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「探しましたよ?」
唐突に最近聞き覚えてきた声が聞こえた気がした。
無視した。
「今日は楽しかった!」
「それは良かったですね」
太陽がそそくさとその場を離れようとして首根っこを素早い動きで捉えたプロデューサーが相槌を平坦な声で返す。
百花も氷翠も何も言わず、楽しかった空気が霧散した。
私が何か言わないと場が収まらないだろうなというのを強く感じたものだから、仕方なく振り返る。
「ワアー、プロデューサー!イタンデスネ!」
「なんですか、そのカタコトは。随分と探しましたよ。スマホくらい見ましょうよ、仮にも女子高生でしょう」
「あー!JKが全員スマホ中毒だって言ってるようなもんだよそれ!」
「違うんですか?」
「現にほら、私見てなかったし!」
「そうですね、貴女みたいな人も居たんでしたね。それはそうと連絡手段です。こまめに見ましょう」
「チィ!」
「こら、なんて顔をするんですか」