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ハーミット・リスタート【入学編】2ページ目 私のこれから

カップアンドコイン魔導学院へ通うため。

レオナはメロディアス国の首都メロディアントに辿り着いた。

メロディアントの駅は彼女の地元であるトランシープよりも。

遥かに大きく人波もまた大きかった。

そんな中で彼女は待ち合わせ場所に向かっていた。

ヘルシィもといダグのいる場所に。

『終点、メロディアント。メロディアント』


列車内のアナウンスに促され。


乗客は皆降車していく。


そんな中で一人の少女がいた。


長い金髪を後ろで束ね。


オレンジ色の瞳を持つ。


十七歳の彼女の名はレオナ・ストレングス。


「ふう、着いた」


地元であるトランシープの街から列車に揺られること五時間以上。


長旅を経て。


ようやく目的地のある駅まで辿り着いた。


(早く待ち合わせ場所に行かなきゃ)


私物が入ったトランクを手に持ちキャリーケースを引いて。


レオナは改札を抜けると。


その先には多くの人が行き交う場所であり。


天井から吊るされた標識のディスプレイには行き先と様々な国の言語が表示されている。


(確か北側の大画面の螺旋階段の下にいるんだっけ)


待ち合わせの場所へと。


荷物が盗られないようにトランクとケースの取手をしっかりと握り。


人混みに苦しみながらもレオナは前へ前へと進んでいった。


(確かこの辺、ちょっとメッセージ確かめようっと)


待ち人からの連絡が来ていないか。


レオナは右手に巻いた腕時計型端末、PMAGウォッチの画面を見た。


その小型ディスプレイに表示されていた着信はというと。


『人がめっちゃ多いから』


『レオナはゆっくりでいいよ』


三分前に二つのメッセージが届いていており。


それを見るとレオナはふぅと一息ついた。


(ヘルシィらしい)


急足から自分のペースで。


押し寄せる人の流れに潰されないように。


荷物を掴んだ手はギュッとしたままで。


無理をせずにレオナは待ち合わせ場所で向かった。


(いた、ダグの姿であそこにちゃんと)


五分ほど歩いた先には大きな広告用のディスプレイがあり。


画面の右には螺旋階段が設けられており。


その階段の傍で。


黒いシャツに黒いズボン。


黒髪の中性的な少年がいた。


全身真っ黒な彼の例外は前髪の一部だけ。


手には明かりが灯っていない。


ランタンが吊るされた自身の身の丈を超す杖を持っていた。


「おっ、レオナ」


少年はレオナを目視すると彼女のなを呟き。


右手に巻いたPMAGウォッチのメッセージアプリを起動させた。


ピロロン。


レオナの端末に着信音が鳴り。


すかさず画面を見ると。


『おっつ。長旅大丈夫だった』


わざわざメッセージを返すまでもないな。


そう思いレオナは黒衣の少年のもとまで進んでいった。


「ヘルシィ、じゃなかった。ダグお待たせ」


「全然待ってないよ。今来たところ」


「あなたらしいね」


親しげにレオナは黒衣の少年に声をかけた。


この少年こそがヘルシィ・ハーミットの仮初の姿。


ダグ・ダークハウンドだ。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

前話のヘルシィのモノローグを経て。

いよいよ、本編の始まりとなります。

重ねてですが更新ペースは従来通りの。

水曜日の17:00の週一回とします。

機会があるのなら。

ストックが貯まればまた連日更新も行うかもしれません。

では、次の更新は7/30の17:00となります。

ちなみに特別な状況下や説明時でなければ。

今後ヘルシィを指す名称は。

基本的にダグになりますのでお見知り置きお願いします。

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