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暫くぼーっとしていると食堂が空く時間になったらしい。
制服に着替えた子達がチラホラ入ってくる。
当然だけど、誰も知らない。
皆違うけど顔は良いなぁと思った。
私は入学試験とか受けてないけど、みんなは受けてるんだよね。
アイドルと言っても、アイドルたらしめる要素は複雑だ。
歌は勿論ダンスに体力も居る。
その辺が試験だったんだろうか。
あとは最低限学力は居るだろうけど。ここの偏差値すら知らない……。
ご飯のいい匂いが漂い、一日の始まりを感じた。
私はどうすればいいのか分からず、椅子に座ったまま。
少し気まずい。
「あ、朝日夢!!」
注目を一新に集めるほどの大きな声で私を呼ぶのは紅音。
その後ろにヘロヘロになった白雨と、白雨に肩を貸して歩くキレトカが手を挙げて挨拶をする。
「あー、居た!」
そして、その横で同じくらい大きな声でワンテンポ遅れて氷翠来た。
氷翠と紅音が互いに顔を見る。
「………」
「………」
「なに人見知りしてんだよ!」