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asmi『恋』に関する考察

asmi『恋』に関する考察6 夏目漱石『こころ』編

作者: 非成城速記部

「私」は「K」を出し抜いて、

「お嬢さん」を妻にもらうことを、

「お嬢さん」の母に談判し、許されるが、

そのことが原因で、

「K」は自殺してしまい、

「私」はそのことを一生引きずることとなる。


恋は罪悪ですよ。

そうして、高純度の恋は神聖なものですよ。

よごさんすか。愛なんて、持っていない。




ゆっくり溶けてく私からあなたへの想い

・・・私は自分の傍に坐っているのがKでなくて、

   お嬢さんだったらさぞ愉快だろうと思った

言葉は何より危うい鋭く純粋な氷みたいだ

・・・精神的に向上心のないものは馬鹿だ

   私は二度同じ言葉を繰り返しました。

最終電車の逃し方は覚えてしまっている

・・・東京行きの汽車に飛び乗った私は、

   袂から先生の手紙を出して、

   ようやく始めからしまいまで眼を通した。

でもこんな夜を前にしては役に立たないな

・・・この手紙があなたの手に落ちる頃には、

   私はもうこの世にはいないでしょう。

   とくに死んでいるでしょう


涼しい風が吹いて私の迎えが先に来る

・・・私は枕元から吹き込む寒い風で

   ふと眼を覚ましたのです。

じゃあねバイバイのリズムで駆け出す

・・・もっと早く死ぬべきだのに

   なぜ今まで生きていたのだろう

足音がドアをくぐった

・・・そうして振り返って、

   襖に迸っている血潮を始めて見たのです。


愛なんて持っていない あるのは高純度の恋

・・・私は極めて高尚な愛の理論家だったのです。

心が悲鳴を上げてもそれすら笑っていたい

・・・奥さんは大方極りが悪いのだろうといって、

   ちょっと私の顔を見ました。

   Kはなお不思議そうに、

   なんで極りが悪いのかと追窮しました。

   奥さんは微笑しながら私の顔を見るのです。

愛なしでどこまで行けるか試したい恋で

・・・奥さん、お嬢さんを私に下さい

今が一番若いの私いつまでも光っていたい

・・・私の眼には勝利の色が輝いていたでしょう、

   私の声には得意の響きがあったのです。

たどり着いた先や未来がね ここにはない

・・・ところがその晩に、

   Kは自殺して死んでしまったのです。

好きという気持ちだけでは長く続かないことを

知っているからこそ

・・・おれは策略で勝っても

   人間としては負けたのだ

毒を帯びた魔物 下がらないでいて体温

・・・私はその光景を思い出すと慄然とします。

もしも今夜月がきれいなら二人共犯者になろう

・・・母は死にました。

   私と妻はたった二人ぎりになりました。

   妻は私に向って、

   これから世の中で頼りにするものは

   一人しかなくなったといいました。


横顔にキスをしたいつもずるいのは私でごめんね

・・・悪い事をした。

   私はあなたに真実を話している気でいた。

   ところが実際は、あなたを焦慮していたのだ。

刺さって抜けないまま痛いくらいがいいでしょう

・・・私の幸福には黒い影が随いていました。

   私はこの幸福が最後に

   私を悲しい運命に連れて行く

   導火線ではなかろうかと思いました。

好きですあなたが

・・・私は世の中で女というものを

   たった一人しか知らない。

   妻以外の女はほとんど

   女として私に訴えないのです。


牢屋の中で二人は永遠を夢に見て愛に向かった

・・・「子供はいつまで経ったってできっこないよ」

   と先生がいった。

   奥さんは黙っていた。

   「なぜです」と私が代りに聞いた時

   先生は「天罰だからさ」といって高く笑った。

息はできているんだろうかできないでいてくれ

・・・私は忽然と冷たくなったこの友達によって

   暗示された運命の恐ろしさを

   深く感じたのです。

ずっとずっと恋をしてる

・・・私は妻には何にも知らせたくないのです。

   妻が己れの過去に対してもつ記憶を、

   なるべく純白に保存しておいてやりたいのが

   私の唯一の希望なのですから




※本考察では、asmi作詞の『恋』の歌詞の意味について、夏目漱石の『こころ』の世界を描いているという独自の説を唱えるため、著作権法第三十二条に規定する研究の範囲内において合法的に引用している。


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