慶太の初恋(2)
慶太の初恋、第2話です。体育祭で距離を縮める作戦、果たして、上手く行くのでしょうか…?
今日は待ちに待った体育祭…長いようであっという間だったなあ…
ーーー数週間前ーーー
「では、出場する種目を決めます。」
体育祭実行委員会の宍戸 涼平が黒板の前で話す。涼平とは幼稚園からの付き合いだ。
あの日、2人と別れてから俺は涼平にも相談をしに行った。
「りょーへー!俺の話を聞いてくれ!」
「なんだよ急に。」
「俺、気になる人が出来た!」
「えっマジで?誰?」
「坂田さん!」
「坂田さん!?…って誰だっけ?同じクラス?」
「そうだよ!眼鏡をかけてるポニーテールの!」
「眼鏡のポニテは2人いるんよ。」
「ちっちゃくて可愛い方!」
「ああ、あの人か…お前ナチュラルに可愛いって言ったな。」
「? 坂田さんは可愛いよ?」
「やべえなお前。…でもよ、お前今日駿太と洋介と一緒に遊んでただろ?駿太はともかくそういう相談だったら洋介に聞いたら良いじゃん。」
「洋介にも相談したよ!そしたら、体育祭で距離を縮めたら良いって…」
「ああ、なるほど、それで俺にか。」
「そう!洋介と駿太にも頼んだけど、上手いこと出来ないかなーって思って。」
「わかったよ。やれるだけのことはやるよ。その代わり、上手くいったらメシ奢れよ。」
「もちろん!」
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(…と頼んだは良いけど、よくよく考えたら男女混合でやる競技ってほぼ無いよな…)
黒板には体育祭の種目が書かれている。
(全員参加のクラスリレーに組体操、玉入れだと多少は接点が出来るだろうけど…そこまで男女ががっつり関わるものはないしな…)
俺は黒板に書かれている種目を見る。どれもクラスから何人か選抜する個人種目だ。
ふと、ある種目に目がいった。
(ラケット競走…?)
気になった俺は、実行委員に話しかける。
「ラケット競走って何?」
「2人でボールをラケットに挟んで走る競技だよ。」
ふーん…なるほど…2人がかりでボールを運ぶのか。面白そうだな。
そう思ってると、2人の女子が手を上げた。
「私たち、やってみたい!」
そう言うのは…玉川さんか。誰とでも仲良く話せる、クラスの中心的な女子だ。もう1人は…坂田さん!
「良いじゃん、慶太、俺達もやってみようよ。」
そう言ったのは…洋介!圧がすげえよ…
よく見たら、玉川さんと涼平からも圧を感じる…そう言うことかよ…
圧に押し負けるように、俺は立候補した。…いや、まあ良いんだけどさ。
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「じゃあ、早速練習をしよう!」
洋介が声を上げる。
こうして、俺達3人はグラウンドに来ていた。玉川さんはバレー部のミーティングが終わったら合流する予定だ。坂田さんは美術部に所属しているが、今日は休みみたい。俺達は帰宅部だ。
「…と、その前に、2人に言っておかないといけないんだ。」
ん?何だ?重要なことなのか?
洋介が俺と坂田さんに言う。
「この競技、どうやら男女ペアでやらないといけないみたいなんだ。そこで、慶太と坂田さんにペアを組んで欲しいんだ。」
やりやがったなコイツ。事前に言ってた涼平もだけど、恐らく玉川さんもグルだな…坂田さんすごく驚いてるよ…なんか申し訳ないな…
坂田さんが控えめながらに声をあげる。
「こ、これって身長差が小さい方が良いんじゃ無いかな…?」
確かに、俺は177cm、洋介は173cm、坂田さんは150cmで玉川さんは164cmだ。
洋介が答える。
「いや、正直身長差が関係あるかあんまり分からないんだよね。だから、思い切って身長差が大きいペアと小さいペアを作ろうかなって思って。慶太が無駄にでかいからどっちと組んでも身長差は出来ちゃうしね。」
無駄には余計だ。そんなに変わらねえだろ。
なんか適当に理屈を捏ねてるけど、要は俺と坂田さんをペアにさせたかったんだろう。
坂田さんは少し考えたあと、「わかった。」と答えた。
そして、俺と坂田さんペアの練習が始まった。俺が上から、坂田さんが下からラケットでボールを挟んでいる。
2つのコーンの間を2往復するらしい。足が速い俺が外側を後ろ向きで走る。そうすることでうまく息を合わせる作戦だ。
最初はうまく出来なかったが、数回走ってみると息が合ってきた。楽しい!
「ちょっと休憩しよう。」
洋介の声が聞こえる。坂田さんを見ると、かなり疲れているようだ。
「ごめんね。疲れてるの気付かなくて。」
俺が謝ると、坂田さんが答える。
「だ、大丈夫だよ。迷惑をかけたくなくて、言えなかった私も悪いし…それに、楽しくなってきちゃって…」
ズキューン
「可愛いな…」
「えっ」
坂田さんが顔を赤くする。
あれっ!?声に出てた!?
洋介を見ると、「なんだコイツ」みたいな顔で見てる…やらかしたな俺…
どうしようかと焦っていると、遠くから声が聞こえた。
「遅くなってごめん!ミーティングが長引いちゃって。」
玉川さんだ。た、助かった…!
「あれ?坂田さん、顔赤いけど大丈夫?」
「だ、大丈夫!ちょっと楽しくなってきちゃって動きすぎただけだから…!」
坂田さんが誤魔化す。
坂田さんの言葉に俺は少し考える。
(俺は坂田さんのことが気になっているけど、坂田さんから見たら俺はただのクラスメイト。発言には気を付けないと…!)
そう決意した俺は少し休憩した後、また坂田さんと練習をした。
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初めての練習後、あまり進展がない。
というのも、練習の機会があまりなかったからだ。
玉川さんはバレー部の練習があるし、坂田さんは美術部の活動がある。特に、うちの高校は体育祭の翌月に文化祭があるので、文化部は大忙しなのだ。
とは言え、全く何もなかったわけではない。
ちょっと進展できたことがある。
まず一つは、話す機会が増えたこと。
休憩中の雑談でお互いにアニメや漫画が好きなことが分かった。しかも、好きなジャンルも結構被っていたので盛り上がった…と思う。
その流れで、連絡先も交換した。お互いに筆まめな方ではないので、MANEの頻度は少ないが、たまに話をしている。
そうしていくうちに、自分の気持ちにある程度整理がついた。
俺、坂田さんのことが好きだ。
すごく穏やかで、俺の話を楽しそうに聞いてくれる。その時の笑顔にやられてしまった。
一緒にいる時間は短いけれど、楽しいし、心地よかった。
あいつらとは違う感覚が芽生え始めた。この感情は初めてかもしれない。
初恋をしたかもしれない。
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そうして、体育祭は始まった。
駿太がリレーで無双していた。あいつ陸上部でもないのにめちゃくちゃ足速いな…球技はド下手くそなのに。玉入れなんか思いっきり地面に叩き付けていたからな。あれは面白かった。取り敢えず午後もリレーだけ頑張ってくれ。
さて…そろそろ俺達の番だな。洋介と玉川さんも準備に入ってる。…あれ?坂田さんは?
…なんか隅っこで震えている…
俺は坂田さんに話しかける。
「ね、ねえ…大丈夫?」
「あまり大丈夫じゃ無いかも…!」
「緊張する?」
「す、するよ!そもそも、個人競技とかほとんどやったことがないし…!」
「個人じゃないでしょ?」
「えっ?」
「俺も一緒だよ。」
「…うん、そうだね。…ふふっ」
笑顔になってくれた。良かった…
「さ、行こうか!」
「う、うん。」
あ、やべ、手を出してしまった。これじゃあ『一緒に手を繋いで行こう』って感じになっちゃう。
さすがに手を繋ぐのは恥ずかしいけど、スルーされるのもそれはそれで寂しいというか…複雑!
あっ
手が
触れる
温かい
顔が熱い。これは分かってる。絶対今日が暑いとかそう言う話じゃない。絶対俺の顔真っ赤っ赤だ。
後ろを確認したい。坂田さんの反応が見たい…けど、振り向くのは不味い、俺の反応がバレる。
ーーー後に、後ろを振り向けば良かったと後悔することになる。
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「いやーっ!疲れたっ!」
クラス皆からの労いの言葉を聞いて、俺はつい言葉を漏らす。
洋介が俺に近寄って話しかける。
「凄かったよ、慶太と坂田さん!まさか2位になるなんて!」
「息ピッタリだったな。練習の成果か?」
駿太も話しかけてきた。確かに、なんかあの時、凄いうまく出来ていたんだよな…
皆から褒められていると、人混みを掻き分けて玉川さんと坂田さんがやって来た。玉川さんが洋介と話していると、坂田さんが俺に話しかけてきた。
「あ、あの!お疲れ様!」
「お疲れ様!やったぜ!2位!」
「あ、あの…ごめんね…」
「えっなっなっなんで謝るの?」
俺が困惑していると、坂田さんは話を続ける。
「わ、私、足が速くないから、せっかくうまく走れていたのに…追い付けなくて…だから…ご「坂田さん!」えっ!?」
俺はしっかりと坂田さんを見る。そして、しっかりと話す。
「坂田さんが俺と息ピッタリだったから、2位になれたんだよ。俺達1回もボール落としてないじゃん!俺達だけだぜ?落としてないの。洋介と玉川さんなんか、何回落としたって話だよ!?」
俺が洋介と玉川さんの方を向くと、2人は申し訳なさそうにはにかむ。2人は最下位である。
俺は続けて話す。
「それにさ…1位のやつらは両方陸上部だぜ?俺よりも足速いじゃん!さすがに勝てねーよ!」
俺が更に「無理だよーっ!」と弱音を吐くと、坂田さんはクスクス笑い出した。
「ふっ…ふふっ…ご、ごめんね?笑っちゃって…でも、ありがとう。私達で取った2位だもんね、誇らなきゃ!だねっ!」
クラスの皆も笑顔だ。勝敗も大事だけど、やっぱり楽しまなきゃ!
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結局、俺達1組は全7クラス中の3位だった。
優勝は出来なかったけど、楽しかった!
坂田さんとも距離が縮まった気がする。
この調子で、文化祭も頑張るぞーっ!!!
続く
結局結ばれないんかい!!!はよ付き合え!!!
あと3話くらいで終わる予定です。
裏設定その2
涼平のルックス
金髪(染めてる)、ゴリゴリヤンキーっぽい見た目だが、気さくで彼女に一途な一面を持つ。サッカー部。 身長は180cm
MANE コミュニケーションアプリ、リアルで言うL○NE




