6個目 夢世界に溺れて
Smashed cream bread—
In an instant, the world fell to despair.
A symbol of ruin, a spark of revolution.
Raging through the thunderous night sky.
The sun shall never rise again,
The stars and moon, robbed of their light.
I carve the age of darkness—my name is YASAO.
Even monkeys turn into demons, dyeing rivers red.
My name is Sarukigawa Yasao.
I live only for beautiful women.
The wild-born king.
My strength—unknown. My experience—depleted.
A talent for tainting every beautiful scene.
My way of life births another world.
私の歌声が、世界を震撼させる。
拍手喝采。歓声と指笛の協奏。
涙を流す者も、後を絶たない。
2025年。運命の瞬間を生きている。
猿鬼川優男 58歳
東京ドームの中心に立ち、マイクを握りしめる。
そして、一つのクリームパンを手に取った。
「社会を生きるのは、辛いよな。苦しいよな。理不尽と睡魔に襲われる毎日。幸せを噛み締めるよりも、不幸に浸かる時間が当たり前になって、生きる意味を見失いそうになることだってある。頑張らなきゃいけない日本人へ捧ぐ魂の歌。聞いてくれ『Cream Bomb』」
照明が落とされる。
真っ暗な空間の中で、観客の期待が灯りをともす。
見えない星空を眺め、息を吸い込んだ。
「--っ、叩きつk 」
歌声が途切れ、世界が反転する。
乱れた呼吸。噴き出る脂汗。
目を開き、飛び跳ねるように起き上がる。
目を覚ました。
夢も覚めてしまった。
深い溜息をつき、床に転がるクリームパンを踏み潰す。
ついでに、ちゃぶ台も蹴り飛ばした。
小さなゴミの山を漁り、一枚の履歴書を手に取る。
「…… 笹川さんでも、見に行くか」
目の保養は必要だ。
これは療養。悪い事では無い。
玄関扉を開けると、涼しげな風が肌に吹き付ける。
全身があまりに寒いので、一度扉を閉めた、
「流石に、服は着るか」
適当に服を身にまとい、再び外の世界へ。
何も考えず、住宅街を歩いていく。
辿り着いた場所。見慣れた景色。
表札に彫られた『笹川』の文字。
二階の窓を見上げ、自宅の前にクリームパンを置く。
脳裏に浮かぶ一人の女性。
忘れれない出会いに、笑みがこぼれる。
現実世界に意識を戻し、後ろを振り返る、
警察官と目が合った。
「ハロー、グッバイ、ノーセンキュー」
これもまた、夢である。
現実に起こりうる 悪夢だった。
今のところは--
猿鬼川優男は神出鬼没。
次回もお楽しみに!
※歌詞は、翻訳して楽しんでみてね。
ここまでの総集編みたいな1話。
打ち切りなるんか。
(残念ながら、終わりません)