ギャル?に優しい?オタク?の話(2)
ギャルっぽい子とオタクっぽい子の話、第2話です。
「勉強会?」
私は2人を見た。今日は塾帰り、いつもの公園…私と大宅くん、宍戸くんが初めて話をした公園でおしゃべりをしている。
大宅くんが口を開く。
「ああ、塾でも勉強は出来るが、塾の授業だと個人的に不安なところや気になるところを復習するのが難しいからな。幸い俺達は志望校は同じな上に得意分野も異なるから、互いに教え合えると思ってな。」
「賛成!楽しそう!」
宍戸くんが賛成する。確かに楽しそうだし、2人とも部活中心の生活をしていた割にかなり勉強が出来る。私にとってもためになりそう!
「私も!良いと思う!」
大宅くんは賛成する私たちを見て、少し安心した表情を見せる。
「助かった。学校でも塾でも、中々先生に聞く機会がなくてな…」
なるほど...先生はたくさんの生徒に教えているから、中々時間を確保し辛いんだよね…そうと決まれば!
「じゃあ何時する?来週の休みでも良いよ!」
私がそう聞くと、2人は少し苦笑いをした。
宍戸くんが話す。
「あー…ごめん。したいとは思うんだけど、俺達しばらく予定が埋まっちゃってるんだよね…」
「提案しておいて申し訳ない。ただ、しばらく会えなくなるから、予定の調整だけしておきたかったんだ。」
2人は申し訳なさそうに話す。
「予定って?」
私が質問すると、宍戸くんが答える。
「実は俺達、国体のメンバーに選ばれたんだよね…」
「えっ!凄い!つまり県の代表ってことでしょ?凄い!」
私は運動部に所属したことがないからよく知らないが、お兄ちゃんが代表になったことがあるので、十分凄さはわかる。…あれ?
「お兄ちゃんも国体に出るって言ってたけど…それって…!同じチームってこと!?」
「いや、残念だが違うんだ。国体は年齢でチームが分かれているから、俺達は少年の部で豊さんは成年の部なんだ。」
あらら、残念。…でも!
「私、応援に行きたい!お兄ちゃんは行かなくて良いって言ってたけど、2人の応援だったら行っても良いよね!」
私の話を聞いて、2人は顔を見合わせる。
大宅くんが口を開く。
「ああ、良いぞ。宍戸の彼女も来るみたいだしな。恥ずかしくない試合をするよ。」
「やった!頑張ってね!」
私と大宅くんが話していると。宍戸くんが話しに入ってきた。
「なあ、応援も良いんだけど…勉強会の予定、決めちゃわない?」
忘れてた。
「…そう言えば、勉強会についての話だったんだよな。」
私と大宅くんは顔を見合わせ、2人でそろって笑い合った。
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「つ、着いた...!遠かった…!」
今、私は国体の会場にいる。よくよく考えれば分かることだけど、県外まで行かないといけない可能性を考えていなかった…
と言うわけで、今私は県外にいる。当然初めて来た場所なので迷わないようにしないと…!
「瑠美さん。」
後ろから声が聞こえる。振り向くと、見たことのある人がいた。
「優子ちゃん!」
私のクラスメイトで、元サッカー部のマネージャーだった優子ちゃんだ。そして、宍戸くんの彼女でもある。
私は優子ちゃんに話し掛ける。
「今回はありがとうね!」
「ええ、涼平くんから話は聞いています。大会中の案内や簡単な解説は私に任せてください。」
そう、サッカーに詳しくない私のために、優子ちゃんには案内役をしてもらうことになった。
「もうしばらくしましたらお2人の試合が始まります。準備をして席を確保しましょう。」
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「良い席がとれましたね。」
私たちはベンチから少し離れた席にいる。
「ここですと、自チームのベンチの様子を確認しつつ、コートをある程度俯瞰して見ることが出来ます。瑠美さんは初心者と言うことですので、専門的なことは出来るだけ言わないようにしますが、もし分からないことがあればどんどん質問してください。あ、あと…」
優子ちゃんが凄い喋ってる。こんなに話す子だったんだ…っていうか、大宅くんと同類だ、この子。
「あ、あの…優子ちゃん?」
私が話し掛けると、優子ちゃんはビクッと反応した。
「す、すみません…少しはしゃぎすぎました…」
「あ、いや、それは良いんだけどさ、そろそろ始まりそうだから...」
「!そうですね!観戦しましょう!」
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前半が終了した。現在は1ー0でこっちがリードしている。
「いやー…中々緊張するね…」
「ええ、サッカーは得点が入りにくい上に一発逆転もありませんので、1点が非常に重要なのです。その1点を取るために選手達は思考を張り巡らせ、体を動かしているのです。」
「凄いね…!昔お兄ちゃんの試合を見に行ったときはあまり考えていなかったけど、こうやって少しでも知識を身に付けるとこんなに見方が変わるんだね!」
「そう言っていただけると、サッカーを愛するものとしては嬉しいです。」
「いやー凄いなあの2人!」
ふと、後ろから男の人の声がした。
「お兄ちゃん!」
「瑠美さんのお兄様!」
「よっ。俺達の試合まで時間があるから、様子を見に来たよ。」
お兄ちゃんが後ろから声をかけてきた。優子ちゃんは少し萎縮しながらお兄ちゃんと話をしている。
こうやって見ると、お兄ちゃんって凄いんだな…と思う。あ、それより!
「お兄ちゃん、あの2人って?」
「そりゃー公徳と涼平だよ。運動量は当然にしても、あの年齢であそこまで賢い選手は早々いないよ。よっぽど研究してんだな…」
「ええ、準決勝では完膚なきまでに叩きのめされました…!」
優子ちゃん、なんか少し恨みがこもった言い方をしている…か、彼氏だよね?
「瑠美、後半はあの2人をよく見ておきな。素人目で見ても動きの違いは結構わかると思うから。」
「わ、わかった。」
「私も全力で解説します!」
「よ、よろしくね…!」
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後半が始まった。
確かに、動きが全然違う!言葉で説明できないけど、何か違う!
「恐らく、このチームの司令塔は大宅さんです。」
優子ちゃんが横から解説する。
「大宅さんが声をあげた後、選手達の位置が変わりますよね?状況を判断して指示を出しているんです。しかもかなり的確に…ぐぬぬ…」
優子ちゃんが解説をしながら悔しがってる…余程準決勝とやらが悔しかったのだろう。
「敵にいてほしくないタイプだな。しかもあの運動量、DFの癖にコートを縦横無尽に駆け回る上にあの冷静さ…すげえ体力してるなぁ。」
お兄ちゃんも凄い褒めてる…そうやってみると、確かに凄い。私だったらすぐにへばっちゃいそう…
…こうして見ると、コートの中の大宅くんってかなり印象が違うなあ…
喋り方もそうだけど、もっと固そうなイメージだったけど…
(あ、笑った…)
私達と話しているときとは違う笑顔…なんか、なんか分からないけど…
(モヤモヤするなあ…)
「…さん、瑠美さん!」
「えっ?」
「得点、入りましたよ!宍戸くんが決めました!」
「あいつMFだろ…ほとんどFWみたいな動きしてんじゃん…」
得点入ってたんだ…気付かなかった…っていうか…!
(私、大宅くんばかり見てた…!?)
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結局、試合は3-1で勝利した。
私と優子ちゃんは2人を労いに向かった。お兄ちゃんは試合が近づいたのでチームに合流しに行った。
「いやー…凄かった…面白いね、サッカー。」
「ふふ、そう言っていただけると嬉しいです。」
「また試合を見に行こうかな…その時は、一緒に来てもらっても良いかな?」
「ええ、もちろん。」
そんな風に話していると、2人を見つけた。声をかけようとしたけど…
「囲まれてる…」
「2人とも目立ってましたからね、目をつけられたのでしょう。」
なるほど、やっぱり凄いんだな…
心なしか、宍戸くん側に女性が多い気がするけど。
横を見ると、優子ちゃんが複雑そうな顔をしている。彼氏が注目されるのは嬉しいけど、モテちゃうのはやだ…って顔だ。可愛い。
「…落ち着くまで、少し待ちましょう。」
優子ちゃんの提案に、私は「そうだね。」と答え、近くのベンチに座った。
宍戸くんはまだまだ女性達に囲まれてる。ふと大宅くんを見ると、可愛い女の子が話し掛けている。
(…小動物系で可愛い子だな…なんか…距離が近くない…?)
なんかモヤモヤする。別に大宅くんが女の子と話してようが、私には関係ないはずなのに…
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囲んでいる人がいなくなると、2人は私達が座っているベンチに走ってきた。
「優子ちゃん!お待たせ!ごめんね!」
「鷺谷さん、すまない。ここまで囲まれるとは思っていなかった。」
2人は申し訳なさそうに話し掛ける。…3人いる。
よく見ると、大宅くんの後ろにさっきの女の子がいる。
大宅くんは私の視線に気付いたのか、女の子を前に出す。
「俺の妹だ。1歳下で、凛と言う。」
「お、大宅 凛です…!藍丹中2年です…!」
い、妹さんだったんだ…私はほっとする。…ほっとする?何で?
「鷺谷さん、大丈夫か?」
私が一瞬考えてると、大宅くんが話し掛けてきた。
「えっ!いや、大丈夫だよ!い、妹がいたなんて知らなかったから、少し驚いただけ!」
「そうか、だったら良いのだが…今日はまだ暑いし、人も多いからな、体調には気を付けるんだぞ。」
「う、うん…ありがと…」
大宅くん…優しい…
「あ、あの!」
大宅くんの妹さん…凛ちゃんが話し掛けてきた。
「あ、兄がお世話になっております!と、突然で申し訳ないのですが、試合観戦をご一緒してもよろしいでしょうか…!」
「良いよ!」
条件反射で即答してしまった。いや、良いんだけど。
「あ、ありがとうございます!さ、鷺谷さんですよね?兄から話は聞いております!とても勇気がある方だと!」
「お、おい!その話しはしなくて良い!」
そんな話してたんだ…大宅くんが慌ててる…そんな一面もあるんだ…知れてちょっと嬉しいかも。
少し話した後、私達5人はお兄ちゃんの試合会場に向かった。
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お、落ち着かない…!
私は今、大宅兄妹に挟まれている。
(な、何故...)
話は少し遡る。
ーーー数分前ーーー
会場に着いた私達は席を確保しようと歩いていた…けど…
「5人座れるところがねえな…」
宍戸くんが呟く。そう、2、3人くらいなら座れるところがあるが、5人座れるところがない…!
「2手に分かれましょう。」
優子ちゃんが提案する。それに私達は賛同した。
ーーー今ーーー
と、言うわけで優子ちゃんと宍戸くんのカップルと、大宅兄妹と私で分かれることになったけど…
(距離が近い!)
2人とも、私に解説をしたいらしいので、挟まる形になるのはまだいい。けど!
近い!2人とも、熱くなっているのかめちゃくちゃグイグイ来る!
「ちょ、ちょっと待って!落ち着いて!」
私が少し大きな声で言うと、2人ははっとした表情を見せた後、申し訳なさそうな顔をした。そっくりだなこの兄妹…
「す、すみません!つい舞い上がっちゃいまして…」
「申し訳ない。俺も1人で盛り上がってしまった。」
「い、良いんだけどね!私素人だから!お手柔らかにお願いします!」
2人は納得してくれたのか、その後は落ち着いて解説してくれた。お陰で結構詳しくなれた気がする!
ただ、距離の近さは変わらなかったけど。
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私は今ホテルにいる。大会は4日間開催されるが、準決勝、決勝は平日のため、明日で帰らないといけない。
(もうちょっと見たかったなあ…)
私はベッドに横たわり、今日の事を振り返る。だけど...
(なんか…大宅くんが邪魔してくる。)
私の記憶の中に大宅くんが沢山出てくる。いや、確かに沢山試合に出ていたけど!
お兄ちゃんの試合もあったはずなのに、隣に座っていた大宅くんがチラチラ記憶に入ってくる。
「あーっ!なんかモヤモヤする!もう寝る!」
私は布団を被り、眠りにつく…つけない!
何なのこの気持ち…!わかんないよお…!
結局、私は中々眠りにつけず、次の日は寝不足で観戦するのであった…
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2日目が終わり、帰路に着く途中、私は優子ちゃんに話し掛ける。
「ねえ優子ちゃん、この前宍戸くん達と勉強会をしようかと話をしたんだけど…優子ちゃんも参加しない?」
「…良いですよ。私もその話をしようかと思っていたところです。」
「やった!じゃあ…「その前に」えっ?」
「その前に、2人きりで会えませんか…?」
優子ちゃんの真面目な顔をみたら、私は頷くしかなかった。
次へ続く!
もう少し続きます。
ちなみに、私はサッカーをほとんど知らないので、雰囲気で話しています。許してください。




