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「結構バリエーションあるんだ」
バイキング方式になっていて各々好きにとって食べるみたい。
トースターも複数ある。
一応キッチンもあり、そこには従業員さんかな?が出来たての料理を提供してくれる。
「パンだけとか、ヨーグルトだけって子も居るね」
「朝ごはんは和食に限るわ!」
白雨が指をさして教えてくれる。
フムフムと頷いていると、真横にいつの間にか居た紅音が腰に手を当ててそう主張する。
これには私以外もびっくりしたみたいで、食堂にいる子達が何事と紅音を見ている。
「って、やつもいるからなー。寮費に毎食の食費も込だから私はここで食べるけど、簡易的なキッチンも別にあるからそこで作ってる子もいるなー」
「お腹空いたけど、疲れてそんなに食べれないんだよね」
「白雨、そんな事じゃいつか消えちゃうわよ!」
「……どういうこと?」
紅音に動じない白雨とキレトカは慣れたのだろうか。
ギャイギャイと仲良さそうで何よりです。
「まぁ、アイツらはほっとこう。何にする?」
「うーん、そうだな。パンかな。ジャムも種類いっぱいあるし」
さりげなく腰に手を回す氷翠に促されるように少し移動して、白雨の言っていたようにパンにしようと思う。
なんか、見るからにふわっふわで湯気も出てるし美味しそうだったから。
パンの横には瓶のジャムが数十と置いてある。
迷っちゃうな。
「いいチョイスよ!夢!」
「わぁ!びっくり!」
「色んな産地のジャムが揃っているから美味しいのよ!」
「そ、そう。それは楽しみだなあ」
「紅音、困らすな。お前のテンションって人とは温度が違うんだから」
「そうかしら?そうかしらね!?ねえ、どうかしら!?」
「……うーん」