表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/35

ハーミット・リスタート【入学編】26ページ目 機工と魔術仕掛けの乙女は雷光を放つ

制服を受け取りに行ったレオナとビリーの二人。

寮へともどった二人の目の前には。

ドルフィンキックフロンティア社のトラックが一台停まっていた。

スロットルの言っていた件だろうと思い。

レオナが寮に入ると未知の存在が。

彼女の視界に入った。

スロットルとの邂逅の翌日。


西陽で夕方に差し掛かろうとする帰り道を。


レオナとビリーは一緒に歩いていた。


二人は受け取り日が同じだったため。


カップアンドコイン学園の制服を。


一緒に受け取りに行っていた。


「すいません、ビリーさん。制服受け取りに行くのご一緒してもらって」


「これくらいなんてことないよ。偶然受け取り日が同じだったし」


二人は制服が入った大きな紙袋を。


それぞれ握っており。


昼食を終えた後。


洋装店である『ヴォルフズテーラー』まで。


レオナとビリーは足を運んでいたのだ。


(ビリーさんがいて良かったけど、ダグは何をしているんだろう)


朝食の後、レオナはダグに声をかけたものの。


『ごめん。急な用事が入ったんだ』


そんな返事を残し。


ダグは午前中から外出していた。


ならば、レイシに頼もう。


いつも朝食が済むと足早に出かけるからこそ。


食堂にいたまだ食事中のレイシへと。


ダメ元でレオナは頼んだのだが。


『すまない。今日も用事なんだ』


断られてしまい。


ガッカリしているレオナの所に。


ビリーが現れた。


『自分でよければ話を聞こうか』


レオナはビリーとの面識はなかったが。


彼が自分のルームメイトだとレイシから教えられると。


若干の抵抗はあったが。


事情をレオナはビリーへと伝えた。


制服の受取日だが。


一人でメロディアント内を出歩くのが心細い。


PMAGウォッチのナビ機能だけでは心配だと。


レオナが語ると。


『元々メロディアント住まいだから案内するよ。自分も今日が受取日だしね』


『いいんですか』


こうして二人はヴォルフズテーラーのある。


メロディアント中央区域であるビターラテ地区へ赴き。


レオナとビリーは引換券を渡し。


各自学園の制服を試着した後に。


それを改めて店員から受け取ると。


二人はそのまま寮へと直帰した。


特に寄り道はしなかったものの。


帰り路でレオナはビリーとよく話をした。


『バイトを3個掛け持ちして、休み時間含めたら七時間は最低でも勉強していたよ』


『働いていたのは飲食店のキッチン、道路の誘導員、PMAGの対応センターとかね』


『家はメロディアント郊外のスパイスウォッカにあってね、嫁と子供二人で四人で暮らしていたんだ』


『子供は二人ともレオナちゃんよりも年上だろうね』


そんな何気ない身の上話を楽しみつつ。


二人は寮の玄関前へと辿り着いたのだが。


一台の見慣れない魔導車が停車していた。


ドルフィンキックフロンティアのロゴが入ったトラックだが。


なぜ、そんな車が停まっているのか。


最初レオナは見当もつかなかったが。


『今年度のカップアンドコインについて、オレらも関わってるからな』


前日のスロットルの言葉を思い出し。


きっとあの人絡みなのだろう。


レオナには心当たりがあったので。


「ビリーさん、多分ドルフィンキックの発明品が来たんじゃないですかね」


きっと新しいMAG端末だろう。


そう思いビリーと共にレオナは寮へと帰宅し。


エントランスの中へと入ると。


そこには見慣れない存在がいた。


オレンジの髪に透き通った朱色の瞳。


肌の色は白く。


美しく整った輪郭と顔立ち。


背丈はレオナと変わらないが。


黒いローブを纏い。


その下は黒衣に覆われて見えない。


しかしながら、表情だけで。


生気のない顔立ちからして。


目の前にいる存在が人工的に作られた。


いわば、人形だとレオナは直感した。


(新型のゴーレムかな。それにしては大分人間っぽいけど)


人間そっくりの人形やゴーレムには。


レオナはもう驚きはしなかったが。


なんとなくだが。


人形らしさを敢えて残しているのだと。


考えると。


少々レオナは不気味ささえ覚え始めた。


そんな思いを抱いているレオナのもとに。


「おかえり、レオナ」


「おっ、んレオナちゃんも一緒かい」


トラックのコンテナの中からダグがやってきた。


それもスロットルも一緒だ。


「ダグ、スロットルさん。あの、入り口にいるのは一体なんですか」


「それについては私が説明しよう」


ダグとスロットルの後ろから。


一人の男がレオナへと姿を現した。


背はスロットルと変わらず、170センチ代だろうか。


オールバックの灰色の髪に。


強い意志を持った金色の瞳。


黒いジャケットに紺のネクタイを締めた。


白いシャツと黒いパンツの。


スロットル以上にきちんとしたスーツスタイル。


にこやかな笑顔に反し。


ただらなぬ気配を持った男は。


レオナに挨拶をした。


「ルーレッツ・ジャッジメント。ドルフィンキックフロンティアの社長です」


朗らかな笑みをたたえルーレッツは。


握手のために右手をレオナへ差し出した。


白い手袋をはめた手には。


一切のシミや汚れもなく。


潔癖であった。


「どうも。レオナ・ストレングスです」


「よろしく。キミの話はヘルシィ氏とスロットルから聞かせてもらったよ」


「光栄です。ところで、入り口にあるゴーレムはあなた達のものですか」


「ええ、そうです。我が社が開発したアーツマグロイドの“イオン”です」


「アーツマグロイド?」


「まあ、新型のゴーレムという解釈で構いません」


「ということは、この寮の用務員として開発したのですね」


きっとスロットルの発明品で。


ダグとのつながりで。


この寮に試しに配備される。


我ながら良い予想だと。


レオナが頷くのを。


ルーレッツは首を横に振り否定した。


「いいえ。今年度MAG課に“イオン・フールズトラベル”という名前で生徒として入学させます」


「えええええ!!」


雲の上の人物であろうルーレッツに対し。


お構いなしに思わずレオナは驚いてしまった。


ルーレッツは少女の驚愕を気にしていない。


同様にイオンもまたその無機質な瞳で。


驚くレオナを捉えていた。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。

今年も一年よろしくお願いします。

ところで、今回登場したイオンは前回の後書きで記したキャラになります。

元になった作品については色々思い出深いのですが。

次回の後書きで軽く触れたいと思います。

それでは次回の更新は1/14の17:00です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ