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クリスマス特別編2025(前編)

作中で結ばれたカップル達のクリスマスのお話、前編です。

【駿太と小春】


ーーー駿太の部屋ーーー


「ふーっ!食べた食べた!」


そう言って小春は俺のベッドに寝転ぶ。


今日はクリスマス。毎年恒例の家族でクリスマス会だ。会場は俺の家と小春の家で毎年入れ替わる。今年は俺の家だ。


満足そうにお腹をさする小春に、俺は話し掛ける。


「今年はやけに量が多かったな。」


「本当だよ!皆張り切りすぎ!」


「俺と小春が付き合い始めたからって、父さんも母さんも姉ちゃんも勝手に盛り上がっちゃってたし…」


そう言った瞬間に、俺はふと思ったことがあるのだが、小春が先に口を開いた。


「…ねえ駿太。」


「…多分俺も同じこと思ってる。」


「…」


「…」


「何でバレたの?」


「だよな。」


そう、俺も小春も両親やきょうだいに付き合ったことは言っていないのだ。いや、言うつもりではあったのだが、なかなか言い出せずにいたのだ。


「うーん…どこかで漏れたのかな…?」


「でも、どこから?俺たち、友達にしか言ってないぞ。」


「教えてあげよう!」


俺と小春は、声がする方に顔を向けた。


「…姉ちゃん…」


沙羅(さら)ちゃん!」


俺の姉の沙羅が、部屋の入り口に立っていた。


姉ちゃんが話を始める。


「ふふふ…私はとあるルートから情報を得たのよ…!」


「勿体ぶらずに教えろよ、姉ちゃん。」


「なによー、ちょっと格好付けさせてよ。可愛い義妹の前なんだから。」


「さ、沙羅ちゃん!気が早いよ!」


小春の顔が赤くなる。可愛い。


そう思っていると、姉ちゃんが話を再開した。


「まあ、羽那子(はなこ)…小春のお姉ちゃんから聞いたんだけどね。」


「な、何でお姉ちゃんが知ってるの!?」


「羽那子ちゃんの彼氏の妹が言ってたんだって。その子、小春ちゃんと同級生なんだって。」


「な、なるほど...!」


「まあ、その情報がなくても、お母さん達は気付いていたけどね。」


「な、何で!?」


「だって、空気がめちゃくちゃ甘くなってるもん。特に駿太。」


…空気が甘いって何だ?


俺の顔を見た姉ちゃんは、やれやれといった顔で話し始める。


「駿太…あんたが小春ちゃんを見た時の表情、すっっっっごくデレデレしてるからね?」


「えっ?」


「家族全員…っていうか、小春ちゃんの家族も感づいてるからね?」


「…姉ちゃん、俺って分かりやすい?」


「あんたは自分が思ってるより表情に出やすいからね。」


「…マジか。」


「小春ちゃん、改めて駿太(こいつ)のこと、よろしくね。…と、いうわけで、邪魔者は退散するわね。駿太!ちゃんと小春ちゃんを幸せにしなさいよ!」


「わかってるよ。」


「なら良し!じゃねー。」


そう言って、姉ちゃんは自分の部屋へ戻っていった。


「…」


「…」


部屋に沈黙が走る。


「…ねえ、駿太。」


「な、何だ?小春。」


「…一緒に幸せになろうね。」


「う、うん…」


「…と、いうわけで!明後日、デートに行こう!」


「と、突然だな…」


「何か、『恋人同士』で出来ること、沢山やってみたくなっちゃった。」


「…そうだな。」


「そうと決まれば!プラン、一緒に考えよう!」


「お、おう…」


そうして、俺たちは一晩中プランを考え続けるのであった…




気が付いたら、次の日の昼過ぎだったのは、別の話。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



【慶太と玲衣奈】


ーーー駅前のカフェーーー


「…」


「…」


「ね、ねえ…玲衣奈?」


「ど、どうしたの?」


「お、美味しいね。このケーキ。」


「う、うん…」


「…」


「…」


俺、西郷 慶太は恋人である坂田 玲衣奈と駅前のカフェに来ている。いわゆるクリスマスデートだ。


ここはコーヒーとスイーツの種類が豊富で、それぞれのコーヒーに合ったスイーツとのセットは人気のメニューだ…って、玲衣奈が言ってた。


そう、ここのカフェは良いんだ。良いんだけど、俺はある問題に直面している。


(恋人って、何を話すの?)


生まれてこのかた彼女なんて出来たことがなかった俺は、恋人同士のやり取りが分からないのだ。


(うーん…取り敢えず共通の話題かな…)


俺と玲衣奈の共通の話題…友人関係は結構バラバラだし…漫画やアニメだと付き合う前と変わらないな…あっ!


「「あ、あの…!」」


「「ど、どうぞ…」」


被ったあああああああ!!!


…取り敢えず、玲衣奈の話を聞こう。彼女の話をしっかり聞いてこそ良い彼氏になるってもんよ!…知らないけど。


「…玲衣奈から、どうぞ。」


「う、うん…あのね、碧ちゃん…増田さんのことなんだけどね。」


玲衣奈の言う碧ちゃんとは、同じ学年の増田さんのことだ。文化祭の日、俺が玲衣奈に告白するためにお膳立てをしてくれた人だ。


その増田さんがどうしたのだろうか…?


玲衣奈が話を続ける。


「さっき美術部のグループMANE(メイン)でメッセージが来てたんだけど…碧ちゃん、彼氏が出来たみたい!」


「えっ!そうなんだ!お相手は?俺の知ってる人?」


「う、うん…あの、占い師の人。」


「…占い師…?」


「ほら!文化祭で占い師をしていた…!」


「…?」


「お、覚えてないの?」


「…!あっ!あの!」


あの占い師くんか!それはめでたい!確か増田さんは同じクラスだったはずだから、そこで何か繋がりがあったのかな?結構気になる…!


そう思っていると、玲衣奈が話を再開した。


「そ、それでね、碧ちゃんのおめでとう会を開くんだって、明日。」


「良いじゃん!楽しんできなよ!」


「う、うん!」


おめでとう会か…俺もやったな…あの時は駿太に洋介、涼平もいたな。


そして玲衣奈の友達も…ん?


俺は少し気になったことを玲衣奈に聞く。


「ねえ玲衣奈。」


「?どうしたの?」


「…その会って玲衣奈の友達がやるんだよね?」


「そうだよ?」


「…そ、その…占い師くんの友達もいるのかなーって、思ったりして…」


そう、俺が気になったのは男の存在だ。


もしかしたら、俺と玲衣奈が付き合ってることを知らないやつが、玲衣奈に話しかけるかもしれない…


まあ、簡単に言えば焼きもちである。


そうやってぐるぐる考えていると、玲衣奈が答えた。


「…女子会だよ?」


「そ、そうなんだ…ふぅ。」


やべえ、露骨に安心しちゃった。


玲衣奈を見ると、俺にニコッと笑いかけてきた。可愛い。


すると、玲衣奈はケーキをフォークで切り、欠片を俺に差し出した。


いわゆる、【あーん】というやつだ。


「はい、あーん。」


そう言う玲衣奈の言葉に反応するように、俺は玲衣奈のフォークにのっているケーキを食べた。甘くて美味しい。


「ねえ、慶太?」


「な、何?」


そう言う俺に、玲衣奈は笑って聞いてきた。


「焼きもち?」


「…はい。」


バレた。バレてしまっては仕方がない。俺は思いを伝える。


「その…俺たちの時は男女混合だったからさ…!他の男に言い寄られるのを想像しちゃって…!玲衣奈は可愛いから心配になってました。」


俺がそう言うと、玲衣奈は少し考えたあと、笑って答えた。


「大丈夫だよ。普段言い寄られることなんて無いし、もし言い寄られても、『私には格好良い彼氏がいます』って答えるから…ねっ?」


可愛い。…じゃなくて!いや、可愛いのは間違いないんだけど…!


少し気恥ずかしくなった俺は、フォークの上にケーキを少しのせて、玲衣奈に差し出した。


【あーん返し】である。


玲衣奈は少しためらったあと、ケーキを食べ、照れ臭そうに笑った。可愛い。


…この表情を見れるのは、彼氏()の特権だよなと、少し優越感に浸る俺であった…



~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「ねえ慶太?」


「どうしたの?」


「さっき話が被ったとき、慶太は何を言おうとしたの?」


「…」


「あ、あの…まさか…」


「…忘れちゃった。」


「もー…ふふっ。」


俺の彼女の笑った顔ははちゃめちゃに可愛い。


生きてて良かった。




終わり

後編は違う2ペアの話をします。お楽しみに!


ー裏設定(みんなのきょうだい編)ー


小春ちゃんには5歳差の姉と6歳差の弟、駿太くんには3歳差の姉と妹がいます。


慶太くんには6歳差と4歳差と1歳差の姉、玲衣奈ちゃんには5歳差の兄がいます。


小春ちゃんの姉と玲衣奈ちゃんの兄は同じ大学で恋人同士です。(2人は知らない。)

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