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ハーミット・リスタート【入学編】6ページ目 イーガ・ジェットフォワード

観光を楽しみつつ。

寮へと辿り着いたレオナ達一行。

既に入寮の手続きを終えていたヘルシィは。

自室へ向かう。

今日入って来たルームメイトがいるとも知らずに。

レオナ、ダグ、レイシの三人は。


ノウレッジハウスこと自分達の学生寮にたどり着いていた。


レンガ造りの壁に囲まれ。


正門右の壁石にはノウレッジハウスの名前が刻まれているが。


それでも単純に寮とだけ呼ぶ者ばかりなのが。


少々寂しい。


「ちょっと寄り道もあったけどレオナとレイシはどうだった」


「建物とか外から見るだけでもすごかった」


「悪いねダグにレオナ。オレのワガママでウルフランド生家の跡地まで行ってもらって」


「全然、入館料もあるし流石に中に入るってなったら別だけどね」


「私も気にしていないからね」


「ありがてえ」


ダグの案内のもと。


特に迷うことなく。


道中観光も楽しみながら。


これから自分達が身を寄せる場所に足を踏み入れようとしていた。


「にしても、首都だけあって色々賑やかよね」


「まあね。毎日がお祭り騒ぎなくらいだよ」


「いや、ホントダグがいて助かったぜ」


「ありがとう、レイシ」


建国者のウルフランドの生家跡である博物館。


メロディアントの中央を流れるアントスタンプ川。


この国の最大規模の市場であるセントラルスタッグ市場。


首都の憩いの場の一つ、メロディグランガーデン。


建物に関しては内部に入ったわけでなく。


公園であるグランガーデンもアントスタン川も外観を眺めただけだが。


それだけでも充分過ぎるほど三人にとっては楽しめる景観だった。


「それじゃあ、寮に入ろうか」


「うん」


「ほいじゃ、行きますか」


観光した場所を振り返るのもここまで。


三人は気持ちを切り替え。


寮の中へと入っていった。


最初に敷地内の石畳を踏み締め。


大きな門エントランスホールへ。


入り口には管理人用の窓口があり。


そこには眼鏡をかけた一人の女性がいた。


四十歳ほどの黒い髪に。


白と黒のエプロンドレスを着た。


いかにも真面目な雰囲気だ。


「ダグさん、とその横にいらすお二人は今年度の入寮者の方ですか」


「はい。レオナ・ストレングスです」


「スズナリ……レイシ・スズナリって言えばいいのかな」


「確認させてもらいます」


レオナとレイシの二人の名乗りを確認すると。


女性はPMAG、個人用MAG端末を取り出し。


背面のカメラを二人の顔に照準を合わせた。


『照合完了。レオナ・ストレングス、レイシ・スズナリ認証しました』


端末からの機械音声に納得し。


女性はレオナとレイシに自己紹介をし始めた。


「名乗りが遅れて申し訳ございません。ここの寮母を務めさせていただいております。エリー・ペンセイバーです」


エリーは一度頭を下げると。


顔を上げた際に笑顔でレオナとレイシを改めて出迎えた。


「ようこそ。ノウレッジハウスへ」


エリーの笑顔に安心し。


レオナはレイシと共に。


ここの一員になったのだとホっとした。


「さて、レオナさんとレイシさんは寮室の鍵やここの規則の説明がございますのでしばらくお時間をいただきます。よろしいですか」


「「はい」」


「いい返事ですね。では、誠にお手数ですがお荷物を持ってあちらの机まで行ってもらえますか」


エリーが指し示したのはホワイトボード前に置かれた横長の簡素な机だった。


「エリーさん、説明の前に一ついいですか」


今更かもしれない。


そんな思いを抱きつつもレオナは寮母であるエリーへと。


やや遅れて挨拶を返した。


「これからお世話になります。レオナ・ストレングスです」


「説明の後でもいいのに。よろしくね、レオナさん」


微笑ましくレオナを見守るエリー、ダグ、レイシ。


和やかな雰囲気が落ち着くと。


レオナとレイシはエリーの指定した席へと向かった。


「それじゃあ二人とも後で二階の談話室で話そう」


既に説明を受け終えたダグは一人自室へと向かう。


二人に部屋やルームメイトの感想を聞くのを楽しみにしながら。


「一時間後にレオナのPMAGウォッチに通知送るからね」


二人と離れる前に一声かけると。


ダグは自分の部屋である103号室へと行った。


この後のことを楽しみに思いつつ。


カードキーを扉の前のセンサーにかざし。


解錠すると。


部屋の変化にダグは疑問を持った。


「あれ、ルームメイトが入室している」


外出前にはなかった自分のルームメイトの荷物が。


部屋にあったのだ。


きっと自分がいない間に入寮手続きを済ませたのだろう。


「トイレかな、それとも館内を散策でもしているのかな」


大きなトランクとキャリーケースは。


荷解きはされておらず。


室内にあるベッドの一つに立てかけてあるだけ。


荷物の配置具合からして着いたばかりだろうか。


そんな風に考察しているダグの上に。


掌に接着魔法を使い。


天井に張り付き。


ルームメイトであるイーガ・ジェットフォワードはいた。

ここまでお読みくださってありがとうございます。

鞄の中を掃除して整理していると。

レシートを発見し。

自分が以前にお菓子を買った記録を発見したのですが。

レシートには値段ばかり目が行きがちです。

しかしながら、基本的にいつ、どこで、なにを買ったのかが記載されているので。

ゲームのセーブデータみたいなものですね。

ちなみに翌日レシートに書かれたお菓子を買いに行きました。

さて、次回の更新は8/27の17:00になります。

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