい?オタク?の話(4)(終)
ギャルっぽい人とオタクっぽい人の話、最終回です。
「あった…ある!やった!」
今日は合格発表の日、私はお母さんと一緒に藍丹高校に来た。
「良かった…!あっ!MANE !」
私はMANE を開く。グループトークを開くと、各々の反応が既に発信されていた。
ryo-hei[やったあああ!受かった!]
大宅 公徳[俺も受かったよ]
奥島 優子[私も無事に受かりました。横がうるさいです。]
「みんな受かってる…!やった!」
私達4人は同じ高校を受けて、無事に合格した。
私はグループに送信する。
瑠美[私も受かったよ!これでみんな一緒だね!]
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私達は今、駅前のファミレスに来ている。4人で合格おめでとうパーティーをするためだ。
「では…皆の志望校合格を祝して、乾杯!」
宍戸くんが音頭を取り、乾杯をする。当然、ジュースだ。私の好きなココアがあって良かった…甘くて美味しい。
「皆さん、危なげなく合格できましたね。」
「ああ、勉強会のお陰で対策もしっかり出来たしな。豊さんにも感謝をしなければな。」
そう、藍丹高校の卒業生であるお兄ちゃんも勉強会に時々参加してくれて、対策を教えてくれたのだ。
「お兄ちゃんも喜んでたよ。母校が強くなる!って言ってた。」
私の話に、3人は喜びの表情を見せる。
「おいおい、俺ら期待されてんじゃん?どーよ公徳くん?」
「無論、期待に応えるだけだ。先ずは、感覚を取り戻さないとな。」
「私も、マネージャーとしてサポートを頑張ります。」
みんな輝いているなぁ…
「私も、マネージャーやってみようかな…?」
途端、3人の視線が私に向く。
宍戸くんが話し掛ける。
「良いじゃん!鷺谷さんもサッカーに詳しくなってきたし、何より…公徳!」
「何だ?」
「美人マネージャーが増えるだけでやる気が増えるってもんよ!なあ?」
「マネージャーが美人だからといってやる気が増えるわけではないがな。…まあ、鷺谷がしてくれるなら、頼りにしているが。」
意外と2人の反応は良いな…
優子ちゃんが私に話し掛ける。
「私も、瑠美さんがしてくれるならありがたいです。単純に人手が増えるのは良いですし…瑠美さんとは知った仲ですから。」
「優子ちゃん…私、頑張ってみる!」
入学する前に部活も決まっちゃった。よーし、高校生活、頑張るぞ!
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遂に入学式!これで私も高校生だ!
今日は同じ中学の友達と登校した…んだけど…
「みんなクラスが違う…!」
そう、見事に同じ中学の友達とクラスが離れてしまった。優子ちゃんも隣のクラスだ。
「どうしよう…あれ?」
ふとクラス分けを見ると、見慣れた名前がひとつあった。
「オタクくん…!同じクラスだ…!」
教室に向かうと、既にオタクくんは席に座っていた。
「オタクくん…!同じクラスだね!」
「鷺谷…!その呼び方、高校でも続けるのか…」
「もちろん!だって私…!今日から高校デビューだもん!」
そう、私は高校に入ってやってみたかったメイクを遂に解禁したのだ!これで親しみやすくなるはず…!
ふふふ…オタクくんも驚いているな?見よ!ニュー鷺谷 瑠美を!
「なあ、鷺谷。」
「ん?どうしたの?」
「高校デビューは自分から言うものじゃ無いんじゃないか?」
「えっ!?そうなの!?」
オタクくんはスマホで何かを調べてから、私に画面を見せた。
「高校デビューは中学時代の自分が嫌で、高校から新しくなろうということみたいだな。…鷺谷は中学の自分が嫌いなのか?」
「いやいやいや…そんなこと無いけど…!」
「だったら、高校デビューじゃないな。オタク呼びの理由も無くなるぞ。」
オタクくんはニヤリと笑う。
ぐうっ、確かに私は言った。高校デビューしたから呼び方を継続したと…でも、私は諦めないぞ!
「…なんか悔しいから継続します!」
「何故だ!?」
「と言うことで、高校でもよろしくね、オタクくん♪」
「はあ…俺はオタクじゃないんだかな…」
いや…サッカーオタクなのは間違いないでしょ…と言う突っ込みは言わないであげた。
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「なあ、気になったんだが…」
「どうしたの?」
「そのメイク、汗で落ちたりしないのか?」
「大丈夫だよ。これ、汗で落ちにくいメイクだし…落ちても影響が少ないようにしてるんだ。」
「そうなのか。…考えているんだな。」
「それに!最悪スッピンでも大丈夫!」
「それは大丈夫じゃないと思うんだが…まあ、マネージャーのこと、真剣に考えてくれているようで嬉しい。」
オタクくんは笑顔を見せる。
私は内心ドキドキしている。距離が近い!
オタクくん、ただでさえ距離が近めなのに今はメイクの話をしているからか余計に近い!…気がする。
私はそのドキドキを押さえられないまま、1日を過ごすのだった。
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「優子ちゃん、お疲れ様!」
「お疲れ様です。瑠美さん。どうですか?マネージャーは。」
「いやー...もう大変だよ!やることが多いよね!でも、先輩たちも凄く優しいし、教え方も丁寧だから頑張れそう!」
「それは良かったです。予選まであと1ヶ月くらいなので、中々大変だと思いますが、頑張りましょう。」
「うん!しっかりサポートして、目指せ全国!だよね!…それに、2人も頑張ってるし!」
そう、宍戸くん改めシドくん、オタクくんはなんとなんと、1年でレギュラー入りを果たしたのだ!
他の先輩たちも楽しそうに話していたので記憶に残っている。
「ねえ優子ちゃん?惚れ直した?」
「…いえ、涼平くんなら当然だと思っていましたから。それにもともと惚れていますので、今さらです。」
平然と答えているが、優子ちゃんの耳は真っ赤だ。可愛い。
優子ちゃんが私に話を振る。
「それより、瑠美さんはどうなんですか?惚れ直しましたか?」
「えっ…う、うーん…どうだろう?ワカンナイナー…」
「その反応…自覚しましたね。」
ギクリ。
やられた。私ってそんなにわかりやすいかな?わかりやすいんだろうな…
「うん...自覚した…と、思う。」
そう、この心は多分恋心だ。
私は、オタクくんに恋をしている。
…でも、
「優子ちゃん、私ね、まだ気持ちを打ち明けるつもりはないんだ。」
優子ちゃんは少し驚いた様子で話す。
「どうしてです?瑠美さんならガンガンいきそうだと思いましたが…あ、大会のことを考えてですか?」
「うーん…それもあるんだけど…」
確かに大会のこともあるけど…うーん…言葉で上手く表せない…
「なるほど、関係を変えるのが恐いんですね。」
私は優子ちゃんの言葉で気付いた。
そうだ、今の関係が壊れるのが恐いんだ。
オタクくんは優しいから、もし告白したら優しく振ってくれると思う。でも…
「同じ部活だから気まずくなる~…!」
私の言葉に優子ちゃんは溜め息をつく。
「まったく…」
え、何か呆れられてる?
「…まあ良いでしょう。瑠美さんの考えは尊重します。…ただし!」
「な、何…?」
「瑠美さんのそのポンコツ恋愛脳を鍛えます!…無論、私では力不足です。ですので!マネージャーの先輩方に伝授してもらいます!明日から頑張りましょう!ではまた明日、学校で!」
「えっ?え?待って?」
優子ちゃん…帰っちゃった…
「あ、明日からどうなるんだろう…」
その後、先輩たちの伝授がきっかけで、思わぬ自体になることは、当時の私は知らなかった…
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ーーー数ヵ月後ーーー
「オタクくん!なーに見てんの?」
「ちょ…鷺谷…!近い!あと俺はオタクじゃない!」
「あ、先週の日本代表の練習試合。」
「スルーかよ…!…参考になると思ってな。」
「さっすがー…あ、今の動き、良いんじゃない?」
「そうだな、ただ、今のは…」
あ、始まった。いつもの。
「おーい…」
反応しない。…だったら!
〔オタクくーん…テンション上がりすぎ。〕
「ぬおっ」
あ、反応した。
「耳元は止めろといつも言っているだろう!」
「だったらもっと早く反応してよ。」
「うぐっ…そう言われると痛いな。」
「…もうすぐ昼休みが終わるよ。続きはまたね。」
「ああ、わかってる。」
…と、これが今の私達の日常。前よりちょっとは距離が縮まったかな?
まだ告白する勇気はないけれど、こうやって少しずつアタックしていくぞ!頑張れ私!
終わり
おまけ
「なあ…どう思う…?優子。」
「どこからどう見ても付き合ってますね。…涼平くんはどう思います?」
「完全なる同感。」
「ですよね。」
これでギャルっぽい人とオタクっぽい人の話は(取り敢えず)終わりです。
次回はコメディ寄りの短編です。
作者から一言
早よ付き合え!!!




