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梁瀬 小春の無自覚な初恋(1)

今回は最初に作ったラブコメ作品の小春視点です。

「それは恋だよ。小春。」


それを聞いた瞬間、私は衝撃を受けた。


「い、いやいやいや...私と駿太はただの幼馴染みだよ…」


「その割には、1組の女子と仲良く喋ってるのを見てムスっとしてたよね?」


「…私そんな顔してた?」


「うん。」


「…」


「しかも、バレンタインはいつも金山くんに真っ先にチョコをあげるし、この前は水族館デートしてたよね。」


「あ、あれはデートじゃ…」


私は少し考える。


そして、百合奈に聞いてみた。


「ねえ…私って…恋してるの?」


「…何処からどう見てもしてるとしか思えないけど。」


「…嘘…!私…恋してたんだ…」


その日、私は初恋を自覚した。あまりにも遅すぎる自覚だった。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



ーーー十数年前ーーー



私こと梁瀬(やなせ) 小春(こはる)と、駿太こと金山(かなやま) 駿太(しゅんた)は幼馴染みだ。家が隣ということもあって、幼少期を通り越して赤ちゃんの頃から顔を合わせている。…流石に当時の記憶はないが。


「小春!今日は探検だぞ!この公園でお宝を見つけるんだ!」


「待ってよー…」


「小春!遅いぞ!」


「駿太が速いんだよー…」


「仕方ないなー。ほら、一緒に行くぞ。」


「うん!」


幼少期はいつも手を繋いで探検ごっこをしていた。宝物はどんぐりだったり大きな棒だったり…今思えば、なんでもないものだったけど、当時はあらゆる物が輝いて見えていた。


小学校に上がっても、関係はほとんど変わらなかった。高学年になっていくにつれ、遊び方は少しずつ変わっていったけど…それでも、駿太は私の側にいた。


それは中学でも、高校でも...


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「…うーん…」


私はベッドで悩んでいた。正直なところ、恋を自覚したところで何をすれば良いのかわからない。


百合奈にも聞いたけど、「参考にならない。」って言われちゃったし…


「…じゃあどーすれば良いのよ!!!」


「小春?」


ふと、窓から声が聞こえる。この声は…


「…駿太…どうしたの?」


ヤバい、恋のお相手だ。決定的なことは言ってないはずだけど、何か気まずい。


「いや、宿題見てもらおうと思って…俺の部屋の窓を開けたら声が聞こえたから...」


駿太の部屋の向かいにちょうど私の部屋がある。どこの漫画の話だよ!って思うが、お互いの両親のお腹に私達がいたときに計画したらしい。…恐いよ私達の両親…


ちなみに、幼馴染みの定番である窓からお互いの部屋を行き来するのはしていない。…て言うかしなくなった。小学校の時に駿太がやろうとして落ちかけたので。


「…小春?」


「うえっ!?あ!ああ!宿題ね!良いよ!見てあげる!」


ヤバい、焦った。とりあえず落ち着いて…駿太の部屋に行かないと!


「待て待て待て待て!!!俺が行くから!窓から入ろうとすんな!」


…私、全然落ち着けてませんでした。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



…自分の部屋に駿太(好きな人)がいるシチュエーションって、何かドキドキする。


「小春?大丈夫か?体調が悪いなら無理しなくて良いんだぞ。」


好き。優しい。好き。


…じゃない!危ない危ない…勢い余って告白するところだった…


「だ、大丈夫だよ駿太。ちょっと眠たかっただけ。」


「そうか。夜更かしもほどほどにしろよ?」


「う、うん。」


…駿太に頭、撫でられちゃった…いつものことなのに、いざ意識しちゃうと気持ちが落ち着かない…!



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



なんとか教え終わり、駿太を見送った私はベッドに倒れ込んだ。


(今まで普通に受け入れていたのに…いざ好きって自覚しちゃうとドキドキする…)


気軽にお互いの部屋に入ることもそうだけど、顔が近かったり、頭を撫でられたり、手を繋いだり…昔からずっとやっていたのに…


「うう…どうしよう…このままじゃまともに話も出来ないよ…」


…やっぱり、百合奈に相談しよう。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「ご、ごめんね…やっぱり相談したいんだ。」


「…まあ、こんなことになるとは予想していたけど。…ねえ小春。私もう1つ案件抱えているの知ってるよね?」


「うっ。」


「だから、そっちはメインで動いてね♪」


「わ、わかった...」


百合奈が言うもう1つの案件とは、1組の坂田(さかた) 玲衣奈(れいな)ちゃんのことだ。玲衣奈ちゃんとは中学の時に同じ塾に通っていて、その流れで玲衣奈ちゃんの幼馴染みである増田(ますだ) (あお)ちゃんと一緒に恋愛相談に乗っていた…のだけれども…


(私も碧ちゃんも恋愛経験が無さすぎて上手く出来そうになかったから、百合奈を頼ったんだよね…)


「うう…どうしよう…」


「ちなみに小春…何か案は考えてるの?」


案とはおそらく玲衣奈ちゃんのことだろう。私は百合奈に答える。


「とりあえず2人には関わりを持ってもらわないと…なんとかして会わせる手段があれば良いんだけど…」


「あ、いや、そっちじゃなくてね…いや、これは使えるかも…」


しまった。私のことだった。


…ん?使えるって…?



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



困った。非常に困った。


私は今から駿太と話をしなければならない。


というのも、百合奈が立てた作戦の会議だけど…


百合奈が立てた作戦はこうだ。


『小春と坂田さんで遊びに行って、金山くんと遊んでいる西郷くんと鉢合わせるの。これで坂田さんと西郷くんは少しだけど関わりが持てるし、小春と金山くんはイチャラブデートが出来るってわけ。』


イチャラブデートは流石に無いけど、駿太と一緒に出掛けられるのは嬉しい。…んだけど、関門がある。


「…駿太と話をしないといけない…」


そう、そこが問題。普段であれば全く問題ないのだが、今の私は駿太にメロメロ状態だ。通学中も頑張って抑え込んでいるので大変なのだ。


「…でも、玲衣奈ちゃんのためだしね…!気合い入れろ!私!」


私は窓の向こうにいる駿太に話し掛ける。


「駿太、ちょっと話があるんだけど…そっち行って良い?」


すると、駿太は窓を開けて答える。


「小春?ここじゃダメなの?」


「うん、ちょっと内緒話だから。」


「わかった。母さんに言っとく。」


そう言って駿太は下へ降りていった。私も準備してお母さんに言ってこよっ。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「…それで、話って?」


「…」


「…小春?」


しまった。油断していた。ここってアウェイじゃん。


いや、今まではそんな感覚は無かったんだけど、今の私にとっては好きな人の部屋…何故か緊張してきた。


いつもよりリラックスしている駿太が格好良く見える。いや、いつも格好良いけど。


「小春?どうした?」


「あっ!ごめんごめん。…ええとね…」


私は今回の作戦を伝えた。玲衣奈ちゃんの恋心は駿太も知っているので、説明自体は楽だった。


「…なるほど、じゃあ俺はその日にゲーセンに行っておくよ。…洋介も呼んだ方がいいかもな。俺だけだとボロが出そうだ。」


「うん、それは百合奈も言ってた。」


「よし、じゃあ来週の土曜日な。」


「オッケー。玲衣奈ちゃんにも言っとくね。」


こうして私は自分の部屋に戻った。


…物凄く緊張した…



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「ご、ごめんね…!その日は趣味の買い物をするの…!」


玲衣奈ちゃんにフラれた。趣味の買い物くらい、いくらでも付き合うよ!って言ったけど、頑なに拒否されてしまった…うう、悔しい。


とはいえ、玲衣奈ちゃんは駅前のショッピングモールに行くみたいなので、駿太達とは目的地は一緒だ。もしかしたら運良く会うかもしれない。なんか上手いこと頑張れ!


私はお気に入りのカフェでランチでもしておこう。この前駿太と行ったカフェだ。沢山のコーヒーの種類と、各々に合ったスイーツのセットが魅力的だ。想像したらお腹がすいてきた。


その時、私は閃いた。これは駿太と距離を縮めるのに役立つかもしれない。


私は昼休みに2組へ駆け込んだ。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「…なるほど、お弁当作戦。」


今は昼休み。私は百合奈とお弁当を食べている。


玲衣奈ちゃんの作戦は失敗したが、百合奈もそこは仕方ないと言ってくれた。無理矢理着いていくわけにもいかないしね。後は運任せだ。


そして今話しているのは私の作戦。駿太に手作り弁当を作る作戦だ。


「良いと思うよ。小春は料理が上手だし。」


実を言うと、お菓子やちょっとした軽食くらいは駿太に振る舞ったことはある。…自覚する前だけど。


百合奈もそこは知っているので、賛成してくれた。


「まあ、それで金山くんが好意に気付くかはわからないけどね。」


百合奈の言葉に私は頷く。私の不安はそこだ。


色々振る舞っていることの延長線ととらえられる可能性もある。ただ、普段とは違う形での振る舞いなので、気付いてくれないかなーと、僅かばかりの希望に今回はかけたのだ。


そうと決まれば!放課後に準備をするぞ!



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



私は今、後ろから私の母と駿太の母に見られながら私の家のキッチンに立っている。


理由は簡単、私のお母さんに相談したら、たまたまお茶会に来てた駿太の母にも聞かれたからだ。


「ついに小春ちゃんが義理の娘になるのね!佐由美先輩!私嬉しいです!」


「あら仁美、私にとっては駿太くんが義理の息子になるのよね。私だって嬉しいわよ。」


…なんか母2人がものすごく盛り上がっている。まだ付き合ってすらないのに…まあ、教えてくれるのは非常に心強いけど。


「どうせだったら駿太の好物ばかりにしましょ!小春ちゃんは料理が上手だから絶対喜ぶわよ!」


「それは良いわね!駿太くんの胃袋を鷲掴みにしちゃいましょ!」


2人の母の会話が止まらない。いや、褒めてくれるのは嬉しいんだけど…


「…あの…始めて良い?」


「「あっ」」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~


お、終わった…疲れた…!


料理は作ったことはあるけど、大体一品料理ばかりだったから、複数作らないといけないお弁当は時間がかかってしまった。


いやあ...これを毎日作る母は偉大だな…


それを伝えると、「普段はもっと手を抜いているわよ」と言ってたが、例えそうでも、すごいものはすごい。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



出来たお弁当は駿太の家の冷蔵庫に入れておいてくれるみたいだ。駿太の母曰く、「サプライズ」とのことだ。


ついでに私も駿太の家に来た。なんかちょっとだけ駿太と話したくなったから。


駿太は少し驚いていたけど、迎え入れてくれた。


そして、駿太と喋っていると、だんだん眠たくなってきたので、今日は泊めてもらうことにした。


お弁当、美味しいって言ってくれると良いな…




次へ続く!

玲衣奈ちゃんの流れは【慶太の初恋】に載ってありますので、良ければ読んでいってください。(宣伝)


あと1話で終わります。

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