関西乙女と天然男子
今回はネタっぽく仕上げてみました。
うち…五条 笑未は関西生まれで関西育ち、今は東総大学2年で文芸サークルに所属している。
一応他にも所属しているサークルはあるけど、メインで活動しているのはこのサークルだけ。
元々小説を読むのが好きだと言うこともあるけど…
うちはチラリと横を見る。少し離れたところで座っている茶髪の男性…同級生の江藤 翼に恋をしている。
来週、うちらのサークルは海に花火をしに行く。その日に、うちは翼くんに告白をする。
(そのために、告白の言葉も考えてきたんや!頑張るで!)
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花火が一通り終わり、うちと翼くんは2人で砂浜を歩いている。
(よし…!雰囲気は良い感じや!)
「な、なあ…翼くん…」
「どうしたの?笑未ちゃん。」
「…月が…綺麗ですね。」
「えっ!どこどこ?どこにあるの?」
「…」
「ねえねえ、俺も見たいんだけど…」
「…」
「…え、笑未ちゃん?」
「あんたの事が好きや言うてんねん!漱石に詳しいって言うてたからこの方法にしたのに!」
「あ!なるほど…!ご、ごめんね。もう1回やっても良いよ?」
「やれるかい!…で、どうすんの?うちと付き合うの?付き合わんの?どっち?」
「えっえーと…どk「どこにとか言ったらシバきまわすで。」…」
「…」
アカン。言い過ぎた。どうしよ…もっと可愛い感じで告白したかったのに…!
そう思っていると、翼くんがゆっくり口を開いた。
「あ、あの…笑未ちゃん。お願いがあるんだけど…」
「この状況で!?…な、何?」
「…俺から告白して良い?」
「なんでやねん!!!」
さっきうちが告白したばっかやん!何で!?
「い、いや…俺にも男のプライドっていうのがあってさ…」
「あ、そうやな。…ええよ。言って。」
確かに一理あるな。男の子から告白したいって人もおるしな。…あれ?てかこれ両想いやない?
「…」
「…あ、あの…翼くん?言ってええよ?」
「…何言おうとしてたか忘れた。」
「やったら何で言ってん!!!」
「いや…外に出る前は覚えてたんだけど…海見てたら忘れちゃった。」
「記憶力ニワトリか!!!」
数分しか歩いてへんのに何で忘れんねん!
「俺さ、こうやって全力で反応してくれる笑未ちゃんが好きだよ。」
「今言うタイミングちゃうんよ!いや嬉しいけど!」
こうして、うちらは付き合うことになった…
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あの衝撃の告白から数日後、うちと翼くんは初デートに来ていた…けど。
「なあ、初デートがここでええの?ほんまに?」
「えっ…だって笑未ちゃん好きって言ってたし…」
「うん、言っとったけど。けどな。」
うちは周りを見渡す。馬の写真がたくさん貼られている。
「競馬場が初デートは流石に無いやろ。」
そう。うちらがいるのは競馬場。遊具があるから子連れはええと思うけどな…カップルはほぼおらんな。
「いや、うち確かに言うたで。好きやて。推しの馬にお布施すんねんって。でも流石に初デートは…」
うちがそう言うと、翼くんはシュンとした顔をしながら話し出した。
「…笑未ちゃんが喜ぶかなって…」
アカン、シュンとせんとって。うちその顔に弱いねん。
…でも、これは翼くんの気遣いなんやろな…よし!
「…わかった!翼くんがうちのために企画してくれたんや!楽しもうな。」
そう言ってうちらは建物の中に入っていった…
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今回のデート…翼くんが企画したとはいえ、うちの方が経験が長いので、買い方を教えてあげんとな!あと、注意点も!
と、言うことでうちは翼くんに話をする。
「翼くんは初めてやろ?やったら買い方には気を付けんといけんで。うちは好きな馬が走るときにしか買わんけど。」
「たくさん買いすぎると先輩みたいになるんだよね!」
「…先輩の話は止めとき。…まあ、推し活や言うても結局競馬はギャンブルやからな。ハマりすぎると危険や。うちみたいに理性的に買わんとな。」
あの先輩、意味分からん買い方してアホほど負けとったからなあ…気を付けんとな!
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「後崎いいいいい!何してんねん!アカン!いっつもそうや!買ったら来ん!」
「え、笑未ちゃん…?」
何で普段先行やのに最後方走らせんねん!出遅れてへんのに!ポツンはノリさんだけにしとけ!
…しもた。盛り上がりすぎた。
流石にドン引かれたかな…と思い、うちは翼くんを見る。
「笑未ちゃん、楽しそうで良かった…!」
大丈夫かこの子?
「お、おう…なあ、ほんまにええの?うちこんな感じやけど。」
「推し活に全力な笑未ちゃんは眩しくて好きだよ。」
翼くんはあっけらかんと答える。眩しすぎるわ。
「…アカン。理解のある彼氏くん過ぎる。うちの醜さがあらわになる。辛い。」
「え、笑未ちゃん!大丈夫?」
「大丈夫…心にダメージを負っただけやから…」
「…大丈夫じゃないと思うんだけど…」
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今日は2度目のデート。今回はうちが担当したで!ショッピングモールにある映画館や!
「この映画な、監督が小説好きらしくて、色んなネタが仕込まれてんねん。」
「そ、そうなんだ。」
「翼くん、色んな小説読んどるって言っとったやん?もしかしたら結構楽しめるんちゃうかなって思って!」
「そ、そうだね…ありがとう。」
「?どないしたん?」
「い、いや…なんでもないよ。」
翼くん…体調悪いんかな?でも、大丈夫って言ってたしな…一旦その言葉を信じよう。
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「いやー…おもろかったな!」
「う、うん。」
「あそこのシーンはあの小説のパロディやったし…ん?翼くん、どないしたん?」
うちはうつむいている翼くんに話しかける。
すると、翼くんはなにかを決意したように顔を上げて、うちに話しかけてきた。
「ごめん!」
「えっ…どないしたん?」
「俺…笑未ちゃんに嘘ついてた…」
え…嘘って…?もしかして、告白のこと…?
ほんまは、うちと付き合うん、嫌やったんかな?
悪い考えが頭の中をぐるぐる回る。
少しの間沈黙が走る。
耐えきれなくなったうちは口を開いた。
「…ごめんな、翼くん。うち、ガサツやし、言葉もキツかったよな…無理して付きa「違う違う!違うよ!俺笑未ちゃんの事めちゃくちゃ大好き!!」…人前は流石に恥ずかしいって…」
「恥ずかしがる笑未ちゃんもめちゃくちゃ可愛くて好き!」
「やから!恥ずかしいって!…で?何がごめんなん?」
恥ずかしいけど…嬉しい。好きって言ってもらえて、ほんまに嬉しい。けど…何がごめんなんやろ?
うちがそう思っていると、翼くんはゆっくり口を開いた。
「俺…実は小説ほとんど読んだことがないんだ。」
「えっ!?…じゃあ、何で文芸サークルに…?」
「…その…入学式で一目惚れした人が文芸サークルに入ったから…」
「…えっ?」
「その人は…すごく美人なんだけど…笑った顔がすごく可愛くて…」
ちょ…ちょっと待って…これって…!
「俺…人と少しずれてる所があるのがコンプレックスだったんだけど…その人はそれも個性だって受け入れてくれたんだ…!」
「え、えーと…」
「全部、笑未ちゃんのことだよ。だから…改めて、俺と付き合ってください。」
「…」
嬉しい…ずっと前から両想いやったなんて…でも…
「…笑未ちゃん?」
「…あんな?翼くん。嬉しいよ?嬉しいんやけど…」
「ショッピングモールのど真ん中で言うことちゃうんよ…」
翼くん。はっきりストレートに好意を伝えてくれるのはめちゃくちゃ嬉しい…んやけど。
流石に場所は考えてほしかったな。
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ーーー2年後ーーー
今は飲み会帰り、うちは外で翼くんを待っていた。
(…月、綺麗やな…)
そう思っていると、翼くんが店から飛び出してうちに話しかけてきた。
「ねえねえ!笑未ちゃん!月が綺麗だよ!」
「…せやね。」
「…あっ!今のは好きって意味だからね!」
「分かっとるから!!」
相変わらずストレートに好きと言ってくれる翼くん。うちはちょっと恥ずかしいから、うちなりの返答をしようかな。さっき話題に出てたし、気付くはず…!
「…私もう、死んでも良いわ。」
「駄目だよ笑未ちゃん!俺を置いていかないでよ!」
「さっき話しとったやろがい!!!四迷の返事!!!」
「…あっ!そうだね!俺も大好きだよ!」
「…もう…うちも好きやから。…ほら、帰るで。」
「そうだね!俺達が同棲してる家に帰ろう!」
「何で説明口調やねん。」
なんやかんやあって今は同棲してるうちら。
ズケズケ言っちゃううちと少しずれてる翼くん。
かなりいびつな2人やけども。
今、最高に幸せに暮らしている。
終わり
ネタっぽく作りつつも、甘めにしました。楽しかったです。
ジョッキーの後崎さんは架空の人物です。ベリベリホースとか言わないし、YouTuberもしないし、「バード!バード!」とか言わないです。
私の推しジョッキーは岩田 望来くん、推し馬はマイネルメモリーくんです。




