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ハーミット・リスタート【入学編】21ページ目 書店ではお静かに

ブライトグラス書店の店長である。

マーク・サイレントタワーは。

店番を従業員に任せ。

基本的に店長室での執務か。

二階にある魔導書の管理を行なっている。

従業員たちによると。

店長しか入れない秘密の魔道書庫が、

この書店のどこかにあるらしい。

ブライトグラス書店は一階が通常の書籍。


参考書から、雑誌、小説などなど。


入り口から突き当たりの壁までが。


見える程度に。


そんなに広いわけでもないが。


多くの本棚が並び。


そこにはいくつもの書籍が連なっている。


二階には魔導書が置かれているのだが。


そこには店員の許可が必要となる。


今回レオナ達が用があるのは一階のみで。


受付に参考書の引換券を渡せば。


済むのだが。


十分もかからず、歩けば店内を見て回れるのに。


スロットルはレオナとダグに内部を案内するのだった。


「あそこが受付で、あそこが参考書で、あそこが小説で、んでんで……」


最初にあった時よりも声量は小さいものの。


スロットルの強引な引率は。


レオナを困惑させていた。


(ここに参考書や教科書取りに来ただけなのにな)


困り気味に笑いながら。


早くレオナは書店の受付に行って。


目的である参考書をもらいたかった。


ダグはといえば。


ニコニコとスロットルの話に。


頷きながら。


「ルーレッツさんやアプリコットディスクさんにバンブーストローさん、皆元気にしている」


「元気元気。でも、一番元気なのはオレだけどな」


「良かった。うん、良かった」


どこかしみじみとするダグに。


レオナは奇妙さを感じていたが。


スロットルの案内という回り道を経て。


ようやく二人は書店の。


受付へと辿りついた。


「あの、スロットルさんサイン会は?」


「今は休憩中です!!」


屈託のない。


青空みたいな清々しいスロットルの笑顔は。


若い女性店員からの指摘を一切許さず。


彼女はそのままスロットルの傍にいたレオナとダグに。


視線を移すのだった。


「そちらのお二人はどのようなご用件でしょうか」


スロットルの勢いに押された余韻か。


少し困惑した笑みの店員に。


レオナは落ち着いて返事をした。


「カップアンドコインの今年度の教科書を受け取りに来ました」


その言葉と共にレオナは引換券を店員に渡すと。


「自分も同じくです」


ダグもまた引換券を店員に提示した。


ホっ、と。


一息をつくと。


女性店員は「お待ちください」の一言とともに。


受付台の奥にある取手のついた革の袋を。


レオナとダグに手渡した。


袋はレオナの上半身ほどの大きさもあり。


重さもレオナからしたら中々に重たかったのだが。


「カル、ライ」


スロットルが二人の袋に向かって手をかざし。


詠唱すると。


レオナの腕の負担は一気にとれた。


「あれ、急に重たくなくなった」


「オレが、軽量化の魔法を二人にかけたのさ」


「ありがとうございます」


「ありがとう、スロットルくん」


「どうってことありませんよ。それより外でちょっと話しませんか」


偶然顔を見上げたレオナは。


二階へと続く階段から。


白髪混じりの黒髪に。


茶色のベストに赤いネクタイを締め。


眼鏡をかけた老人が。


スロットルに怪訝そうな視線を送っていた。


「あの人って」


「ここの店長のサイレントタワーさん」


密かに耳打ちしてきたダグに。


こくりと小さく頷くとレオナは。


視線をサイレントタワーから外し。


店の入り口へと顔を向けた。


「んじゃ、早く行こうか」


スロットルに促されるままレオナとダグは。


店の外に出たのだが。


この時レオナは。


(絶対スロットルさん二階にいるお爺さんの厳しい目線に気づいたんだろな)


思っていても少女は言葉を口にしなかった。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

もうそろそろ一年が終わろうとしています。

読者の皆様方が。

健やかで無事に大切な人と一緒に。

年末年始を迎えられることを私は心より望んでおります。

次回の更新は12/10の17:00となります。

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