バレンタイン特別編2026(前編)
バレンタイン特別編、前編です。渡す側視点です。
「ど、どうしよう…」
「やっぱり頼るしかないって。」
「うう…でも、作ってるのがバレるかも…」
「彼氏なんだからバレるもクソもないでしょ!」
「そ、そうだよね!ちょっと連絡してくるね!」
「あと1週間なんだから早く作らないとね。」
「うん!一緒に頑張ろうね。」
「「バレンタインのチョコ作り!」」
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「…で、私のところに来たわけか。」
私…梁瀬 小春は前に座っている2人を見る。
坂田 玲衣奈と増田 碧。2人とも、去年想い人と結ばれることとなった。まあつまり、初めて彼氏にバレンタインチョコを渡すというわけだ。私も彼氏という意味では一緒だけど。
「教えるのは良いんだけど…他の2人はどうしたの?」
私が言う2人とは、光咲ちゃんと麻里佳ちゃん、玲衣奈ちゃんと碧ちゃんとは美術部の友達だ。光咲ちゃんは同じクラス、麻里佳ちゃんは同じ中学だからよく知っている…けど。
確か2人ともお菓子作りは結構出来るはず…
そう思ってると、碧ちゃんが私に話し出した。
「ああ…2人は良いの。光咲はチョコの買い出し+作りデートするって言ってたし、麻里佳は私達にも秘密にしたいんだって。」
なるほど、それで私に白羽の矢が立ったのか。…よし!
「そうと決まれば!私がしっかりレクチャーするからね!…で、2人は何を作りたいの?」
私の質問に2人は少し遠慮がちに答える。
「えっええと…私はカヌレが作りたいかな?可愛いし…!」
「私はねー…ザッハトルテかな?食べるのも好きだし!」
なるほど、玲衣奈ちゃんはカヌレ、碧ちゃんはザッハトルテか…ふむふむ…
「…うん。却下!」
「「ええー…」」
「難易度高すぎるわ!」
何故、初心者ほど難しいレシピに挑戦しようと考えるのか…
多分、永久に解けない謎だと思う。
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「…よし!完成!これが生チョコだよ。2人とも食べて良いよ。」
「おお…すごい。いただきます…美味しい!」
「こ、こんなに簡単に作れるなんて…小春ちゃん、すごい!」
「そう言ってもらえると嬉しいね。…それに、こうすると…」
「おお…模様だ…」
碧ちゃんはそう言ってチョコをまじまじと見る。チョコペンで適当に書いただけなんだけどね。
「こうやってチョコペンを使うのも良いし、アラザンを使うと見栄えが良くなるよ!」
「ウィ○・スミス?」
「碧ちゃん!山○宏一かもよ?」
「ジー○ーじゃん!…じゃなくて!ア・ラ・ザ・ン!銀色の丸いやつ!」
「ああ、あれそんな名前なんだ。」
「そう。それに、基本の生チョコが作れるんだったら、トリュフチョコレートも作れるんだよ!」
「そ、そうなんだ…!私、作りたい!」
「わ、私も!小春!作り方教えて!」
「良いよ!一緒に作ろう!」
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「うう…不恰好だ…」
トリュフチョコを作り終えた私達はただ今試食中…なんだけど。
「中々綺麗に出来ないね…うーん、どうしよう。」
そう言って碧ちゃんはまじまじとチョコを見る。
確かに少しいびつだけど、十分人に渡せるレベルだ。
でも、2人は納得いかないみたい。綺麗なものを渡したい気持ちは分かるよ。でもね…
「ちょっと2人とも?聞きたいんだけど…君たちの彼氏は彼女から不恰好なチョコを渡されたくない!って思う人なの?」
そう。碧ちゃんの彼氏の三浦くんも、玲衣奈ちゃんの彼氏の西郷くんも、ちょっと形が崩れているくらいで嫌になるような人じゃない。私なんて駿太に失敗作をいっぱい食べさせてたし。
「…そうだよね。ありがと、小春。」
「ありがとう、小春ちゃん!」
私の言葉を聞いて、2人はスッキリした表情になった。うん、良かった。
私は2人にもう1つのアドバイスをする。
「あ、そうだ!もう1つアドバイス。バレンタインチョコに絶対必要なものがあるよ!」
「何々?」
「愛情!渡したい人の事を想像して作ったら、より良いものが作れるよ!」
「なるほど…!」
玲衣奈ちゃんは感心したように頷く。
すると、2人は少し考えながらチョコ作りを再開した。
「慶太…ふふっ。」
「海斗くん…うぇへへ…」
…うん。碧ちゃんの顔がかなりだらしないけど…大丈夫でしょう!
そう思い、私は自分の作業に取りかかる。
(美味しくなーれ!)
駿太の喜ぶ顔を思い浮かべながら、私はチョコ作りに励むのであった…
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「お、終わった…多いよ!」
「全くですね…ふう…」
私、鷺谷 瑠美は、同じサッカー部のマネージャーで友達の奥島 優子ちゃんとチョコ作りに励んでいる。これはサッカー部の全員分だ。もちろん、先輩達も一緒だ。
全国大会に行くようなチームだ。当然人数は多い。
私達はヘトヘトになりながら椅子に座っていると、先輩に話しかけられた。
「2人とも、お疲れ!はい、緑茶!甘い匂いで大変だったでしょ?」
「あ、ありがとうございます!」
「ありがとうございます。」
私達は緑茶を飲む。これは…!甘い匂いで大変だった私達にとって最高の癒しの一杯だ…!
私達がゆったりしていると、先輩達が再びチョコを作ろうとしだした…何故!?
「さて、私達は本命を作るか!…2人はどうする?」
「えっ!?…ええと…」
本命!?そ、そうか…!先輩達だって本命の人がいるんだよね…!ど、どうしよう…
「作ります!」
「ゆ、優子ちゃん!?…わ、私も作ります!」
優子ちゃんの勢いに飲まれて言っちゃった!まあ、元々作る予定だったから、正直助かったところはある。
すると、先輩がニコッと笑いながら話しかけてきた。
「君たちの本命チョコか~…優子ちゃんは宍戸くんでしょ?瑠美ちゃんはー…大宅くんかな?」
「は、はい…」
ば、ばれてる…!この先輩にはまだ言ってないのに…!
私がアワアワしていると、先輩が抱きついてきた。
「やーん!瑠美ちゃん可愛い!いっぱい応援するからね!」
「あ、ありがとうございます…」
…優しい先輩ばかりで嬉しいな。よし、頑張ろう!
そう思っていると、マネージャーのリーダーが私達みんなに向かって話し出した。
「そうと決まれば!みんな!さっき以上に気合い入れるよ!」
「おーっ!!!」
みんな張り切ってるなあ…さっきの作業より盛り上がってるかも?
先輩後輩関係なく盛り上がっている調理室で、私達もワクワクな気持ちでチョコ作りに励むのであった…
終わり
前編は渡す側視点。と言うことで後編は…?




