ハーミット・リスタート【入学編】13ページ目 アウロラでのティータイム・前編
あまりにも濃密な一日であったため。
レオナは夜眠れずにいた。
下手に無心になろうとすれば。
よみがえる記憶に苦悩し。
彼女は別の記憶を呼び覚まして。
気を紛らわせようとした。
アウロラでのハイプリステス理事長との出会いを。
色々あったなあ。
いいや。
色々ありすぎだ。
夕飯やレイシとの雑談の後。
ルームメイトのシエルのいる自室にもどると。
荷解きの続きを行うが。
消灯も迫り。
私室内のシャワーで入浴を済まし。
一人、レオナはベッドの上で今日の出来事を振り返っていた。
鉄道でメロディアントについたと思ったら。
ダグと合流してすぐにスリにあって。
レイシやもう一人銀髪の少年に助けられ。
その後、軽く首都巡りをして。
入寮の説明に。
もう既に横のベッドで眠りについているルームメイトは。
全く自分に関心は示しておらず。
春から同じクラスになる学友の中に。
ものすごく強烈な人物がいたりと。
一日を振り返れば振り返るほど。
レオナにどっと疲労が襲いかかった。
(どうせ、明日も時間あるし荷解きの続きは明日やろう)
そうして、眠りにつこうとするも。
なかなか眠れないのが。
レオナにとっては辛かった。
「本当に濃い一日だった」
無理に何も考えずにいようと。
すればするほど。
今日の出来事やイーガが頭によぎり。
レオナは余計に眠れずにいた。
「はあ、しんどい」
横になり、レオナは隣のベッドでスヤスヤ眠るシエルを見た。
幸せそうに寝ているルームメイトに。
羨ましささえ感じていたからこそ。
今後の自分の役目に不安を覚えていた。
(自分がクラス委員長にもう決まっているのシエルは知らないんだよなあ)
一癖も二癖もあるクラスメイト達を。
まとめあげないといけない。
それが入学の条件であり。
ハイプリステス理事長が面接という名の。
ティータイムでの一言。
(そうだ、あの日の事を思い出そう)
疲労は感じるものの。
異質な不安に駆られるよりもマシ。
そう思い、レオナはアウロラでハイプリステス理事長との。
初めての出会いを思い出し始めた。
二月下旬。
ダグもといヘルシィからの。
カップアンドコイン魔導学院の推薦を受け。
一週間も経っていないある日のこと。
当時、レオナが勤めていたレストラン。
アウロラに衝撃的な一報が飛び込んできた。
「レオナちゃん、急だけど明日の二時から四時まで貸切になったから」
個人用のMAG端末、PMAGを片手に。
アウロラの店長のリブはレオナに呼びかけた。
時刻は五時で夕方の忙しい時間帯に差し掛かろうとしている手前で。
レオナはリブの報せの内容が知りたかった。
「明日、自分もその時間帯に来ますけど、待機ですか」
「ううん。レオナちゃんはホールで接客してくれる」
ああ、これはまたあの人だな。
呆れた気持ちを表情には出さず。
レオナは白々しくリブへと尋ねた。
「えっ、そのパターンって。またヘルシィさんですか」
「いいえ、カップアンドコイン魔導学院の理事長のハイプリステスさんよ」
「えええ」
「あなたにお会いしたくてわざわざ時間を割いてくれるそうよ」
予想外の名前が出て。
今度ばかりはレオナは驚きが。
表情が顔に露わになってしまった。
ここまでお読みくださってありがとうございます。
ハロウィンの時期になりましたが。
前作のハーミットなごちそうも。
ハロウィンに開始されたので。
そちらもまた思い返して。
お読みいただければ嬉しいです。
さて、次回の更新は10/15の17:00です。
今話から四話連続になりますが。
全てお目通していただければ。
私としては喜ばしい限りです。




