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風呂場で、一方が裸でお話なんて無理なので氷翠を追い出した後に、待たせているという罪悪感も手伝って急いで着替えてでる。
「あーあ、髪の毛びしょびしょじゃん」
誰のせい、誰の〜!!と叫び声をあげる代わりに思いっきり睨みつけてやる。
だからほっぺをふにふにしないで欲しい。
感情の温度差がすごい。
「座って」
ドライヤーを構えた氷翠に座るように促されて、されるがまま。
何だか久びさな気がする。
当時もあまり思い出したくは無いけど。
髪を撫でるように優しく乾かしてくれる。
不思議とリラックス出来ている気がする。