ハーミット・リスタート【入学編】18ページ目 教科書を受け取りに行こう
まだまだ一日は終わっていない。
残りの時間を使って。
レオナは教科書を受け取りに。
ダグと一緒に指定の書店へと向かうのであった。
昼食を終えれば。
あとは一日好きに過ごせる。
そう思えば。
教科書を受け取りに指定の書店に行くに限る。
レオナのこの後の予定は。
お昼ご飯のバジルソースのパスタを。
食べている間に決まった。
(引換券については)
制服については。
明後日に時間指定をされていたので。
まだ受け取りに行けないものの。
入学に向けて必要なものは。
できるだけ早く揃えておきたい。
しかしながら、一人で首都を歩くのは。
心許ない。
そうなるとレオナが頼るのは。
ダグしかいない。
既に昼食の時間にダグには話を通している。
イーガと一緒にいなかったことを。
レオナは不思議に思ったが。
『なんか知らないけど、エリー寮母に連れていかれちゃったみたい』
イーガくんだから仕方ない。
そう割り切って。
私室で外出の準備を済ませると。
ダグの待つ寮の入り口に向かっていると。
イーガがエントランスで。
入寮の際の説明が行われたホワイトボード前で。
エリーの監視の下、なにかを書かせられていた。
「反省文を書き終えるまでご飯は抜きです」
「オレは夜通しでもハジけ続けられるんですよ、エリーさん」
「どうぁから、そういう深夜徘徊を連想させること言っているから反省文書かせられているんだろうが」
「うわああん、お腹すいたよ」
私がイーガくんにできることはなにもないな。
入り口で自分を待っているダグへと。
レオナは足早に向かった。
「僕らがお昼の時イーガくん、寮母室で怒られてたんだって」
「へえ」
「さっきイーガくんとすれ違った時に僕に言ってくれたんだ」
「ふうん。じゃあ、行こうか」
「あれ、なんか冷たくない」
「そんなことないよ。早く行こう」
「う、うん」
ダグは頷くしかなかった。
レオナから発せられる静かな圧力は。
魔力ではない。
それくらいにはダグも察せられた。
「カードキーはちゃんと携帯している、レオナ」
「うん、これないと寮の外に出られないしね」
レオナとダグは。
お互い自分の鞄を手でさすり。
外出に必要なカードキーがあるのを。
鞄越しの手触りで確認すると。
二人は外出した。
目的地はメロディアスの本屋街。
ハンドレッド・メロディストリート。
そこにあるブライトグラス書店。
国の中枢機関である魔導院も近くにあり。
建物も古風なものから。
ガラス張りのオフィスビルもある。
過去と未来を感じさせてくれる景観だ。
レオナとダグは寮から徒歩で。
書店へと向かっていた。
二人が歩くこと十数分。
「もう少しだ。ほら、あの角を右に曲がれば見えてくるよ」
「どんなお店だろう」
出発前に見せた淡白な顔とは。
大違いにレオナは浮かれていた。
だからこそ、目を瞑って笑うほどに。
心が弾んでいたため。
前から来る者達に気づかなかった。
ドっ。
不注意から前方から来る通行人に。
レオナはぶつかってしまった。
その反動で鞄の隙間から。
彼女のカードキーは飛び出してしまい。
それはぶつかった相手の足元に転がってしまった。
「ごめんなさい」
「……これ、嬢ちゃんのかい」
「あら、レオナちゃんじゃない」
「えっ、その声ジェシカさん」
レオナはぶつかった相手の一人の声に。
聞き覚えがあった。
入学前、レオナはダグもといヘルシィに。
会いに行く際に面倒を見てもらった女性である。
ジェシカ・P・ハングドマンだったからだ。
変装癖があることを彼女自身から聞かされていたからこそ。
初対面の時と違い。
アンバーブラウンのベリーショートの髪型に。
茶色の瞳にカジュアルな服装で。
声でレオナはジェシカだと分かったのだが。
レオナにとって問題だったのは彼女の隣にいた人物だ。
彼女のカードキーを拾った男性は。
爬虫類革のジャケットやズボンの格好の。
黒い髪に鋭い目つきの茶色の瞳を持った。
威圧感のある男だった。
「なあ、これお嬢ちゃんのかい」
「は、はい」
ジェシカはともかく。
彼女の隣の男にレオナは。
恐ろしさを覚えてしまい。
怯えてしまっていた。
ここまでお読み頂きありがとうございます。
まだまだ入学編が続きますが。
教科書や制服の受け取りにシエルに関してなどのお話となります。
ここまで来ると。
二十話越えそうですので。
無理をしないように。
自分なりの安定した更新頻度とはいえ。
物語の展開が。
ローペースでごめんなさい。
では、次回の更新は11/19の17:00となります。
ぜひ、お楽しみください。




